バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


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「おしゃれなメガネも
保険で?!」

 
     
バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
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「おしゃれなメガネも保険で?!」

バブー

パリを歩いているとやたら見かけるお店。
カフェやパン屋はきっとみなさんの想像通り?!
だけど同じように多いのが「メガネ屋」さん。
パリ観光にはあんまり関係ないから、
きっとあんまりみんなの目にも入らず
通り過ぎていることが多いと思うんだけど、
パリって本当にメガネ屋さんが多いんだよ。

それはね、フランスの保険制度で
メガネやコンタクトにまで保険がおりるから。
だからフランス人たちがしているメガネは
お値段がとても高い!
高級なのが多くて、さらに
みんなしょっちゅうメガネを買い換える。
ついでにサングラスまで高級なものを
ゲットしたりしている。
(保険の使い方にそういう方法があるとか。)

そりゃそうだ!
保険がカバーしてくれるなら。
どんどん買うよね?!

だから日本みたいに、
料金均一激安メガネショップが
乱立していたりはしないんだよ。

 

とのまりこ

フランスには日本でいう国民保険の他に、
さらにプラスされる
任意保険というのがあります。

いわゆる自己負担分の部分も
さらなる保険でカバーするための
プラスアルファの保険ですが、
会社員などは会社が入ってくれているし
その扶養家族も
もちろん紐づけられているので、
フランスで「保険」と言ったら
この任意保険分まで込みで考えるのが、普通。

私のようにフリーランスの人は個人的に
プランを選んで自分で毎月支払っている
保険ですが、いずれにせよ
「国民保険+任意保険」
を持っている人がほとんど。

今日のメガネのお話は、
入っていない人はほぼ見かけたことがない
この任意保険があった上で‥‥、
という話なのですが、
かなりの金額が保険でカバーされる
フランスのメガネとコンタクトレンズ。

目の悪さの度数、
そして入っている任意保険の
プランによっても
大きく値段は変わりますが、
かなり目が悪かったら
10万円近くの保険が出るイメージとか!
すごくないですか??
(眼科で処方された処方箋を提出すると、
保険会社から、レンズ分、フレーム分を
合わせた見積もりが届くのです)

バブー
フランスのメガネ屋さんに並んでいる
おしゃれなメガネたち。
みんな数百ユーロ(数万円)はしていて、
なんてお高いんだ!
って思っていたけれど。

まりこちゃんのお友達たちが
新調するメガネ、
10万円くらいしたとか聞いて、
「えーーーーっ!!」
って驚いていたけれど。

保険のそういう使い方を聞いて、
納得納得。
そうだよね。
もし『9万円分保険でおります。
残りは自己負担で。』
って言われたら、
いいメガネ作っちゃうよね。

とのまりこ
さらにコンタクトレンズの分は
また別に保険がおりる。
小さい頃からど近眼で
メガネにもコンタクトレンズにも
お世話になってきた私にとっては、
なんとも夢のような世界です。

でもそんなことをしていて、
フランスの財政は大丈夫なの?!
って心配になりますが、
まさにそれが大問題。

というわけで、実はこの保険でおりる
上限金額が、どんどん下げられています。

私がフランスに来て間もない頃、
16年前はみんな好きなものを買いたい放題、
というイメージだったけれど、
今はかなり厳しくなって。
(それでもど近眼だと
10万円近くの保険が‥‥。)

このコラムで
メガネ&コンタクトレンズのことを
書こうかなあと思って、
メガネ屋さんに事情を聞きにいったら、
なんと、さらに来年からは
保険でカバーされる金額が
またガツンと低くなることが
議会で決定されてしまったのだそう。

しかも、今までは
保険で8万円カバーされる場合、
10万円のものを買ったら
2万円が自己負担、つまり
「わーい! 2万円だけで10万円の
メガネ作れた♪ラッキー。」
という形でしたが、
今後は保険で5万円カバーされる場合、
合計が5万以上の商品になると
「贅沢品」と見なされ
全額自己負担になるのだそう!

フランスのメガネ事情も
かなり大きく変わりそうです?!

バブー
だから、今まではなかった、
「どのフレームも1万円均一!」
みたいなメガネ屋さんも
少しずつパリに出現しているんだよ。
フランスのメガネ屋さんの様子が
ちょっとずつ変わっていくかもしれないね。

というわけで、今日お届けした
フランスの羨ましい
メガネ&コンタクトレンズ事情は、
いままさに変わろうとしているところ。
だから期限つきのお話に
なるかもしれないけれど、
とにかく、今までフランスのメガネ事情は
やりたい放題な感じだったんだよね。

ボクも法律が変わる前に、
素敵なメガネでも作ってもらおうかなあ〜。

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)

フランス雑貨のお店オープンしました。
バブーくんは日本滞在時に、お店にいます。

「Boîte」(ぼわっと)
東京都杉並区西荻北4丁目5−24
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2019-07-30-TUE

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illustration:Jérôme Cointre