バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


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「モロッコ番外編。
超本格的な披露宴に
ガッツリ参加?!」

 
     
バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
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「モロッコ番外編。
超本格的な
披露宴に
ガッツリ参加?!」

バブー

フランスは7月と8月の
夏休みバカンス真っ最中。
実はこの10日間ほど、
飼い主のまりこちゃんファミリーは
アフリカ大陸のモロッコに
バカンスに出かけているよ。

ボクはパリでお留守番。
ちょっと寂しいけれど、
毎日たくさんお散歩してくれる
友人宅で、のびのび過ごしています♪

さて、そんなモロッコ旅でのビックリは、
あとでまとめて『番外編』として
紹介する予定だったんだけど、
初めて旅をするモロッコから、
いきなりディープな報告が送られてきてるので、
今日はそれをレポートするよ!


「友だちたちを呼んだ結婚お祝いパーティーに参加して!」と言われてるのかと思ったら、
超本格な伝統的結婚式にガッツリ参加することになった、パリこれ!番外編、
我が家のモロッコの旅。

とのまりこ

この夏は、息子が幼稚園の頃から仲良しの
クラスメートのモロッコ人の
お宅に泊めていただきながら、
モロッコのマラケシュに滞在バカンス。

『ちょうど7月に弟の結婚式があるから、
ぜひ参加して! 絶対にその日程が入るように
旅の日程を決めてね』と言われ、
他人の私たちが結婚式に出席していいの?
なんて思いつつ、せっかくだし、
異国の結婚式を体験できるのも面白そうだと、
気軽な気持ちでOKしたのでした。

ですが、やってきてみると、
どうやら伝統的なモロッコの結婚式は
数日間に渡って行われるようで、
なんだかとてつもなく大きなことに
巻き込まれています(笑)。


モロッコでは花婿側が贈り物を届ける習慣があって
「今夜届けに行くから一緒に行こうよ」と言われていたのに、皆が動く気配がない。
寝ていたら、なんと夜の11時半に出発。真夜中に行われる、バリバリの披露宴なのでした。

バブー

モロッコでは花婿さんの家庭が、
花嫁さん側に、
貢ぎ物を持っていく習慣があるんだって。

その中身は、結婚指輪、ネックレス、
ブレスレット、時計などのジュエリーのセット、
靴や鞄などの装飾品、コスメや香水のセット、
そしてハチミツ、デーツ(ナツメヤシ)、
アーモンドなどのナッツ類の盛り合わせなど。

それで『明日は貢ぎ物を持っていく
パーティーがあるから、
それもぜひ参加していいからね』
って言われて飛び入り参加したら、
なんとそれがガッツリ披露宴だったんだって。


軽いノリで連れて行かれたそこは、バリバリの披露宴会場。
この日は新婦側が主催するパーティーなので、2つのテーブル以外は新婦側の列席者。
新郎側は少しアウェイ感があるものの、踊って口で音を出して、
人数が少なくても皆めちゃ盛り上がる。


式場の入り口で渡されたウェルカムドリンクは、まさかの牛乳!
発酵牛乳。最初からびっくり。

とのまりこ

モロッコでは、
日本の披露宴に当たる結婚式を
花嫁側が主催し、
そこに花婿側の貢ぎ物を贈る儀式が行われ、
その後、花婿側が主催する披露宴も
開催されるのが伝統的なよう。

今回は私たち、花婿さん側のファミリーに
お世話になっているため、
後者のパーティーのことしか聞かされておらず、
実際来てみたら
まさかの思っていた以上の大イベント!

私たちはモロッコに観光に来たのか、
数日間にわたる結婚式に参加しに来たのか、
わからなくなっている感じですが(笑)、
こんな異文化を体験する機会は滅多にない!と
徹底的に参加させていただいてます♪


何度も衣装を変えては、ド派手な音楽と共におかごみたいな神輿みたいなものに乗せられてくる新郎新婦。
途中からディズニーランドのパレードを見ている気分になってきた‥‥。



これが新郎の家から嫁側に贈られる貢ぎ物の、伝統的な儀式。
部下みたいな人たちが、三角コーンを運んできてお披露目。
外国の昔話に登場する王様への貢ぎ物シーンってこんな感じかな、と想像しながら見学。

 


これが貢ぎ物の一部。香水、宝飾品、ハイヒールやおしゃれカバン、デーツやナッツなど。
伝統的なアイテムがたくさん。

 


金の宝飾品の中には結婚指輪も。
なんと結婚指輪も新郎ファミリーからの贈り物のひとつらしく、
2日前に姉妹たちが買いに行ってました。自分で好きなの選べないの?!

バブー

今回紹介しているのは、
花嫁側が主催する結婚披露宴。

自分の家もしくは披露宴会場で
開催されるようだけど、
多い場合は衣装を6〜7回着替え
(今回は5種類の衣装だったみたい)、
豪華なモロッコ料理が手配され、
音楽隊やDJ隊なども雇われ、
パーティー中ず〜っと
すごいボリュームでの演奏や歌が。
豪華絢爛で派手で、
ものすごくお金がかかるものみたいだよ!

