「カレンダーに バカンスが載っている?!」
こないだね、フランスのバカンスについて SNSでつぶやいたとき、 フランスのカレンダーの写真を 一緒に載せたんだ。 そしたらね、すごく反響が大きかったのが 「フランスって、バカンスがカレンダーに 記載されているんですか?! すごくないですか?!」 「バカンスの部分は線で表すんですね?!」 ってこと。
何件も同じ内容の反応をいただいて、 ボクたちもはたと気がついた。 そうだよね?! バカンス(=学校が休みになる長期休暇)が カレンダーに記載されているって 考えてみたら不思議なことだよね?!
▲通称「スキーバカンス」が終わりようやく学校に息子を送 りだしたバカンス明け初日、 カレンダーを眺めていたらまた来月バカンスがあることを発見して 驚いたとSNSでつぶやいたら、 「バカンスがカレンダーに記載されている!」という驚きの反応を たくさんいただくことに。
▲このように、学校がお休みになる「バカンス」は線で表されています。 薄い色から濃い色まで3種類あるのは、フランス全国をAからCのゾーンに分けて バカンスを1週間ずつずらし、バカンス日程を分散させ混雑を少なくするため。
見慣れてしまって、 すっかり当たり前に なってしまっていたことですが、 そうだ。 カレンダーには普通、 「春休み」「夏休み」なんて表記はない。 祝祭日だけが記載されているんだと、 改めてフランスの「バカンス大国」具合を 思い知らされたフランスの カレンダーなのでした。
年末になると街頭で消防士さんが手売りする 「ポンピエカレンダー」にも、 (詳しくは過去のコラムをご覧ください。) 郵便受けにたまに入っている 工事屋さんの広告を兼ねたカレンダーにも、 フランスで販売されている手帳にも。 大体、年間の学校バカンススケジュールの 表記があります。 (逆にカレンダーやスケジュール帳を選ぶ時、 バカンスの表記があるかないかを チェックしたりするほど重要な項目)
▲上の2つは郵便受けによく入っている内装工事屋などの広告を兼ねた紙。 年間のカレンダーと警察・消防・交通機関・緊急の場合の連絡先・工事関係の連絡先など 便利な番号が記載されているので冷蔵庫に貼ったり。 カレンダーの後半部分にバカンスの記載がないのは、 おそらくこのカレンダーを印刷した時点で翌年度のバカンス期間が 発表されていなかったから。
カレンダーに表記される「バカンス」は 学校が休みになる期間のことを指すけれど、 これは何も学校に行っている子どもがいる家庭だけに 関係しているんじゃない! 就学児童がいない人にとっても、 今年度のバカンスがいつになるかと言うことは とても重要なんだよ。
▲こちらは日本でもお馴染みスケジュール帳「クオヴァディス」のバカンス記載ページ。 フランスで暮らす上で年間の「学校バカンス」の日程把握はとても重要。
なぜなら、バカンス大国フランス。 年間何回か、1週間から2週間単位で バカンスを楽しむ人たち。 就学児童がいる家庭は、 基本的に学校が休みの時しか バカンスに出かけられません。 逆に、就学児童がいなければ、あえて 学校が休みになる日程と かぶらない時期を選んで バカンスに出かけるのです。 そうすれば、宿泊施設も安く見つかる、 交通機関も安い (これも以前のコラムに書いたように、 フランスの新幹線TGVなど 鉄道は値段変動制なので バカンスが大きく値段に関係する) 海やリゾート地は人が少ない、 スキー場のリフト代も安くなる etc... いいこと尽くし。 たくさんのメリットがあるのです。
▲文房具屋などで売られているかなりしっかりした厚紙の年間カレンダーボード。 左上に「C」とあるように、バカンス期間がずれる全国のAからCのゾーンごとの カレンダーが売られ、ゾーンごとのバカンスが記載されたカレンダーボード。 パリは「C」ゾーンなので我が家はいつも「C」。
就学児童がいる家庭も、 全く関係ない人も、 今後の予定を決めるにあたって、 とても重要な要素になる 「学校のバカンス」。
カレンダーに記載された、 線で表される「学校のバカンス」を 眺めていると、 この国がいかに 「バカンス」を中心に動いているか、 改めて感じる一面だよ。 ビバ! バカンス大国♪
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2023-03-14-TUE