バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


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「『スト慣れ』が
すごい?!」

 
     
バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
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「『スト慣れ』がすごい?!」

バブー

フランスでは
今日7日(火)と明日8日(水)に
再び大規模なストライキが予定されているよ。

この記事が配信される頃には、
リモートワークを決めて家で仕事している人、
通勤・通学の手段がなくて自転車や徒歩や
キックボードで目的地まで向かう人、
飛行機や新幹線がキャンセルされて
空港や駅で途方に暮れ困り果てる人、
バスが来ないことを知らずに
いつまでもバス停で待ち続ける人、
学校の先生がスト参加のため
クラスが閉鎖になり
1日家で過ごす子どもたちと
急遽仕事を休まなくてはいけなくなった
両親‥‥etc.

フランス中、日常生活の色々なところで
影響が出た人たちが
それぞれの解決策を考えて
行動している時のはずだよ。


▲政府を動かすためにフランス全土の機能をストップさせてしまえと
強い姿勢でいる労働組合たちのストライキ。
これからしばらく続きさまざまなところで影響が出そうです。

とのまりこ
フランスの年金改革案
(62歳の受給年齢を64歳に引き上げるなど)に
反対するため、
年明けからすでに数回行われてきた、
大規模なデモやスト。


▲毎回、デモ行進や集会に合わせて警察も多数出動。

2週間の「冬の(スキー)バカンス」を挟んで、
再び開始されます。
バカンスに入る前から、
「3月7日は超大きなストをして、
フランス全体を停止させることが目的だぞ!」
と予告されていたので、
前もって覚悟して対策を考えていた人も
多いフランス。
さすがデモの国、ストの国。
みんなの「スト慣れ」がすごいです。


▲デモ行進のルートによっては道路封鎖されて通れなくなるところも多いので、
公共交通機関のスト情報などに加え、デモ行進ルートもチェックしてその日の行動を考えます。

バブー
「バカンス明けに、またストらしいよ!」
「今度のはさらにすごい規模らしい。」
「電車もバスもないから
歩いて職場に行くしかないわ‥‥。」
「でも◯番線は通勤・通学ラッシュの時間だけ
何本かに1本動くから
◯◯まではなんとか辿り着けるかもよ。」
「旦那がリモートで家で仕事するっていうから
子どもの学校がなかったらもう旦那に任せるわ。」
「またガソリン手に入らなくなるから
満タンにしておかなくちゃ。」

などなど。などなど。
スト慣れした人たちの会話が
毎日あちこちで。


▲デモ行進をしている隊列の中には大きな音楽をかけて歌い踊ったりしている場所も。
そこだけ見たら何かのイベントのパレードのようでもあったり‥‥。

とのまりこ
「メトロもバスも動かなかったら
会社に行けないじゃないか!
どうしてくれるんだ!」
「新幹線キャンセルになって
出張に行けないじゃないか!
どうしてくれるんだ!」
「担任がいないだと?!
給食センターがお休みだと?!
子どもはどうするんだ!!」
じゃなくて、
『電車ない、バスない、飛行機ない、
新幹線ない、学校ない、給食ないetc』
から、どうやって対策をねろうか‥‥
と仕方なく頭を切り替えて。

もちろん口では文句を言っている人も
実際はたくさんいますが、
それを言ったところで何も解決しないので、
ストに合わせて対応する人々。

20年以上パリに暮らして
デモ・スト生活には
すっかり慣れたとはいえ、
やっぱりすごいなあなんて
いまだに思ってしまいます。

なにしろストライキで
電車が動かないなんてこと、
昭和生まれの私でも、
記憶にあるかないかくらい。
毎日電車で通っていた小学校。
鉄道会社のストのために学校が休みになり、
大喜びした記憶は本当に1回くらい。


▲「明日はまたメトロもバスもないから、キックボードで幼稚園行ってもいいよ。」
「えっいいの?! でもまたバスとかないの??」なんて会話をしていた今朝。
5歳児とストの話をするのもフランスならではだわなんて思いつつ、
普段は危険なので我が家では禁止しているキックボード通学が許されるので
プチモンスターはストが大好き(笑)

バブー
今では日本でストライキなんて
そうそう考えられないよね??
あるのかな??
東京の通勤ラッシュで
メトロが1分遅れただけで
お詫びの放送が流れるような、正確な国。

『メトロは1本も動きませんよ!
JRは通勤・通学ラッシュの時間帯だけ、
4本に1本だけ動きますよ!
新幹線は30%運休します。
自分でスケジュールちゃんと確認してね。
給食センターは閉まりますから
自分の家に一回帰るか、
何かお弁当持ってきてね。
1年生と5年生の担任はデモに参加するから
学校お休みになりますよ。』etc‥‥


▲電車やバスがなくたって、今は駅の画面やネット情報で、
事前に交通機関のスト状況などを知ることができるので、
昔よりは随分楽になったなんて良く捉えてしまう私も
すっかりフランスのストには慣れたのかも‥‥。

フランスと同じことが
日本で起こったらどうなるんだろう?
人々はどう反応して対応するんだろう。
国が違うだけでこんなにも違うのかと、
今日も色々考えながら、
明日以降の「ストライキ情報」と
睨めっこしているボクたちです。

 

 

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※この連載を再編集し、
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2023-03-07-TUE

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illustration:Jérôme Cointre