バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
2003年、フランスに単身で渡り、 現在はパリを拠点にヘアメイク&フォトエッセイストとして 活躍しているとのまりこさんが、 愛犬のバブーくん(アイルランド出身)を相棒に、 パリ暮らしのちょっとびっくりな出来事や、 へぇ〜っと感心する習慣などなど(*)をお届けします。 *もちろんすべてのフランス人やフランス全土に共通しないこともあります。 週に1回、でも気まぐれにもっと更新するかも? すてきな写真とともに、おたのしみください。 Amusez-vous bien!

 
とのまりこさんと バブーくんのプロフィール
 


   

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パリ市内で最後かもしれない
超高層ビルが建設中?!

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パリ市内で最後かもしれない
超高層ビルが建設中?!

バブー

みなさんボンジュ~ル!
最近、ボクたちが住むアパルトマンの
ベランダから見える景色が
少しずつ変わってきているんだよ。

ガラスのピラミッドが、
どんどん空に向かって
伸びてきているんだ!

 

パリ南南西のいちばんはじっこにできつつあるこの高層ビル。
パリで最後の高層ビルになるかも?!

とのまりこ
ベランダから見えるパリの屋根の景色。
この正面の向こうのほうに
ニョキっとそびえ立つ工事中の建物。
これ、『トゥール・トライアングル』
(=トライアングル塔)と言って
パリの15区のポルト・ドゥ・ヴェルサイユに
建設中の高層ビルなのです。
(ここはパリの南側のいちばん端っこ、
境界線ギリギリの場所。ギリギリとはいえ、
パリ市内だからこそ大きな問題になっている)

高さ180m、42階建て。
今まさに建てられているところを
毎日ベランダから観察しています。

 

我が家のベランダからの景色。これは2025年7月くらい。
左の赤丸のビルがポツンと目立っていたのに、
真ん中にニョキニョキと新しいのがのびはじめます(右の赤丸)。

 

バブー
建物の高さが厳しく制限されている
景観が保たれている街として有名だよね?!
パリには19世紀の
オスマン都市計画から続く伝統があって、
「パリ市内の建物は原則37mまで」
っていう鉄のルールがあるんだよ。

 

トライアングル塔がなかったときの、
もともとのベランダからの景色。
たった2年前には何もなかったのに(泣)。

 

とのまりこ
なぜなら、1973年に
パリに『モンパルナスタワー』という
210mの無骨なビルが建ったとき、
パリっ子たちから
「街の景観がぶち壊しだ!!!」
という猛バッシングが起きたから。

さらにこのモンパルナスタワーが
建てられてしまった同時代に、
当時のポンピドゥー大統領の
「パリを近代的な大都市にするぞ!」
という大号令により、
パリの13区や15区などに
近代的なビルの建築ブームが起きてしまい、
パリ市内にはパリらしかぬ景観と高さの
建物が集まるエリアができてしまったのです。
美しいパリの歴史的な景観が
なくなっていくことに大ショックを受けた
パリっ子たちの反対運動によって、
再び規制が厳しくなったという流れなのです。

 

 

これがパリっ子たちをガッカリさせ、厳しいルールが
生まれるきっかけになった「モンパルナスタワー」。
パリの町に真っ黒なビルがニョキッとは美しくない!
我が家のキッチンからも見えます。
朝焼けがきれいで撮った写真だけど、
いつも美しくないなあと思いながら眺めてます

 

バブー
モンパルナスタワーは、確かに
パリの景色の中でかなり浮いているよね‥‥(汗)。
我が家のキッチンの窓からは
このモンパルナスタワーが見えるんだけど、
見るたびに残念なパリのひとつだなあ
って思うもの。

 

これは虹の出ている日のモンパルナスタワー。
あまり好きな景色ではないので、朝焼けとか虹とか
特別なことがあった日の写真しかありません(笑)。

 

とのまりこ
そのトラウマから生まれた「37mの壁」。
なのになぜ今このトライアングルが
建てられているかというと、
実はここに至るまでに15年以上にわたる
壮絶なドラマがあったのです。

2014年にパリ市議会で
このビルの建設を採決したら、
環境派や右派がこぞって反対して、
まず「否決」されたのです。

ところがアンヌ・イダルゴ市長が諦めない。
「あの投票は反対派が
自分の票を周囲に見せびらかして
圧力をかけたのだ。だから無効だ!」
と裁判に訴えたのです。

バブー
そして2015年に再投票を実施したら、
直前で賛成に寝返った議員が出てしまって
僅差で「可決」されてしまったんだって。
反対派からは
「民主主義のパロディだ」と大ブーイング。
その後も裁判闘争が続いたの目的、
最終的に2021年末、
コロナ禍のどさくさにまぎれるようにして
ようやく着工されてしまったんだ。

 

完成も間近かなあという、最近のトライアングル塔。
ニョッキリほんとに残念だけど、
夕焼けが反射している時は少しだけきれい?!

 

とのまりこ
反対派からは
「エッフェル塔の影が薄くなる」
「ガラス張りのビルは石造りの建物より
7倍もエネルギーを消費するから、
エコな街パリのイメージとは真逆」
「そもそもリモートワーク時代に
オフィスビルなんてもういらない」
などなど意見が出ていましたが、
残念ながらもう完成も間近。
トライアングルの上の方に近づいている
工事風景を毎日眺めています。

オフィスに加え上層階には
パリを一望できる展望台やスカイバー、
中層階には高級ホテル、
下層階には託児所やヘルスケアセンターなども
入る予定だということで、
完成後はパリの観光地のひとつに
なるのでしょうか? どうなるのかな‥‥。

 

展望台やスカイバーは、パリの新たな観光地になるのかな。

 

バブー
ちなみに設計は北京五輪の
「鳥の巣」をデザインした
Herzog & de Meuronという
建築界のノーベル賞受賞コンビなんだって。

いまだに環境派の強い反対もあり、
パリ市は再び高層ビルを禁止する方向に
動いているので、このトライアングルが
『パリ市内に建つ最後の超高層ビル』
になる可能性がとても高いよ。

ボクたちもベランダから見える景色が
台無しと思ってがっかりしていたんだけど、
「夕日が反射している姿はキレイだなああ」
なんてもうできちゃったからには
いい面を探すしかないかなと思ってるよ。

出来上がったらまた偵察に行ってくるよ!
それではみなさん今週も
ステキな1週間を!

 

ボクのお気に入りの日向ぼっこスペースからの景色が、
毎日少しずつ変わっているよ。できあがりはいつなのかなあ‥‥。

 

 

 

 

*とのまりこさんの本*


「シンプルシックで心地よい暮らし
パリの小さなアパルトマンで楽しむおうち時間」
出版社 : 世界文化社
発売日 : 2021/5/29

 

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)

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