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バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


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「舞台の上手と下手が
中庭と庭園?!」

 
     
バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
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「舞台の上手と下手が中庭と庭園?!」

バブー

みなさんボンジュール。
フランスは今週と来週が秋のバカンス。
9月に新学年がスタートしたばかりですが、
もうすでにおバカンス〜♪
おバカンス〜♪

親も仕事を休んで、
家族で旅に出るものあり。
祖父母の家に1、2週間
子どもを預ける家あり。
バカンス中限定の習い事に入れる人あり。
スタイルは色々。
子どもたちは毎日のびのび楽しんでいるよ。


▲ボサボサほうだいのボク。バカンス中に切ってもらえるのかな‥‥。

とのまりこ
バカンスに合わせて、
子ども向けイベントや
映画の封切りも多いフランス。
メトロにはあっちこっちに
ミュージカルや演劇のポスターが。
あれも見に行きたい、
これも見に行きたいって
毎日チケット情報を調べている母です。


▲パリのメトロの広告の多くが劇場・映画・美術館・博物館の広告。
気になるポスターを見つけてはこれに行きたい! と息子にせがまれるので
携帯の中には劇場の広告ポスターの写真がいっぱい。

オペラ&バレエの国フランス、
大人たちが劇場に足を運ぶ機会も
多いのはもちろん、
子ども向けの作品も
1年中あちこちで上演されているため、
小さい頃から気軽にホンモノの舞台に
触れることができるのは、
本当に恵まれた環境。
芸術の国ならではだなあと思います。


▲パリの14区にある小さな劇場が集まった劇場ストリート。
外観を見るだけでもちょっとワクワクしてくる素敵な劇場がいっぱい。

バブー
さて、劇場といえば、
舞台で使われる
「上手」(かみて)と「下手」(しもて)
っていう言葉があるでしょ?!

「上手」は観客から見て右側。
「下手」は観客から見て左側。だよね。

これ、フランスでは

「上手」のことを
「Côté cour」(コテ・クール)
=「中庭側」、

「下手」のことを
「Côté jardin」(コテ・ジャルダン)
=「庭園側」、

って表現するんだよ!


▲間近で俳優さんたちを見ることができる小規模の劇場がいっぱい。
子ども向けの作品(だけど子どもっぽすぎないホンモノ感があるのが多い)もあちこちで。


▲学校の遠足でも「劇場」はよく選ばれる場所。
舞台向かって右側が「中庭側」、左側が「庭園側」ですね♪

とのまりこ
これはフランスの王立劇団
『コメディ・フランセーズ』
(1680年に結成された古い古い劇団です)の
習慣に由来しているのだそう。

時代と共に、
活動の本拠地となる劇場が変わってきた
『コメディ・フランセーズ』ですが、
1770年以降に使われていた劇場が
今のルーブル美術館(かつてのルーブル宮殿)と
チュイルリー庭園の間に位置したため、
ルーブル宮殿の中庭があった側を
「コテ・クール」(中庭側=上手)、
チュイルリー庭園があった側を
「コテ・ジャルダン」(庭園側=下手)
と呼ぶようになったそうです。


▲こちらがフランスの劇場の「上手」を表すルーブル宮殿の「中庭側」。
今では有名なピラミッドがありますね♪


▲そしてこちらが劇場の「下手」を表す「庭園側」。
今でも変わらぬチュイルリー公園はパリっこの憩いの場。

バブー
「中庭側」と「庭園側」なんて、
ちょっと素敵な言い方だと思わない?!

右と左どっちがどっちか
わからなくなりそうだけどね。
(「かみて」と「しもて」だって、
慣れていないとどっちがどっちかわからないし
同じことかな?!)

ちなみに、さらに昔は
上手を「côté de la reine」(=王妃側)、
下手を「côté du roi」(=王様側)と
言っていたそうだよ。
フランス革命以降、
この呼び方はされなくなって、
今も使われる「中庭側」と
「庭園側」になったんだ。

それではみなさん、今日もよい1日を。
ボンジョルネ〜!!

 

 

 

 

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「シンプルシックで心地よい暮らし
パリの小さなアパルトマンで楽しむおうち時間」
出版社 : 世界文化社
発売日 : 2021/5/29

 

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
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2023-10-24-TUE

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illustration:Jérôme Cointre