このコラムを書いている今日。
13日の金曜日。（あら不吉！）
フランスでは、
RATP（パリ交通公団）による
大規模なストライキが実施されてるよ。

バス、メトロ、郊外電車、トラムなど
通勤・通学・旅行客などに大打撃。

最近、昔のように
完全に100%交通がストップするということは
なくなってきたけれど、
一部は完全にストップ。
残りもラッシュの時間だけ、
５本に１本の運行的な感じなので
ラッシュ時間はかなりの大混雑だったよ。

▲ボクの家周りのメトロの駅は閉鎖してたよ。

ごく一部の、動いている乗り物に
人が殺到するので、
横入りして押し分けてでも
乗ってやろうという人と、
それに怒って喧嘩する人で、
（こういう時、おフランス人は
行儀よく並ぶということはしません。
奪ったもの勝ちの世界。）
バスも殺気立っていました‥‥。

▲パリの交通公団のサイトには数ページにわたってのスト情報が‥‥。

道路は自家用車とタクシーで大渋滞。
その合間を縫って、
キックスケーター、自転車、
電動一輪車（フランスでは結構
通勤で使う人などを見るのですが、
日本では見かけますか？？）
など、あらゆる手段を使って
移動しようとする人。

▲パリで通勤に使う人も多い電動一輪車。
ちなみに写真は今日のストでカオスな道路ではなく普段の日。

そしてさらにたくさんの
歩いて移動しようとする人たち。
住宅街の我が家周辺。
通勤時間は
ちょっとしたカオスになってました。

道路がとにかくカオスなので、
バスも停車できないと判断して、
降りたい人がいるのに
無視して勝手に１駅飛ばして
乗客が怒鳴って怒るとか‥‥。
そんなのはもちろん無視の運転手とか。
みんながイライラしていて、
それぞれの行き先に急ぐ感じでした。

（ちなみにこの日、友人の0歳のお孫ちゃん、
お母さんとベビーカーで
バスに乗っていたところ、
イラついていた運転手の運転が荒すぎて、
ベビーカーがものすごい勢いで倒れて、
救急車が出動する騒ぎになって
病院に運ばれたそうです‥‥。)

▲この電動一輪車、ただでさえ乱暴な運転が多いパリで
見ててヒヤヒヤするくらい危険です‥‥。

今日は交通機関の職員たちのストだけど、
通勤・通学に支障が出るということは
学校の先生の通勤などにも
影響があるということ。

例えば我が家のプチモンスターが通う
保育園からは、昨日の時点で
こんなメールが来ていたよ。

「みなさんご存知のように
明日は大規模なストライキの予定です。
保育園はオープンしますが、
職員への影響も考えると
通常通りに運営できないことがあります。
ベストは尽くしますが、
保育園に来ないという選択も歓迎で、
その場合はちゃんと返金します。」

それでも今朝保育園に行ってみると、
全ての先生がちゃんと通勤してました。
パリ市内までたどり着いてからは
数キロを歩いてきたとか、
いつもより数時間早く家を出たとか。

大規模なストは迷惑だけれども、
感心するのは、やっぱりここはストの国だから
人々の対応の仕方も慣れているということ。

交通機関以外の手段が何かないか考える。
どういう経路だったら
一番近くまでたどり着けるか、考える。
交通機関がなければ何時間でも歩く。
特に問題がなければ仕事は休む。
（この最後のパターンも非常に多い。）

思い通りに動けなくて、
イライラすることはあるけれど、
ストに対して怒りをぶつけたりは誰もしない。
ストの国。
さすがみなさん手馴れたもの。

▲保育園はいつも通りオープン。ただし歩いてくるなどしかなく
遅れてくる親子も多いのでいつもより遅い時間まで
朝の受け入れをしてくれていました。

ちなみに、他の幼稚園や小学校の
お母さんたちにも
どうだったか聞いてみたよ。

できれば来ないでと通達があった学校。
給食ができないからお弁当になった学校。
会社を休んでいる人が多いから
お見送りのほとんどが
お父さんだったという学校。
郊外の先生たちが通勤できるように
前日はパリ市内に宿泊したという学校。

色々なパターンがあったけど、
みんなそれぞれ対応、という感じだね。

ニュースによると、
台風15号で東京都内のJRやメトロやバス。
しばらく完全に運行停止に
なったそうだけど
（みなさん、だいじょうぶでしたか？）。

電車のほとんどが完全に停止、
朝と夕方のピーク時間のみ、
数本だけ運行するものもある。
そんなことが東京で、
ストが原因で起きたら
どうなるだろうね？！

マクロン大統領の
年金改革への抗議で行われている、
このストライキ。
今後も様々な職種に拡大する予定らしい。
パリを旅する予定のある方は
スト情報のチェックを忘れないでね。

▲いつもならメトロが行き交うセーヌ川にかかる橋にも全くメトロが通過しない。

※この連載を再編集し、
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