バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
2003年、フランスに単身で渡り、 現在はパリを拠点にヘアメイク&フォトエッセイストとして 活躍しているとのまりこさんが、 愛犬のバブーくん(アイルランド出身)を相棒に、 パリ暮らしのちょっとびっくりな出来事や、 へぇ〜っと感心する習慣などなど(*)をお届けします。 *もちろんすべてのフランス人やフランス全土に共通しないこともあります。 週に1回、でも気まぐれにもっと更新するかも? すてきな写真とともに、おたのしみください。 Amusez-vous bien!

 
とのまりこさんと バブーくんのプロフィール
 




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「ゴミ箱があっても、
ゴミが散乱?!」

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「ゴミ箱があっても、ゴミが散乱?!」

バブー

先週は、洗濯の頻度のお話だったけど、
今週も「きれい」にまつわるお話。

ボクたち、ただいまフランスの冬休み
通称「スキーバカンス」の2週間を利用して
日本に一時帰国中。
ちなみにボクは、飛行機の中でず〜っと
誰にもイヌがいることを知られないくらい
おとなしくいい子にしていたよ。
(エールフランスなど外国の航空会社の多くは
機内に小型犬や猫を持ち込めます。)


▲飛行機の中ではこんな風に、イヌ用のキャリーケースに入ったまま、
足元でいい子にしているよ。
キャンともすんとも言わないで、いい子に寝ていたよ♪

とのまりこ
7歳の息子。
1、2年前からは
日本に帰国した時の記憶なども
バッチリ残るようになり、
日本人である自分がフランスに住んでいる
シチュエーションなどもよく理解して、
日仏両方のいいところや悪いところを知った上で
比較することなども多くなりました。

今回も、彼にとっては
圧倒的にいい部分の方が多い日本に
一時帰国するのを、
何ヶ月も前から本当に本当に
楽しみにしていました。

普段パリを歩いていると、しょっちゅう

「日本はいいなあ。
パリみたいに
こんな風に道路が汚くないし、
あの人みたいにゴミを道路に投げないし、
臭くないし、ゴミは落ちてないし‥‥。」

「日本はいいなあ。
メトロのホームも
電車の中も臭くないし、
椅子も汚れてないし‥‥。」

という発言をすることが多い息子。
今回も帰国して最も衝撃を受けているのは、
『日本の清潔さ』のようです。


▲パリのメトロの椅子。
こんなのにもね、もう諦めて当たり前に座れるようにならないと生きていけないパリ。
新しい車両になってもあっという間に汚れていきます泣。
こんな日常からすると日本の電車のきれいさったら! 寝転がりたい感動レベル!


▲パリの街、見渡せばあそこにもあそこにもというレベルで
あちこちにゴミ箱が設置されています。
なのになぜかゴミが散乱している! まったくもう!
こんなにゴミ箱あるんだからゴミ箱に捨てようよ!
ってそんなことも守れない人が多い‥‥。


▲あえて汚い部分は撮影しないので、写真フォルダに汚いパリの写真はありませんが、
例えばこれ。
道端に段ボール箱が捨てられてます。これはきちんとまとめられているし
全然汚くない方だけど、アパートのゴミ箱じゃない場所に
ゴミやいらないものをお放置するのは当たり前。

バブー
パリはさ、見上げていれば、
顔を下に向けて道路を見なければ、
ほんと〜に美しいきれいな街並みなのだけど、
あっちこっちにゴミは落ちているし、
ボクたちイヌの落としもの
(なんなら人間のものと
思われる落とし物に遭遇することも‥‥汗)は
そこら中にあるし、
メトロの通路はトイレよりも臭いんじゃないかと
思うくらい異臭が漂っているし、
下を見ながら、そして匂いを感じながら歩くと
なかなか強烈だったりすることが多いよ。


▲街角にはイヌのおしっこだけじゃなくて人間がトイレがわりにしたものと思われる跡などもいっぱい!
美しいパリの街並みにね、シミがいっぱい‥‥涙


▲イヌのトイレ跡にちゃんとペットボトルの水を持ち歩いてかけている日本の姿を見て
最初はその徹底ぶりにびっくりしたけれど、こういうのを見るたびに、
あれは素晴らしいことなんだなと納得しています。

とのまりこ
パリの街、前後左右どこかを見れば
ゴミ箱が目に入るほど、
あっちこっちにたくさんのゴミ箱はあるのですが
(これは本当にとても便利!)、
ゴミ箱じゃないところにゴミが散乱しています。
なんであんなにたくさんゴミ箱が整っているのに
ゴミが散乱するのでしょう‥‥。

逆に日本はなんでこんなにゴミ箱がないの?!
みんなちょっとしたゴミをどうしているの??
持ち帰るの??
と不思議でしょうがないくらいゴミ箱がない‥‥。
でもなぜこんなにゴミが落ちていないのでしょう。
感激レベル!!
これは本当に日本が大切にしていくべき
素晴らしいマナー、文化のような気がします。

「外国人が増えて‥‥」というニュースばかり
目にする昨今。
様々な「当たり前」をもつ国から
色々な民度をもつ人たちがやってくると、
日本の当たり前を保つのは
難しいことでもあるとは思いますが、
本当に本当に、なんとしてでも維持したい、
このままでいて欲しい美しいきれいな日本。


▲メトロのホームや通路にももちろんゴミ箱がいっぱい設置されています。
これは本当に便利なんだけど‥‥。
なぜかゴミ箱じゃない場所や線路にもゴミが散乱しています。

バブー
今回、プチモンスターはね、
日本の小学校に
一時帰国の短期編入というのを
させていただいていて、
日本の小学1年生を体験中なのだけど。

ドキドキの初日、
学校から帰ってきた第一声が
「日本の学校はね、トイレが
めっちゃきれいなんだよ。
だから学校でトイレに行けるんだよ!!」
ってこと。

フランス、どこに行ってもトイレが汚なくて、
外出先では、その中でも許容範囲のトイレを
探すのが大変だったりするのだけど、
学校のトイレが汚いのも同じく。
みんな使い方が汚いし
(トイレのあと手を洗わない人も多いよ)、
トイレ掃除をする人の掃除の仕方も適当だし、
汚すぎて学校のトイレに
行きたくないっていうんだ。

「汚いから絶対にいやなんだよ。
だからボク、うんちしたいのにずっと
がまんしているんだよ!」

という、
心配になる発言もしょっちゅうしているよ。

「トイレの神様」のことを
教えてあげたいくらいトイレにリスペクトが
ないんだよね‥‥。


▲プチモンスターくん、日本の1年生に短期編入中だよ。
日本の学校でまず驚いたことはトイレがきれいなことだって!

外国人が日本にきてウォシュレットに
感動するというのはよく聞くニュースだけど、
ウォシュレットはもちろんだけど
それ以前に、『清潔さ』に大大大大感動
しているんだよ。

パリ基準からすると、
トイレも道路も、
床に転がってもいい!
って思っちゃうくらいきれいな日本。
これは、本当に本当に、
このまま大切にして行きたい日本の姿。
日本の「清潔さ」は日本の宝なのだ!!

それではみなさん、今週もよい1週間を!

 

 

 

 

 

 

*とのまりこさんの新刊が出版されました*


「シンプルシックで心地よい暮らし
パリの小さなアパルトマンで楽しむおうち時間」
出版社 : 世界文化社
発売日 : 2021/5/29

 

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)

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