「フランスでは、 虫たちは『歌う』?!」
突然ですが、 フランスの虫たちは「歌います」。 そんなことで盛り上がった 先日のとある出来事を紹介するね。
▲フランス語も日本語も学ぶ子どもたち。 複数の言語を同時に学んでいると、色々な「言いまつがい」が出てきたりしておもしろい。
▲フランスは、イースターのバカンス(2週間)が終わったばかりですが、祝日も多い5月。 今週は水曜日から5連休となり再びミニバカンスが挟まり、子どもたちはウキウキしてます。
友人宅での夜ごはんパーティー。 パーティーが始まる前に、 子どもたちに勉強をさせていた時の会話。
以下は、文章題の問題を解いていた息子が 文章を朗読している横で、 11歳の日仏ハーフの友人の娘ちゃんが 感想をもらしている時のやりとりです。
息子: 『あきになると、虫たちが きれいなこえでなきはじめます。 (‥‥文章が続く) では、どうやってないているのでしょうか。 虫たちは、二まいのはねをこすりあわせることで 音を出しているのです。』
娘ちゃん: 「へ〜。」
息子: 『なくのはおすだけで、』
娘ちゃん: 「えっまじ? よわっ。」
息子: 『めすをよびよせたり、ほかのおすと けんかをしたりするときになきます。』
娘ちゃん: 「情けなっ‥‥。」
友だちの娘ちゃん、面白い反応をするな。 って思って聞いていたのだけど、 最後の反応を聞いてふと気づいた。
もしかして、『鳴く』を『泣く』 だと勘違いしているんじゃないかと‥‥。
オスだけ泣くなんて弱いじゃないか。 他のオスとけんかをして泣くなんて 情けないじゃないか‥‥と。
そこで、本人に聞いてみたら、その通り。 まさに『鳴く』と『泣く』の 思い違いだったのですが、 これが冒頭の話に繋がります。
フランスでは、 『虫が鳴く』ではなくて 『虫が歌う』という動詞を使うため、 日仏ハーフの娘ちゃんの頭の中には 『虫がなく』と言われたら 「え〜んえ〜ん」の方の『虫が泣く』しか 思い浮かばなかったというわけです。
▲ちなみに、フランスでは「セミ」の声が聞けるのは南仏の方だけ。 パリではセミは見かけません。
『虫が歌う』。 詩的な言葉の表現がステキだよね。 そしてイメージ的には とってもわかりやすい言葉の使い方だよね♪
「え〜んえ〜ん」泣いている 弱い情けない虫を想像して、 みんなで大笑いした 楽しい夜ごはんパーティーだったよ。 それではみなさん今週もステキな1週間を!
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2024-05-07-TUE