「年に2回、 先生にプレゼント?!」
あと2週間弱で 「クリスマスバカンス」に入るフランス。 ついこの間「秋のバカンス」だったのに! 2ヶ月たたないうちにすでに次のバカンス。 早っ‥‥。
なにしろ6、7週間学校に行ったら 2週間のバカンスが挟むのが バカンス大国おフランスの 学校事情だからね。 フランスの子供たちはいいよね〜。
さて、そのバカンスが しょっちゅうやってくるフランスの中でも、 1年で最も大切な行事のひとつが クリスマス。 これを迎える「クリスマスバカンス」と、 学年末となる「夏のバカンス」。 このふたつのバカンスに入る前、 学校でお世話になっている担任の先生に ちょっとしたプレゼントを贈る、 という習慣があります。
先生にプレゼント。 えっ、それって賄賂じゃん?! と、最初聞いたときにはビックリしたよ(笑)。 「賄賂」なんて言い方失礼なんだけどね(笑)、 日頃の感謝の気持ちを込めて、 先生にプレゼントを渡すのが 習慣化しているんだ。 先生たちも当たり前のように、 贈り物を受けとるよ。
▲いつもお世話になっている担任の先生に、ちょっとしたお礼をするのが 習慣化されているおフランス。賄賂?! 先生たちは当たり前のように受け取ります♪
ちょっとしたもの‥‥。 話を聞いていて、 いちばん多いのはチョコレート。 (さすが老若男女みんな大好きショコラ大国!) あとはお花とか紅茶とかお菓子とか。 ちょっとした雑貨とか。 感謝のカードと一緒に。 というのが一般的です。
もちろんあげるもあげないも、個人の自由。 だけどまあほとんどの人が 何かしらしているようです。
そしてプレゼントをした方が、 先生の対応がよくなるという、 「えっ、それダメやんか!」という話も けっこう聞いてきました。
ま、そんなことももちろんあるよね。 人間だもの。 感謝の気持ちをあらわされて 嬉しくないわけがない。
金額ももちろん自由ですし、 公立・私立によって、 都会・地方によって ピンから切りまで かなり開きはあるようですが、 パリで、私が周りの 色々な学校に言っている人たちに 聞いている限り、 20ユーロ(約2,500円)前後が いちばん多い相場なのかなあ、 という印象です。
▲これはコーヒーや紅茶を扱うお店のウィンドウ。 この時期になるとちょっとしたプレゼントとか 豪華な詰め合わせまで、クリスマスに合わせた商品提案が どこの店にも並びます。
クラスに仕切ってくれる父兄がいると、 みんなからお金を集めて 何かプレゼントを買って贈ったりもするよ。 そんなことが頻繁にある国だから、 「○○先生へのプレゼントのための お金を入れる専用サイト」 なるものがあって、回ってくるんだよ。
担任の先生とか、副担任の先生に お金を入金するシステム‥‥。 これもけっこう、初めての時は衝撃だよ。
参加すると、 自分の名前を表示する・しないが選べ、 入れた金額を表示する・しないも選べます。 我が息子のクラスのサイトを見てみると、 名前は全員が表示させているけれど、 金額も表示する人が多いのにも けっこうビックリでした。
▲先輩ママに習って保育園時代にも、先生たちみんなで食べられるお菓子や ちょっとした日本からのお土産を渡したりしていましたが、 やっぱりそういうことをしていると先生の対応が よりよくなっていくのは確か!! 最初はビックリしたけれど、フランス社会ではこれが当たり前なんだと 色々学んでます。
なんと、先生側の方から 欲しいものを提示してもらう 「欲しいものリストと 値段が掲載されたサイト」 バージョンもあるそうで、 ここに各親が好きな金額を入金していく、 というシステムもあるんだよ。
これは結婚式でもよく使われるシステム。 新郎新婦側がサイトの中から 欲しいものをリストアップしておいて、 みなから入金された金額に応じて 欲しいものを買える、というシステムだよ。 なんかとってもドライにも感じるけれど、 ある意味いちばんその人にとって 嬉しいものでもあり 現実的、実用的なシステムでもあるよね。
というわけで、クリスマスバカンス前や 学年末バカンス前は、 お世話になっている先生への プレゼント探しで、 お母さんたちは忙しいんだ。 日本でいう お中元にお歳暮みたいなものなのかな?!
※この連載を再編集し、 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)
2020-12-08-TUE