バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


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「モロッコ番外編つづき。
世界は広い!知らないことばかり!」

 
     
バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
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「モロッコ番外編
つづき。
世界は広い!
知らないこと
ばかり!」

バブー

ボクの飼い主まりこちゃんファミリー、
初アフリカ大陸、モロッコの旅から
パリに帰ってきたよ。

昼間いちばん暑い時間帯は昼寝をして、
夜になってから動き出し、
毎晩20時すぎからティータイム?!
そして0時近くなって晩御飯を食べはじめるという、
かなりゆる〜く時間がずれた所から、
夏はどこへ?!というくらい涼しいパリに。

先週は急遽ガッツリ参加することになった
モロッコの伝統的な結婚式での体験の番外編「パリこれ!」
お送りしたけれど、
今回ももう1回、モロッコ旅の
番外編をお届けさせてね!


まさに暮らすように旅した今回のモロッコ旅。ビックリすることがたくさんあったのですが、
その中の一部を今日はお届けします♪

とのまりこ

ふだん、旅に関しては事前準備の抜かりない
「調べ魔」の私なのですが、
今回は息子のクラスメイトファミリーの
お宅にお邪魔しながら
現地の人と過ごすということで、
いつもとは違い、ほぼ何も調べない状態で
モロッコに降り立ちました。

唯一持参した2006年〜2007年版の(古っ!)
『地球の歩き方』を、
行きの飛行機の中で読んで勉強する程度。
ほとんど何も知らない状態で降り立つ異国は
なんだかとてつもなく
「外国に来た!」感がして、
本当に面白くていろいろ衝撃的でした。




「まりこ、お茶するわよ!」って集合がかかるのが、夜8時半すぎ!
「えっ、今から甘いミントティーとお菓子‥‥
ってことは夕食は何時?!」という毎日でした(笑)。
みんな超おしゃべりだから、1時間たってもティータイムが終わる気配もない。

バブー

いつもこのコラムにも書いているように、
東京とパリを比べると、東京の方が圧倒的に大都会。
きちんとした日本から見ると
フランスの「テキト〜大王国っぷりったら!」
と思うばかりだったけど、今回は逆。
帰ってきたパリがものすごく大都会で、
整然ときちんとしている国に見えるくらい
違った世界で楽しかったらしいよ。

滞在して、モロッコを肌で感じながら
毎日頭に浮かんでくる言葉は
『砂ぼこり』『荒々しい』『荒涼とした』
『ソヴァージュな(=野生的な)』
『昭和初期の白黒画像で見た世界観』とか。
人々はとても人懐こくて人間味溢れる
懐かしい気持ちになる国だったんだって。


今回はモロッコ人のお宅に滞在する旅だったので、ほとんど下調べもせずに降り立ち、
「ザ・観光」と「現地の人の暮らし」と両面からのモロッコを体験しました。

とのまりこ

到着早々、空港から家までの車窓で驚いたのは、
めちゃくちゃ荒々しい運転と、
ノーヘル(ヘルメットなし)、
多数乗りのバイクの激しさ。

フランスで観光の方をご案内するときに、
フランス人の乱暴で自由な運転について
「リアルマリオカートの世界ですよ」
なんて説明することが多いのですが、
モロッコから見たら、フランスなんて全然秩序があった!
モロッコの「リアルマリオカート」が
圧勝でした(笑)。

家族3人とか4人が、ヘルメットなしで
同じバイクに乗っていたり、
生まれた直後くらいの赤ちゃんを
抱っこ紐も使わず抱えて乗っていたり(怖い!)。
いまも本当は「ヘルメット着用義務」とか
「2人乗りまで」などの法律ができたそうですが
そんな法律はお構いなしの無法地帯。

なんと、ちょっと前までは、
バイクの免許自体がなかったそうです。



車以上にバイクの運転が荒すぎて自由なモロッコ。ノーヘルで多人数乗り。
現代の日本では絶対に見ない光景。家族4人乗りとかはしょっちゅう見かける乗り方。
子供がほぼノーヘルなのもちょっと怖い‥‥。実際事故もすごく多いみたい。

バブー

赤信号で道を渡っちゃうどころか、
片道4車線くらいの幅の広い道路でも、
スキあらばどこでも人間が横断してくるし
(大人も子供も)、なんでもありなんだって。


こういう大胆な荷物の積み方をした車とかも日常の光景。なんでもあり。

さて、モロッコについて次に驚いたのが、
友達に「まずは腹ごしらえ!」と
連れて行ってもらったレストランで、
なんと飲み物も食べ物も
他の店からの持込OKだったことなんだとか。

持ち込んだ水やジュースを
そのお店のコップに入れて飲んでいいし、
他のお店のものが食べたかったら
そっちを持ち込んでもOKって、自由すぎない?!


モロッコは基本、飲食店に飲み物や食べ物を持ち込んでOKだそう
(その店で何かを注文すれば)。
まあまあちゃんとした大きなレストランでも、
飲み物とか自由に持ち込みありでビックリ。

自分の店で足りなくなったものは
他のお店で調達してきてくれたりもするし、
揚げ物が食べたいとき、その店になければ
隣の店から調達してきてくれるし、
オレンジジュースが飲みたいのに品切れだったら
ジューススタンドで買ってきてくれたり
したんだとか。自由だ!!


