実はちょうど２週間ちょっと前、
ボクの飼い主まりこちゃんは
パリで携帯強奪に遭いました‥‥泣。

『スリ』というワードは
このコラムでも何度も登場し、
私も16年住んでいる間に
何回かはやられてしまっています。

が、『強奪』というパターンは初めて。
実はこの『強奪』も
パリでは本当に注意しなくてはいけない
「あるある」事件なのです。

まだ完全に立ち直れてはいないのですが、
ほぼ日のコラムでネタにするくらい
には立ち直れたかな‥‥（苦笑）？

パリを歩くかもしれない方
全員に関係あることなので、
とにかく少しでも注意していただきたく、
今日の「パリこれ！」ネタに。

『強奪』っていうパターンはね、例えば‥‥、

メトロのホームに立っていたら
突然携帯やカバンを奪われて、
ダッシュで逃げられる。

メトロのドアが閉まる直前に
同じように強奪されて、逃げられる。

道を歩いていたら
バイクで近づいてきた人が
ひったくりをして、逃げる。

ATMでお金をおろしている瞬間を狙って、
お金やカードを奪われる。

アパートに入る瞬間を狙って襲われて、
荷物を奪われる。

などなど‥‥、
というパターンです。

いずれもとにかく無理矢理に、
時には相手に怪我を負わせて
ボコボコにしてでもひったくり、
ひたすら逃げる、
という乱暴なパターンなのです。

『スリ』は同じような場所や
シチュエーションであっても、
どちらかといえば
あの手この手の巧妙な手を使って
本人が気づかないうちに
盗むというパターンが多いですが、
『強奪』という場合は
とにかく本人が抗っても無理矢理に、
というパターンなのです。

ちなみに、上にあげた強奪パターン、
全シリーズ、私の友人たちが被害にあってます。
実際にやられた実話に基づくパターン例。
長年住んでパリに慣れていても
こんな体験をしている人が多いのです。
（もちろん観光客でも！）
そのくらい頻繁に起こっていること。

今回の私の携帯強奪は、
バイクで後ろから近づいてくるタイプでした。
２人組でスクーターに乗った若者に
後ろから近づかれ、
あっという間に手に持っていた
携帯を強奪されました。

よく話には聞くし、常に注意もしているし。
でも後ろから静かに近づいてきて、
力づくで奪われて逃げられるという
『強奪』パターン、
正直全くなすすべなし‥‥でした。

100mくらいは全力ダッシュで
頑張って追いかけたのですが、
相手はバイクで、もちろん余裕で逃げます。
こちらを挑発してバカにして
笑いながら去っていった顔が
忘れられません‥‥（泣）。

今回ね、まりこちゃんは
残念ながら携帯は奪われてしまったけど、
怪我がなかったのが不幸中の幸い。

ひったくる瞬間倒されて怪我したり、
カバンを手から離さないからと
引きずられたり、
追いかけたけれど犯人の仲間に
待ち伏せされて、ボコボコにされたり。

とにかく「力づく」で奪おうとするので、
それに抵抗するとこちらが怪我をする
という場合もとても多いんだよ。

「そういう時、もう絶対に
追いかけちゃダメだよ。
運悪くやられたら、もう諦めるしかない。」
と、友人たちにも口を揃えて言われたよ。

『スリ』も『強奪』も
どんなに注意していても、運悪く、
そして本当に一瞬の隙をついて
やられる可能性が誰にでもあるんだ、
ということで、今回の教訓。

「最悪奪われてもいいように、
携帯、スマホの大切な写真やデータは
こまめにバックアップを取る」

「現金は盗まれて諦めのつく最低限しか
持ち歩かない」

なんだかなあ‥‥。

だけど、これがパリの現実。
この事件以来、
まりこちゃんはものすごくこまめに
データのバックアップをしています‥‥。

※この連載を再編集し、
　書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
　こちらをぜひご覧ください！（2015年8月出版）