「先生の代わりは 保護者?!」
フランスはあと約1ヶ月で夏休みに。 6歳になったばかりの ボクの相棒プチモンスターも、 あと少しで、3年間通った フランスの幼稚園が終わるとこだよ。
▲3年間通ったフランスの幼稚園もあと1ヶ月を残すだけ。
お天気も良くなってきて、 遠足などちょっとしたイベントが 増えてくる年度末。 先週も幼稚園の遠足の 付き添いに行ってきました。
そう、フランスでは 学校の遠足の付き添いに 保護者が参戦するのです。 担任の先生から 「遠足の付き添いで、3人保護者が必要です。 可能な方は教えてください。」 と、連絡帳などでお知らせが。
▲学校の遠足は担任の先生以外に足りない分は保護者数人が付き添い。 今回は4人に1人大人が付き添う感じ。 自分が担当する子どもは誰と誰ときっちりグループも決められます。
日本の幼稚園や学校もね、 保護者たちが活躍する場面がたくさんあるけど 「親子遠足」という行事ではなく 子どもの遠足や社会科見学に 保護者が付き添うって聞いたことがないなと 最初はびっくりしたよ。
「この仕事は誰のもの」 「自分の担当のこと以外はしない」 と、潔いほど分かれているフランス。 他の先生がヘルプにくるとかではなく、 担任の先生でやりきれないものは 保護者に声をかけて やりくりするなんだよね。
例えば息子の幼稚園では、 年長さんからは週に1回のプール (フランスは基本、学校内にプールはないので 学校外のプールに泳ぎに行く)、 週に1回の図書室の時間が加わりました。 ここでも先生が見きれない分は、 保護者へ声がかかります。
▲年長さんで始まった週1回の図書室の時間。 クラスを半分に分けて交代で図書室の時間があるので、担任の先生はクラス担当。 だから保護者が図書室担当してほしいというヘルプ要請が。
毎週、プールへの付き添いで3人、 (学校とプールの往復と着替えの手伝い) 図書室での朗読や図書返却などの作業で2人。
こんなことまで 保護者にお願いしちゃうんだと思いつつ、 手が足りないならできる人に 声をかけるシステムは、 先生にも負担がないし、 保護者も普段の学校の様子をのぞけるし、 なかなかいいシステムだなあと感じています。
▲週に1回のプール授業。 フランスの学校は校内にプールがないので外のプールへ。 プールの授業があるかないかは、学校による。
遠足やプールの付き添いとかだけじゃなく、 例えば保護者会で配られるアンケートには 「カラーコピーができる人」 「白黒コピーができる人」 なんて項目もあったりするんだよ?!
え〜!! もしできる人がいたら コピーを外部の保護者に頼んじゃうわけ?! そこは学校でやらないわけ?! なんて驚いていたら フランス人的には普通らしい。
「会社でコピーできちゃう人とかもいるからね。 そういうのがなければ、別にできない方に チェックしておけばいいのよ。」 と言われました。 会社でコピー、それはいいのか‥‥?! といまだに理解不能な部分もあるのですが(笑)。 とにかく何か必要なことがあったら 気軽に保護者に声がかかる印象です。
そしてその引率やお手伝いなどに関しては 「できる人がやる、できない人はやらない」 という姿勢も徹底していて、 『誰々ばかりたくさんやって負担になっている 誰々は何回やっているけど誰々はやっていない』 という考え方はなし。
「空いている人、仕事休める人、できる人がやる」。 「やってくれる人にはみんな、 『ありがとう』と感謝する」。以上!
という感じでとてもサバサバしています。
▲子どもたちが楽しみにしている遠足。 これは担任の先生によって回数も場所も変わるのも日本とは違うところ。 外出大好きな先生に当たると、年に何回もお出かけが。 逆だと1回もなかったということもありえるので、 担任の先生がだれか、もとっても重要に!
おそらく、小学校に入っても 同じような感じだと予想されるけれど、 一気にお勉強感が大きくなる フランスの小学校。 一体どんな違いがあるんだろうね?!
引き続きフランスの学校の様子を 観察してみようと思うよ! みなさんもどうぞお楽しみに♪
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2023-06-06-TUE