バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


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「フランス語のテキストに、
 あるある! フランスっぽさ」

 
     

バブー

フランス語は本当に難しい。
あの有名な「R」の発音にはじまり、
名詞には女性形と男性形があって冠詞が変わるし、
同じ時制でも主語によって動詞の活用が変わるし‥‥。

最初は宇宙語にしか聞こえないフランス語。
まりこちゃんも日々フランス語で苦労しながら
おフランス人たちとバトルになるたびに、
語彙不足で大抵負けるわけで。
いつかギャフンと言わせたいと必死です。

(ま、ボクは世界どこに行っても
 イヌ語でしゃべれちゃうマルチリンガルだからね。
 困らないんだけどさ。
 人間は大変だよね〜。)

とのまりこ

というわけで、時間を見つけては
ちょこちょこお勉強したりしているわけなのですが。
最近買ったフランス語学習の本の中で
とってもいい本だなと思ったのが
「ネイティブがよく使う
 フランス語会話表現ランキング」(語研)。

日常の様々なシチュエーションごとに、
その中でもっとも実際に使われる
会話表現ベスト3が例文とともに紹介されている本。

どの表現も、「たしかにふむふむ、
フランス人この言い方するわ。」
と納得いくものばかり。
(もし現地で即使えそうなフランス語表現を
 勉強してみたい方がいたら、オススメです♪)

とまあ、この本の説明はさておき、
最近メトロの中の移動中は
ず〜っとこのCDを聞いているのですが、
例文の中にちょこちょこ
「ザ・おフランス、出たっ!」
ってものが多く、
ひとり心の中で
「き〜た〜」「で〜た〜」「ぷぷぷ」
とつぶやきながら楽しんでいます。

バブー
いつも「パリこれ!」で紹介するような
日本人にはちょっとビックリな
「おフランス」の文化や習慣や日常が
例文からも垣間見れるんだってさ♪

まずは何と言っても「ヴァカンス」編。
とにかく「ヴァカンス」という言葉が登場する
例文が多いのは1冊全体を通してみたいなんだけど、
その中に

A:ヴァカンスに行く時は
  いつも土曜日に出かけるの?

B:いいえ、ふつうは
  日曜の朝に出かけるほうが好きなの。

って会話が出て来るんだ。
これね、何気なく流してしまう会話のようだけど、
実はフランスならではのヴァカンス習慣が隠れているんだ。

フランス人はとにかく「ヴァカンス命」で生きていて、
サラリーマンだったら年間5週間の有給を必ず使い、
1年に何度か長期休暇に出かける、ってことは
この「パリこれ!」の中でも何度か触れてきたけれど、
基本ヴァカンスは
1週間単位の規模で考えるのが、おフランス。
そしてヴァカンス先などで借りる貸しアパートなども
それに合わせて1週間単位の貸し出し。
そして効率よく貸し出しができるように
「土曜日始まりの1週間」と
設定されているものが多いんだ。

だからヴァカンスといえば
土曜日から出発する人が多く、
前述のような(↑)会話が出てくるんだよ!

そのうえで、みんなが土曜日に出発して
高速が大渋滞したりするから、
ずらして日曜日に出たり
金曜日の夜中のうちに出たりする人がいるんだ♪

他にもね、

A:留守中に水をやってくださって
  ありがとうございます。

B:どういたしまして。
  ご近所同士ですから当たり前のことですよ。

なんていうのも、
長期間留守にすることが日常的で
お互いに水やりし合ったりすることが多いから
出てくる会話だよね♪

とのまりこ
A:あのね、シャルロットが
  ベビーシッターをしたがってるんだ。

B:ちょうどいいわ。
  いつものベビーシッターが
  ヴァカンスに行くのよ。

なんていうのもヴァカンス大国ならでは。
どんなお仕事していても、ヴァカンスは「命」。
みんなが長いヴァカンスに出かけます。

そしてこの会話に出てきた
「ベビーシッター」という単語。他にも

A:僕たちと映画にいかない?
B:だめなの。
  土曜日の晩はベビーシッターのアルバイトだから。

なんて出てくるけれど、これもフランスならでは。
学生バイトでも最もポピュラーなのが
「ベビーシッター」だから。

そしてな〜んでも自分たちで作っちゃう
(プール売っている話とか今までも色々書きましたが)
ブリコラージュ=DIY大国おフランス。
だからこそ登場する例文たち‥‥。

