「ゴミ収集車が 展示会みたいに?!」
コロナ騒ぎで一気に記憶の彼方に 葬り去られてしまったけれど、 パリでは去年の年末から年明けしばらく 2月ごろまで (つまりはコロナと入れ替わるように‥‥) ストライキ問題が勃発していたのを 覚えているでしょうか??
1ヶ月も2ヶ月も、 メトロもバスも新幹線もないパリ。 そしてそれとともに学校の先生のストとか 美術館のストとかオペラ座のストとか ゴミ収集の人のストとか、 色んなストライキが重なったんだ。
▲これがいわゆる普通のゴミ収集車。日本のものと比べるととてつもなく大きい! 逆に日本に帰ってきて日本のゴミ収集車を見ると 小さいミニチュアのように見えてびっくりします。 あんな小さな車にゴミが収まりきるのかしら!と言う位小さく見える。
ゴミ収集の作業員らのストライキにより パリの街角にゴミの山が溢れてしまっていることは このコラムでもご紹介しましたが、 あれは「ストライキ」という 特別バージョンでのパリの様子。 普段のパリは、毎日ゴミ収集車が回ってくれます。
アパートなど各建物では 24時間いつでもゴミを捨てられるし、 管理人さんが決まった時間にゴミ箱を 道路に出し、それを毎日回収してくれるし。 分別に関しては 「瓶かリサイクルできるものかそれ以外か」 というくらいで面倒臭いことが一切なく、 らくらく快適なパリのゴミ出し。
「何曜日に何を何時以降何時までに 出さなくてはいけない」 「決まった袋で出さなくてはいけない」 など、自治体別の細かいルールがある 東京のゴミ出しとは、かなり違っています。
毎日回収に来てくれる ゴミ清掃員の人たちのおかげで、 パリのゴミ出しはかなり快適なのです。
▲広場にゴミ収集車の車を停めたまま、 みんな一体どこに行ってしまったのだろうと思う まるで「ゴミ収集車展示会」な様子。 この光景を結構しょっちゅう見かけます。
さて、そんなパリのゴミ収集。 普通ゴミを収集する車。 瓶を回収する車。 道に落ちたゴミを拾っていく車型掃除機車。 犬のフンなど道路に落ちたゴミを 噴射して蹴散らしていく 超高圧水出し車。 ムッシューたちがゴミ箱を引っ張りながら 道路のゴミを拾っていく アナログバージョンのごみ収集隊。
など、様々なごみ収集法があるよ。
▲これがゴミ収集のムッシュー達が手押し車をひいてゴミを集めていく アナログバージョン。 自分たちのゴミ箱放置してみんなどこに行ってしまったのだ?! せめて通行人の邪魔にならないようにはじっこにまとめておいたりしないのが おフランスっぽい♪
そして彼らが働く時間も 普通に日中、人々が動いている時間帯なので 毎日様々なゴミ関連の車を目にします。
さらに、なぜこんなところにゴミの車を 駐車してどこか行ってしまっているんだ?! という場所にゴミ関連の車を路上駐車して お昼休みなんだか、休憩なんだか、 車やゴミ箱たちが放置されることがあるので、 たまにゴミ収集車の展示会、 みたいな場面に遭遇します。
これがもう子供にとっては天国。 「働く車」好きな我が家の プチモンスター(3歳)にとっても天国。 大人の私にとっても実に興味深い。 近くまで行ってじっくり観察してしまいます。
▲最近たまに区役所前などで見かけるようになったゴミ回収車。 小さな電化製品や電池、割れてしまったガラスや陶器、 レントゲン等結構いろいろなものを回収してくれるみたい。
日本ってこんなに色々な種類の ゴミ収集車を 毎日の生活の中で目にすることって ないよね?!
そしてゴミ収集の時間が 明け方とか朝早いのかな?! パリはね、なんとゴミ収集の時間、 学校が終わり通勤ラッシュがある いちばん街中が混む時間、 夕方なんだよね‥‥汗。
建物ごとに停まって、 ゴミを回収して、ゴミ箱を建物前に戻して って作業をしながら進むから、 大渋滞を巻き起こすパリのゴミ収集。
車を運転する大人たちは このゴミ収集渋滞に巻き込まれるだけで 舌打ちしてしまってるけれど。 子どもたちは大喜び。 働く車を間近で毎日のように見れるんだ!
※この連載を再編集し、 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)
2020-06-02-TUE