バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
2003年、フランスに単身で渡り、 現在はパリを拠点にヘアメイク&フォトエッセイストとして 活躍しているとのまりこさんが、 愛犬のバブーくん(アイルランド出身)を相棒に、 パリ暮らしのちょっとびっくりな出来事や、 へぇ〜っと感心する習慣などなど(*)をお届けします。 *もちろんすべてのフランス人やフランス全土に共通しないこともあります。 週に1回、でも気まぐれにもっと更新するかも? すてきな写真とともに、おたのしみください。 Amusez-vous bien!

 
とのまりこさんと バブーくんのプロフィール
 




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「イースターには
鐘が鳴らない?!」

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「イースターには鐘が鳴らない?!」

バブー

みなさんボンジュ〜ル。
パリはイースターバカンス真っ最中。
2週間のお休みも後半戦に突入してます。
(『パリは』と書いているのは、
以前このコラムでも書いたように、
2週間の学校休みバカンス、
行楽地が混み過ぎないように、
全国を3つのゾーンに分けて
バカンスを1週間ずつずらしていくからだよ。)

先週日曜日が『イースター』当日。
(フランス語では『パック』っていうよ!)
そして翌月曜日は
『Lundi de Pâques』(ランディ・ドゥ・パック)
=『イースターマンデー』の祝日だったよ。


▲イースターの前後はスーパーもどこもかしこもイースター用のチョコがあふれてます。
普段からチョコ大国だけど、さらにすごいことになる!
大きな卵の中におもちゃが入っているこのシリーズも全子どもが欲しがる定番♪
もちろん我が家も買わされました。


▲イースターの前後は人と集まれば「チョコ探し」イベントが開催されます♪
卵の中にお菓子やおもちゃを入れて大人たちが隠したのを探します。
隠した方もどこに隠したか忘れてしまったりして、
数ヶ月後に溶けたチョコが出てきたりするのもあるある‥‥笑

とのまりこ
フランスのイースター。
(以前のコラムもぜひ読んでくださいね!
「456 イースターはチョコの嵐?!」
「612 イースターは重要な祝日?!」
子どもたちが大好きなチョコレート探しの
イベントをしたり、
家族や親戚で集まってご馳走を食べたりと
家族と過ごす習慣があるフランス。
フランスには家族がいない私たちは
お友達の家に呼んでもらって
イースターパーティーをしてきました。


▲今年のイースターは友人の家に呼んでもらってイースターディナー。
ニンジンになっているサーモンが可愛かった! ナイスアイディア♪

さて、そこで友人に教えてもらった
イースーターの教会の話。
「イースターの日は教会の
13時の鐘は鳴らないらしいよ」
と言います。


▲何回やっても楽しいたまご探し。協力して全部集めたら、みんなで山分け♪

バブー
この答えの話をする前に、
まずはフランスの教会の鐘の仕組みの話を!

フランスではね、街のあちこちにある教会、
時報の役割として1日に何回も
鐘が鳴らされるんだ。

例えば毎日ボクたちの家から聞こえる
近所の教会は
ちょうどの時刻と◯時30分の時に鐘がなるよ。
例えば10時になったら10回。
11時になったら11回。
◯時30分の時は毎回1回。
ボクたちが把握している限り、
朝は8時から鳴っていて、
なんとなく鐘がなり始めると
頭の中で無意識に鐘の数を数えていて、
「ああ、今は9時なんだな。」
なんて、
時計を見なくても時間がわかるんだよ。

この鳴り方は地域によっても違うようで、
15分おきに鳴らされたりという地方(田舎の町)も
あるようだけど、パリなどの大都会では
聞いている限り、大体同じ、
ちょうどの時刻と30分の時に鳴らされているよ。


▲イースターの卵探しイベントも大小さまざまなものがあちこちで開催されて、子どもたちも大喜び!


▲イースターのうさぎオムライス作りもしたよ♪
楽しいイースターバカンスも後半戦あと数日。
学校のない毎日はどうやって過ごすかの作戦を立てまくる父母の戦いのバカンスであったりもします♪

とのまりこ
さて、この毎日時報代わりに
教会の鐘が鳴らされているということを前提に
先ほどの話に戻ると、
友人によるとイースターの日の13時だけは
鐘が鳴らないというのですが、
友人もちょっと記憶が曖昧で自信がなさそう。
というわけで、すぐに調べてみると‥‥。

「13時に鳴らない。」
は友人の勘違い。正解は
「イースター前の3日間は
教会の鐘が鳴らなくなる」
というものでした。

キリストが十字架にかけられて
処刑されたとされるのが
イースター前の金曜日。
その前日の木曜日(聖木曜日)から
復活祭の前夜(土曜日の夜)まで
3日間、教会の鐘は鳴らされないのだそう。
今まで鳴っていないことに気づいていなかった!


▲鐘の話を教えてくれた友人の職場にはお客さんからこの老舗のチョコ屋さんのチョコが
スタッフ全員分送られてきたそう!
大きな鐘型のチョコもありますね♪割ると中からいっぱいのチョコが。
そこにも鐘型のチョコが見えます。
イースターと教会の鐘には深いつながりがあったのです。

バブー
キリストの死を悼んで、
教会の鐘に羽が生えてイタリアのバチカンに
飛んでいくから、教会から鐘がなくなる、
ということで鐘が鳴らされないんだって!

そして鐘たちがバチカンに到着すると、
キリストが予言通り復活したことを
教皇とお祝いしてそれぞれ元の教会に帰っていく。
その時に、鐘の中に子どもたちへの
チョコレートを詰め込んで帰っていくんだって。

卵、うさぎ、羊などの形以外に、
イースターのチョコレートに鐘の形が多いのは、
そんなストーリーがあったからなんだね

ボクたちこの話を知って、
日本の『神無月』を思い出したよ。
全国のやおよろずのの神様たちが出雲に集まって、
出雲以外には神様がいなくなってしまうから
「神無月」と呼ばれるっていうお話。

来年のイースターは、
イースター前の3日間、
毎日教会の鐘が鳴っていないかということに
注目して過ごしてみようと思っているよ!

 

 

 

 

 

*とのまりこさんの新刊が出版されました*


「シンプルシックで心地よい暮らし
パリの小さなアパルトマンで楽しむおうち時間」
出版社 : 世界文化社
発売日 : 2021/5/29

 

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)

フランス雑貨のお店オープンしました。
バブーくんは日本滞在時に、お店にいます。

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