A:日曜日、家でバーベキューをするけど、
  どう?
B:ごめんなさい、
  応接間のペンキ塗りを手伝うと
  ジュリアンに約束してしまったの。

A:ベルナールは浴室を
  紫色に塗り替えたんだ。

B:紫はひどい。
  どうしちゃったんだろう。

A:台所のペンキ塗りが終わった。
B:すごい! さあ、少し休んで。

応接間も浴室も台所も、
ぜ〜んぶ自分たちで塗っちゃうぜいっ。
普通の会話で出てくるぜいっ。
これぞDIY大国おフランスの会話です♪

お次はおフランスのアムール事情というか、
離婚とか不倫とか新しい奥さんとか‥‥。

つい先日も、例えば大統領が不倫しても
政治生命は断たれないということを書きましたが、
そんな国だからこそ
日常的に遭遇するシチュエーションが例文にもいっぱい。

A:兄弟は何人いるの?
B:兄が1人と父の違う妹が1人いるよ。

うんうんうん、あるある。
こういう会話。しょっちゅう。普通に。

ちなみに、「子どもがいます」を表現する
3つの例文のうち2つが‥‥。

A:彼に子どもが5人いるなんて知らなかった。
  2人しかあったことがない。
B:最初の結婚の子どもが
  3人いるのよ。

A:奥さんの方には子どもがいるの?
B:うん、だから12歳の義理の娘と
  8歳の義理の息子と一緒に暮らしているんだ。

ですからね。
そりゃ〜結婚式の家族席には
「前の奥さんと、前の子供たち」まで
一緒に座っているし、
両親が離婚したという友達の家に遊びに行けば
「お父さんの新しい彼女とその子供」
を紹介されるわけなのです。

あまりにも多すぎて例文はあげませんが、
「離婚」というキーワードが入ったものは
もう山のように、谷のように、登場してました。

バブー
最後はおなじみ(?!)
おフランスの勝手気ままなお仕事ぶりを
見事に表した例文たち。

A:パイロットのストの影響で、
  フランクフルト行きのフライトは
  キャンセルされました。

B:けしからん!
  今すぐ別のフライトを見つけなさい。

(あるある、1年を通して飛行機関係の
 ストの話だけで山盛りいっぱいある!)

A:地下鉄はいつもストをしている。
  もう、うんざりだ。

B:代わりのバスがあるみたい。乗ってみる?
(もうみんなストには慣れているからね。
 そんなことじゃ動じない。
 みんなすぐ代替案を考えます。)

A:うそ、また閉まっている。
B:ほら、もう1軒のパン屋に行こう。
(日本でコンビニがまたしまってる。
 じゃあ他のに行こう、ってないでしょ‥‥?!)

A:窓口はいつも長蛇の列だ。うんざりだ。
B:イライラしないで。
  もうすぐ私たちの番だから。

(郵便局も免許の受付も携帯ショップもね。
 なんでもかんでも
 長蛇の列がないってことはないのさ。)

A:レジに行って払ってから、
  買ったものを受け取りに
  売り場に戻らなくてはならない。

B:うんざりしてしまう。
  もっと簡単なやり方はないの?

(でしょ?!
 やっぱりみんなそう思ってたんでしょ?!
 いつも疑問に思ってたんだよね。
 このシステム‥‥。
 けっこう多いんだよね。おフランス。)

最も使われる日常会話の例文で
これだけお仕事っぷりが出てくるってだけで、
「パリこれ!」でまりこちゃんが
毎週のように書いていることが
大げさなことじゃないってのがわかるよね。

フランス語の会話を覚えるってよりも
すっかりその内容に気を取られちゃってる
ボクの飼い主、まりこちゃんなのです‥‥。

 


※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!

 

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東京都杉並区西荻北4丁目5−24
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2016-04-19-TUE


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