とのまりこ

夏のモロッコはとても暑いため
(例えばこの披露宴があった日も
昼間は出歩けないほど暑く、47度越え!)、
夜遅くから動きはじめる習慣のよう。

このパーティーがはじまったのも、
なんと夜中の0時。
みんなで会場に到着したのが、
すでにシンデレラタイム。

新郎新婦登場からの、ダンスや歌からの
貢ぎ物お披露目タイムが1時半。
お色直しをして、
2つ目の衣装で登場したのが2時すぎ。


まだまだ続くよ衣装替え。
「今日は5種類だからすごく多くはないよ」と言われ、白目をむきそうに‥‥。
気づけば列席者の子供達も花嫁さんとお揃いの民族衣装に着替えてたりして、なんてかわいいんだ!

ちなみに、モロッコはイスラム教の国なので
お酒は出てきません。
なので、この間に飲むのは水。
通常シャンパンなどが振る舞われるイメージの
最初のドリンクは、スムージーでした。

午前3時すぎ、3つ目の衣装に着替えて
ようやく食事が出始めて。
スプライトやコーラが並びます。
ワインの代わりかな‥‥。


豪華絢爛な披露宴会場にうやうやしく運ばれるペットボトルごとのジュースたち。
お酒を飲まない国の結婚式、こうなるのか!

そして食事が振る舞われるのですが、
食事の展開が早い、早い!
みんなお腹すいているから、すごい勢いで食べる。
フォークなどはなく、手でいただきます。

3時10分に鶏肉料理、
3時25分に牛肉料理、
3時40分に穀物の料理、
3時50分にデザートのフルーツと、
目まぐるしい展開で、
料理が出されては片付けられていくので、
とにかく出されたら食べまくる!

談笑しながらゆっくりお口に運ぶ
日本の結婚式の食事風景とは
ずいぶん違ってて、衝撃的で面白かった!


やっと出てきたお食事たちは真ん中にどかんと置かれ、みんなお皿もなく手で食べる。
お肉でかなりギトギトになりますが、そんなの気にせず、すごい勢い!

バブー

そしてごはんを食べ終わり、
4つ目の衣装で登場したのが5時前。
最後に5つ目の真っ白い衣装に着替えて
指輪交換やケーキカットが行われたのが
5時半だって!!

ここでももちろん、シャンパンではなく
オレンジジュースで乾杯。
音楽隊の激しい歌と演奏が終わって、
ようやく会場を後にしましょうってなったのが
朝の6時すぎだったんだって。


指輪交換からのケーキカットからの、ファーストバイト。オレンジジュースとともに?


おみやげにファミリーたちに配った北斎の100均うちわと扇子が、暑いモロッコでまさかの大活躍。
モロッコの豪華絢爛披露宴で、みんな使ってくれていたよ!

フランスの結婚式もだいぶ長いけれど、
モロッコの結婚式はそれ以上?
なにしろはじまりが午前0時すぎだからね。
みんな疲れ果てて、帰ってきたあと
昼過ぎまで寝ていたらしいよ。

そしてなんとなんと、これはあくまでも
花嫁さん側が主催した披露宴。
まりこちゃんたちが
「出席してね」って言われてるパーティーは、
この数日後に開催されるもの。
まさかまさかの、
同じ規模のパーティーが開かれるんだって!
まりこちゃんたち、体力持つかな‥‥。


予定外で急遽連れて行かれた披露宴は、新婦側主催のもの。
私たちが「参加してね」と言われていたものは、まさかのこれと同じ規模の新郎バージョンらしい。
ということは今週、再びこのロングナイトを経験することに‥‥?

もちろん日本と同じように、
結婚式のスタイルは家族にもよるし
(特に裕福さにもよるみたいだよ)、
最近ではモロッコでも、
お金の節約のために
伝統的な大きな披露宴は開かない
というカップルもいるみたいだけれども、
話を聞く限り、モロッコではまだまだ
伝統的な昔からの結婚式が日本以上に
行われているようだよ。

モロッコ番外編、楽しんでもらえたかな?
それではみなさん、今週も良い1週間を!


パリに置いて行かれたバブーですが、毎日たくさんお散歩連れて行ってもらって、
こんな姿でくつろいでいるそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

*とのまりこさんの本*


「シンプルシックで心地よい暮らし
パリの小さなアパルトマンで楽しむおうち時間」
出版社 : 世界文化社
発売日 : 2021/5/29

 

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)

フランス雑貨のお店オープンしました。
バブーくんは日本滞在時に、お店にいます。

「Boîte」(ぼわっと)
東京都杉並区西荻北4丁目5−24
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2025-07-22-TUE

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illustration:Jérôme Cointre