バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
2003年、フランスに単身で渡り、 現在はパリを拠点にヘアメイク&フォトエッセイストとして 活躍しているとのまりこさんが、 愛犬のバブーくん(アイルランド出身)を相棒に、 パリ暮らしのちょっとびっくりな出来事や、 へぇ〜っと感心する習慣などなど(*)をお届けします。 *もちろんすべてのフランス人やフランス全土に共通しないこともあります。 週に1回、でも気まぐれにもっと更新するかも? すてきな写真とともに、おたのしみください。 Amusez-vous bien!

 
とのまりこさんと バブーくんのプロフィール
 




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「日本のおにぎりが
人気急上昇?!」

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「日本のおにぎりが人気急上昇?!」

バブー

今日はここ数年パリで人気が
急上昇しているおにぎりの話だよ。

昔は「sushi」しか通じなかったのに、
いつの間にかありとあらゆる日本食が
人気者になっていて、
そしてその中でもここ数年の
「おにぎり」のメジャー度アップはすごい!

「パリでおにぎりを食べるならここ!」
なんてランキング記事が新聞や雑誌で
紹介されたりするし、
味や本物具合はともかく、
あちこちのスーパーで
おにぎりが普通に売られるように。
(寿司から繋がっちゃったのか、
酢飯で作られたおにぎりなんていうのも
多いから、美味しいとは限らないんだけどね。)


▲ここ数年で一気に知名度が上がった「おにぎり」。
パリにも、あちらこちらにおにぎり屋さん(日本人がやっている本物のおにぎり!)が
できていてどこも大人気。

とのまりこ
そんな「おにぎり」人気急上昇中のパリで、
なんと私は偶然にも、半年弱ほど、
パリの左岸にある人気のおにぎり屋さんで
ピンチヒッター要員として働くという日々を過ごし、
パリでのおにぎりのメジャー具合や
フランス人が好きな具材などなどを
観察する機会があったのです♪

というわけで本日は
パリで大人気のおにぎりのお話です。


▲約半年、友人が経営する日本食レストランで、
ピンチヒッター要員としてお手伝いしていた私。
毎日リアルなフランス人のお客様たちの反応を前にして
日本食材への浸透度や人気を見れて面白かった!

バブー
まりこちゃんがお手伝いしていたのは、
パリの左岸7区、高級エリアにある
人気の日本食レストラン。
経営者も料理を作る人も全員日本人。
どんぶりをメインにしたレストランと
小さなおにぎり専門店が同じ通りに並ぶお店。
近くで働いていたり住んでいたりする日本人も
たまに来るけれど、
客のほとんどがフランス人という、
まさに地元の人たちに愛されているお店だよ。


▲小さなおにぎり専門店はその場で食べる人もお持ち帰りの人も。
お昼休みにやってくる高校生から近所ので働く人まで子どもにも大人にも大人気。
週に何度もやってくる人も多く地元のフランス人に愛されてます。


▲パリ7区の高級エリアの同じ通りにどんぶりレストランとおにぎり専門店を経営しているのは
3人の子どもを育てる日本人の友人。
働く人も全員お料理上手な日本人の主婦たち。
みんな朝からテキパキ働いてひとつひとつ丁寧に作っているので大行列の大人気♪

とのまりこ
おにぎりのラインナップは
梅ゆかり、たくあん、塩昆布、ネギ味噌、
椎茸の佃煮、ツナマヨ、鯖ゆず胡椒、
めんたいマヨ、チキングリル、
甘辛コチジャンチキン、肉そぼろ味噌、
シャケ、シャケいくら、小エビ天ぷらetc

さて、皆さん、
この中でフランス人に人気なのは
どの味だと思いますか?!

バブー
日本のおにぎりのオーソドックスなものから
フランス人の好みに合わせたちょっと変わり種まで。
どの味もみんな美味しい美味しいと
大人気なのだけど‥‥、

老若男女、とにかくフランス人が大好きなもの。
それは「ツナマヨ」!!

