「嫌な天気は、 イヌの天気?!」
みなさんボンジュ〜ル。 先週末はまるでお天気の神様が 季節を間違えちゃったかのように 一気に暖かくなって(17度とか18度だったよ) 数日間だけ春がやってきたようになって、 パリっ子はうかれてみんなウキウキ。
カフェやレストランのテラス席は どこも満員御礼で賑わっていたよ!
さて、そんな昨日までの天気はどこへやら。 再び例年通りのパリに戻り、 月曜日は雨から始まりました。
息子たちの学校では、 火事の後、生まれ変わったノートルダム大聖堂を 見学に行くという遠足の日ですが 残念ながら雨が心配などんよりとした 1日になりそうです。
▲日本でいう土砂降りの手前くらいのかなり雨が降っている状態でも、 相変わらず傘をさす人が少ないパリです。 子供も大人もパーカーのフードやレインコートでしのぐ人が多いのです。
▲シスターは透明ビニールのフードカバー(これもフランスあるある)が傘の代わり。 おばあちゃんたちはよくこのフードカバーをつけている人を見かけます。
そんな今日がピッタリなフランス語の表現。 「Temps de chien.」(タン・ドゥ・シヤン) 直訳すると =「イヌの天気」 ボクたちイヌのお天気だよ!
「Il fait un temps de chien.」 (イル・フェ・アン・タン・ドゥ・シヤン) =「今日はイヌのお天気だね」
は、ボクたちイヌを お散歩に連れて行ってあげられないくらい、 嫌ないけてない天気、 って時に使われる表現だよ。
▲「イヌの天気」の日もお散歩に行きたいボクだけど、 帰ってから洗ってきれいにしてもらうのも大変‥‥。
イヌが大好きな国なのに、 イヌを使った表現には マイナスの意味を持つものが多いのが フランス語の面白いところ。
お天気に関しても、「イヌの天気」といえば 雨や風がひどいいけてないお天気の日なのです。 せっかくのノートルダム大聖堂への遠足の日なのに まさに今日は「イヌの天気」だねって 雨でびしょ濡れのバブーを見ながら ママ友たちとも話して帰ってきたところです。
ちなみにね、 「un temps de cochon.」 =「ブタの天気」 って言っても同じような、 雨や風がひどいいや〜なお天気って意味で 使われるんだよ。
まったく、イヌにもブタにも ちょっと失礼な! フランスのお天気の表現だよ。 ワンワン、ブーブー!
▲「イヌの天気」の日の朝。 傘はささず、帽子やフードで雨をしのぐのがフランスの子どもたちの通学風景。
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2025-03-11-TUE