バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


4 4 7

「ペットショップが
なくなる?!」

 
     
バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
4 4 7
「ペットショップがなくなる?!」

バブー

ボクが飼い主のまりこちゃんに出会ったのは
2004年、パリ14区にあるペットショップ。
ヨークシャーテリアをメインに、
小型犬ばかりを扱うペットショップだよ。

実はこのペットショップが
フランスから消えるかもしれないんだ。
日本と比べると
フランスには元々ペットショップが少なく、
ペットを探しにいくなら
あそこか、あそこか、あそこか‥‥、
って全部思い浮かべられるくらいしかないけれど、
それもなくなるかもしれないんだって。


▲フランスからペットショップが姿を消すかもしれない?!

とのまりこ
2024年1月から、イヌやネコを
ペットショップで販売するのを禁止する
という法案について、
今週の議会で承認されると
決定になるということです。


▲パリのペットショップ。日本に比べたら数はかなり少ない。

もしこれが可決されたら、保護施設か
ブリーダーから手に入れる方法のみに。
また、フランス人がありとあらゆるものを
(モノからアパートまで色々)売買するのに使う
「ボンコワン」というサイトがありますが、
ここでペットを売るのはプロに限られる、
という制限がつくようです。

バブー
素晴らしいことだなと感心する一方、
「ではでは、
経営しているペットショップたちは
どうなるの?!」

「バブーと出会った店もなくなるの?!」

「禁止されてそうですかって潰れるのみ?!」

なんて、ペットショップ側の立場を考えたら
少し心配もありつつも、
でもこういうことに関しては早いというか
断固としているフランスのイメージ。
近い将来、きっと
ペットショップはなくなるかもだね。


▲この子もボクと同じペットショップから友人ファミリーの家に迎えられた子。
もう日本に帰っちゃったけどボクのパリ友なんだ♪


▲ペットショップもこうやってボクの仲間が新しいファミリーに迎えられたり、
たくさんいい思い出もあるんだけどね。どうなるのかな。
フランスのペットショップ。

とのまりこ
ペットの販売、生体販売に関しては
私がパリで暮らし始めて
イヌを探し始めた2003年当初から
日本とは格段に違う厳しさを感じていた
フランスのペット事情。


▲キミはどこからやってきたの?? みちですれ違う友達に聞いてみよう。

私は日本でのブームにも影響され、
小さい頃からずっと
「トイプードル」に憧れていたので、
イヌを飼おうと決めた後も
パリのペットショップを回って、
ブラウンやアプリコットカラーの
「トイプードル」を探していました。

ところがどこを探しても、
何度訪れても出会わないのです。
プードル。
フランス原産のイヌなんだから
もっと簡単に出会えるのかと思っていたら‥‥。

「そんな小さなプードルはなかなかいないよ。
小さければいいなんてないからね。
しかも大抵は白か黒だね。
アプリコットカラーなんて
日本人が作り出したもんだよ。
それが欲しけりゃ日本で探しな。」

とペットショップのムッシューに
言われたのです。
実際、日本人が作り出したモノというのが
事実かそうでないかは分かりませんが、
「ああ、日本って
そういうイメージで見られているんだな。」
と、ちょっと衝撃を受けたことが
忘れられません。


▲この子もボクたちの友人ファミリーの家族になった子。
ボクと同じペットショップからやってきたよ。

バブー
血統書がついているかついていないかも、
フランスでは気にする人がとても少ないよ。

当時は車も持ってないから
郊外のブリーダーさんのところにもいけない、
ネットで写真付きの情報なんて
ほとんど流れていない、
という2004年のフランスで、
ペットショップがあったからこそ、
ボクは飼い主と出会えたわけだけどね‥‥。

フランスからペットショップがなくなる日が
どうやら近そうだよ。


▲これは友人の娘たちとウサギちゃんを買いに行った日。
今のところ「イヌやネコ」という表記のニュースしか流れていませんが、
ウサギなど他の動物はどうなるのでしょう?!
イヌとネコが禁止されるだけで他の動物が販売されるペットショップは
存続するのかな???

 

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)

フランス雑貨のお店オープンしました。
バブーくんは日本滞在時に、お店にいます。

「Boîte」(ぼわっと)
東京都杉並区西荻北4丁目5−24
【地図】 【駅からの道順はこちら】

 

2021-02-02-TUE

まえへ
トップへ
つぎへ
illustration:Jérôme Cointre