特に若者チーム、高校生のお客さんなんて、
ほぼ全員「ツナマヨ」頼むのではってくらい
「ツナマヨ」ちゃんが人気だよ。
この店では、お得なお弁当セットには好きな
おにぎりを2つ選ぶようになっているんだけど、
2つとも「ツナマヨ」って高校生が多いよ。


▲私がお手伝いしていたお店で人気だったものの一つがこちら「ツナマヨ」。
フランス語では「トンマヨ」。
特に高校生たちに圧倒的な人気を誇る「トンマヨ」。
高校生たちが入ってくると
「あ、トンマヨちゃんたち、今日も元気にきたきた♪」なんて
従業員同士で会話したりするくらいでした。

とのまりこ
その他の圧倒的な人気者は
やっぱり「シャケ」や「シャケいくら」。
サーモン大好きなフランス人が多いので
「シャケ」は定番中の定番のようです。

さらに甘辛い醤油の味がする
カリッと衣のついた小エビ天や
チキン系も不動の人気です。
そう、この「甘辛い」もポイントのひとつ。

以前こちらのコラムでも書いた
『フランスで醤油といえば、
普通の醤油に加えて「甘い醤油」という
2種類があるのが当たり前』
というのを
覚えていらっしゃるでしょうか?!
スーパーの醤油コーナーでも
日本食レストランでも
必ず「普通」と「甘い」と2種類の醤油が並ぶ
フランスですが、
おにぎり屋さんでもその2種類の醤油が
人気の秘訣のようです。
(ちなみに私がお手伝いしていたレストランでは、
甘い醤油は手作りで作っていました。)


▲パリのスーパーどこでも手に入る醤油は必ず普通バージョン(右)と
甘いバージョン(左のsucrée)が並んでいます。

バブー
おにぎりにはもちろん塩を使うけれど、
「味のしない白いごはん」は
フランスではあまり好まれない。
だからそれに合わせてちょっと濃いめに、
具材に合わせて普通の醤油や
甘い醤油をご飯にうっすら塗ったりして
仕上げていくんだって。

それでもね、さらに「追い」醤油を
したい人も多かったりして、
追加の「醤油」注文をして
つけながら食べたりする人もいるんだよ。
その追加醤油の注文でも
「甘い醤油」が大人気なんだって。

とのまりこ
そしてフランスのお客さんの
具材の選び方のもうひとつの大きな特徴。
それが「ベジタリアン」という目線。

「たくあん」「塩昆布」「椎茸の佃煮」
なんてけっこうマニアックな日本の食材。
選ぶ人いるのかな?!
フランス人知っているのかな?!
なんて見ていたのですが、
ベジタリアンメニューを求めている人が
次々に買っていくのです。

フランスのレストランでは大抵どこでも
「ベジタリアンメニュー」がありますが、
「チキンは食べないのでおかずについている
チキンを味噌汁や枝豆に変えてほしい」
というリクエストが
けっこう頻繁に入ることを見ても
ベジタリアンの人が多いのだなあと実感しました。
(おにぎり屋さんのお弁当セットには
グリルチキンが2つと枝豆が標準セットでした)

おにぎりの具材を「ベジタリアンメニュー」
という目線で考えたことがなかったので
そんな見方もなんだか新鮮。
「梅ぼしゆかり」「塩昆布」「椎茸の佃煮」
「ネギ味噌」「たくあん」など
全部「ベジタリアンメニュー」になるのです。


▲こちらは我が家の真下の小さめのスーパーの棚。
お寿司だけじゃなく、おにぎりも当たり前にスーパーに並ぶようになり、
ここ数年のおにぎりメジャー度アップは驚くほど!
ただし、スーパーに並ぶおにぎりは普通のおにぎりではない
「酢飯」で作られたエセバージョンも多いのできちんと確認を♪

バブー
そしておにぎりといえば海苔がセットだけど
フランス人に海苔が当たり前に受け止められている、
海苔を食べられない人がいないというのも
驚きのひとつだったよ。
(ちなみにこの半年間で、1人だけ、
海苔を外して食べている人を見かけたんだって。)

「おにぎり」人気が急上昇したおかげで
海苔の知名度も一気に上がったけれど、
昔は海苔を見ると
「この黒い紙みたいな何かよくわからない
もの一体全体食べ物なのか?! なにこれ?!」
って反応が多かったからね。
「海藻でできたシート状の食べ物なんですよ。
よく、寿司の『巻き』に使われているあの
外側の黒いものです。わかりますか?」
なんて一生懸命説明したものだけど‥‥。

パリのおにぎり人気は
多分まだまだ急上昇してくと思われるよ。
今回はあえて「パリ」での人気って書いたけれど、
きっと近いうちに「フランス」全体で
知名度のある人気の日本食になると思うんだ。

日本の美味しいものが
どんどん広がって人気者になっていくのは
嬉しいことだよね♪
それではみなさん、ボンジョルネ〜!

 

 

 

 

 

 

*とのまりこさんの新刊が出版されました*


「シンプルシックで心地よい暮らし
パリの小さなアパルトマンで楽しむおうち時間」
出版社 : 世界文化社
発売日 : 2021/5/29

 

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)

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