隣の店の魚のフライも食べたいし…って迷っていたら、隣から調達してきてくれるお兄さん。
お店にない搾りたてジュースもスタンドで買ってきてくれました。自由すぎる。
お会計はこのお店にしか払わなかったからシステムがどうなっているのかは不明。

とのまりこ

そしておいしいモロッコ料理、
好き嫌いのない我が家は
モロッコ人の家庭で、レストランで、屋台で
食べ尽くしの旅をしてきましたが、
ここでのビックリが
基本的に料理は素手で食べること!

先週の『モロッコ結婚式』のコラムでも
登場したのですが、
クスクスやタジンなどの大皿料理も、
真ん中にドカンと置かれたものに
みんなそのまま手を伸ばして、手で食べます。

屋台で食べる揚げ物や焼きものなども
基本手で食べます
(外国人が多いレストランなどでは
カトラリーや取り皿を出してくれますが、
地元であればあるほど、直接、手食べです)。

クスクスなんてめっちゃ細かい粒だし、
料理にはスープやソースもあるし、熱々だし、
とても食べやすいとは言えない料理が多いのですが、
『ホブス』と呼ばれる丸パンを使いながら、
みな上手に手を使って食べます。




どう考えても素手で食べにくい料理も
大皿でドカンと真ん中に置いてみんなで手を伸ばし、
パンを使って上手に素手でいただきます。
骨などの食べかすはどんどんテーブルの上に捨てていく。
綺麗なテーブルクロスがかかった結婚式でも同じだったから最初はギョッとしたけれど、
「郷に入っては郷に従え!」私もだんだん慣れてきた?!


実際の食べかたはこんな感じ。大皿を囲んで手で食べている感じ、伝わりますでしょうか。
みんなで大皿を囲んで食べるときの感じも
動画で撮影させてもらいました
★(こちらから見てみてください)★リンク★。

そのとき、イスラム教で不浄の手とされる
左手は使わず、みんな右手だけで
上手に食べていきます。

ちなみに、私の夫は左利きなので
「その場合どうしたらいいの?」と聞いたら、
さすがイスラム教の中で最も緩いと
言われている国モロッコ、
「その辺りは全然気にしないでいい。
左手使っても大丈夫よ」とのこと。

昔からの習慣や慣習はあるけれど、
違うことにもとても寛容、というのが
モロッコの全体的な印象なのでした。


「緩いイスラム教」だと聞くモロッコ。
外出時も、普通の服でそのまま出歩く女性から、頭にスカーフだけ巻く女性、
完全に見えないようにかぶる女性など人によって様々。

バブー

イスラム教ではお酒も禁止されているじゃない?
でもね、緩いイスラム教の国モロッコでは
お酒を飲むこともできるんだって。

観光客が利用するような大きなホテルやバー、
そして政府の許可を取ったレストランでは
お酒の取り扱いがあるよ
(ただ、お酒を扱える店は一定の区域につき
1つだけなど決まっているらしく、
実際酒があるレストランは少ない)。
また『カルフール』とかの
外資系スーパーにはお酒売り場があるんだよ。

ただし、お酒コーナーは、
日本でいえば『アダルトコーナー』が
奥まった所にひっそり隠れるように
存在してるようなイメージ。
そのコーナーだけお会計も別。
警備員が何人も立っていて、
ちょっぴり悪いことをしている気分になるんだって。

でもね、モロッコビールもあるし、
おいしいと人気のモロッコワインもあるし、
ちょっと矛盾している気もするんだけどね。


一瞬どこにあるかわからないひっそりしたアルコールコーナー。
食品売り場とは全く関係ない家電売り場の奥に行くとそこはアルコールコーナー。
お会計もここで別に。


イスラム教の国とはいえ、最も緩いイスラムの国だというモロッコ。
レストランによってはお酒の扱いがある店も。これはモロッコビール。

あ、そうそう、モロッコでは
亀やカメレオンがとっても身近なペットらしくて、
市場など、賑やかなところ
あっちこっちで売られているのも
ビックリだったんだって。

あと、屋上テラスで鳩を飼っている人も
多かったらしいよ。


街のあっちこっちで見かけるカメレオンと大小様々なカメ。
モロッコではお馴染みのペットだそうで、クラスメートのママの家にも、
小さな頃からずっとカメがいたそう。

とのまりこ

世界は広い! 知らないことばかりだ!
と感じた今回のモロッコの旅。
もっともっと知らない世界をあちこち
見てみたいなっていう
気持ちが強くなったバカンスでした。

バブー

今度はボクも連れて行ってほしいなあ‥‥。
それではみなさん、今週も素敵な1週間を♪


このコラムで毎週書いているように、
22年フランスに住んでも、日々新しい発見がある外国。
今回のようにさらに全く知らない国の文化や習慣を知るというのは
本当に素晴らしいことだなと改めて感じました。もっと他の国にも行ってみたいな!


 

 

 

 

 

 

 

 

*とのまりこさんの本*


「シンプルシックで心地よい暮らし
パリの小さなアパルトマンで楽しむおうち時間」
出版社 : 世界文化社
発売日 : 2021/5/29

 

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)

フランス雑貨のお店オープンしました。
バブーくんは日本滞在時に、お店にいます。

「Boîte」(ぼわっと)
東京都杉並区西荻北4丁目5−24
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illustration:Jérôme Cointre