バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


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「日本語のふたつの
“モシ”が流行中?!」

 
     
バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
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「日本語のふたつの“モシ”が流行中?!」

バブー

ずっと前にこのコラムで
フランスは空前の「餅ブーム」だよって書いたのは
みなさん覚えているでしょうか?!

その「餅ブーム」はいまだにずーっと続いていて
普通のスーパーでも「餅」商品を
見つけられるようになってきたよ。
(まりこちゃんたちが思う本物の餅として
おいしい商品かはさておきね。)

とのまりこ
「Mochi」(餅)は
フランス語の発音だと「モシ」。
この「モシ」、子どもたちが
やたらと「モシモシ」「モシモシ」言っているのが、
空前の大ブームの「餅」からきている
「モシ」だと気づいたのが先週末。
息子が遊びに行った、
クラスメイトの誕生日パーティーでのことでした。


▲26人も子どもが招かれていたクラスメイトの大パーティー。カオスでした(笑)。


▲みんなに配られる小さなお持ち帰りプレゼント。今回は釣り形式で小さな袋を釣り上げます。

「モシモシ」と言えば
日本では電話の「もしもし」ですが、
こちら「電話のモシモシ」もフランスでは
わりと市民権があって(市民権の歴史としては
近年ブームの「餅」の「モシ」よりかなり長い)、
「日本語知ってるよ!モシモシ〜。」
とか、日々挨拶をかわす店の人に
「モシモシ〜。」
と言いながら手を合わせてお辞儀されたり‥‥。

「いや、その「モシモシ」の使い方は間違ってるよ。
『アロー』(フランス語で電話の「もしもし」)って
意味だからね‥‥。」笑。
なんていうやりとりがあったりするくらい、
「モシモシ」が知っている日本語の一つとして
認知されているイメージです。

バブー
電話の「モシモシ」は、映画で知ったり
日本人が電話に向かって
「モシモシ」と言っているのを見たりして、
なんとなく覚えやすくて
耳に残る言いやすい言葉で、
どんどん市民権を得たんだと思うんだよね。

だから
「コニチワー」「アリガトー」
なんかと一緒に「モシモシー」って
日本語を披露してくれる人に出会うことも多いよ。

とのまりこ
さて、「餅」の「モシ」から話はそれましたが‥‥。
そんなわけで私は子どもたちが連発する「モシ」も
電話の「もしもし」の「モシモシ」だと
思い込んでいたのです。

ところが今回の誕生日パーティーの中で
私は気づいてしまった!
子どもたちが言っている「モシ」は
「餅」の方の「モシ」なんじゃないかと!

フランスの誕生日パーティー恒例の、
来てくれたお客さんたちに配られる
小さなプレゼント。
たいていは小さなおもちゃやお菓子の
詰め合わせだったりするのですが、
そのおもちゃたちを広げて、
何が入っていたとかいないとか、
これと誰か交換してくれとか嫌だとか。


▲入っているものが微妙に違うおもちゃセット。
自分の欲しいものを交換してもらう、子どもたちの取引が始まります♪


▲自分に入っていたもの、相手に入っていたもの、みんなもう真剣。

そんなやり取りをしている子どもたちの会話を
聞いておもちゃを見て、気づいた!
これは「餅」の「モシモシ」じゃないか!!と。

にぎるとぷにゅ〜っと
可愛くて気持ちいいまるで「餅」のような
動物の形をしたおもちゃ。
(これは調べてみたらまさに「mochi」(モシ)
という名前でたくさんネットでも売られていた!)


▲息子がもらってきたものたち。
こんな感じで小さなおもちゃ(大人からみたらガラクタだけれども、
子どもから見たら宝物な小さなものたち)が入ってます♪


▲これが私に「餅」の「モシ」だと気づかせてくれたおもちゃ!
色んな動物がいて子どもたちに超絶な人気。この「モシ」の取引がいちばん加熱していました。
柔らかいギュウヒみたいな触感の「もちもち」おもちゃ。

バブー
そしてゼリーのような
ビヨーンビヨーンと伸びて
どこかにペタッとくっつくおもちゃ。
これも
「モシモシ〜!! モシモシ〜!!」
と叫びながら、ぐるぐる振り回し、
あちこちにペタペタくっつけながら
子どもたちが遊んでいる。
お餅っぽいプニュプニュなものは「モシ」!
「餅」からきた「モシ」なんだ。

こんな小さな時から
「モシ」(餅)に親しんでくれたら、
「餅」は空前の大ブームを超えて、
フランスでも誰もが知っている
当たり前のものになっちゃうかもね!


▲このゼリーのような「のびのびくっつき」(正確な名前はなんというのでしょう‥‥)も
色んなところにくっつけながら「モシモシ〜!!」「モシモシ〜!!」と
大騒ぎの子どもたち。
どうやら「餅」っぽい食感のものを「モシモシモシモシ」言いながら楽しんでいるようです。

 

 

 

 

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「シンプルシックで心地よい暮らし
パリの小さなアパルトマンで楽しむおうち時間」
出版社 : 世界文化社
発売日 : 2021/5/29

 

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)

フランス雑貨のお店オープンしました。
バブーくんは日本滞在時に、お店にいます。

「Boîte」(ぼわっと)
東京都杉並区西荻北4丁目5−24
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2023-10-17-TUE

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illustration:Jérôme Cointre