バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
2003年、フランスに単身で渡り、 現在はパリを拠点にヘアメイク&フォトエッセイストとして 活躍しているとのまりこさんが、 愛犬のバブーくん(アイルランド出身)を相棒に、 パリ暮らしのちょっとびっくりな出来事や、 へぇ〜っと感心する習慣などなど(*)をお届けします。 *もちろんすべてのフランス人やフランス全土に共通しないこともあります。 週に1回、でも気まぐれにもっと更新するかも? すてきな写真とともに、おたのしみください。 Amusez-vous bien!

 
とのまりこさんと バブーくんのプロフィール
 




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「家に呼ばれたら、ちょっと
遅れていくのがマナー!?」

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家に呼ばれたら、
ちょっと遅れて
いくのが
マナー!?

バブー

みなさんボンジュ~ル。
先週も今週も、とっても暑いパリ。
なにしろ基本的にクーラーがないパリなので、
夜は寝苦しくてなかなか寝付けなかったり、
バスの中はサウナ状態だったり。
あまりにも暑くて子どもたちが危険ということで、
学校の教室に家の扇風機を親たちが持って行ったり、
日中はカーテンや雨戸を閉め切ったり、
みんな工夫して過ごしているよ。


まあ、ボクたちは湿気が強烈な
日本の暑さを知っているので、
「日本の暑さに比べたら天国」
なんて心の中でブツブツ言いながら
暑さに耐えているけれど、
夜10時すぎまで明るい、この時期のパリ。
日照時間がとても長いので
灼熱の太陽に照らされる時間が多いんだよ。
 
近年あまりにも暑い日が多くなってきたので
クーラーを導入するお店などは増えてきたけれど
(なんのホース?!というほど太い
見栄えの悪いフランス独特のクーラーの姿は
以前のコラムを!)

一般家庭ではまだまだ。
そしてメトロやバスでも、クーラーありはまだまだ。
珍しくクーラーありの車輌に当たったら、
宝くじに当たったような気分になるくらいだよ。

とのまりこ

さて、そんな夏真っ盛りのパリ。
暑さに負けず太陽をいっぱい享受しようと、
テラスを使ってのアペロパーティーや
庭を使ってのバーベキューパーティーなど、
この時期は毎週末のように企画が♪
 
つい先日は、パリの郊外にある
巨大な庭つきの一軒家にお呼ばれしました。
友人のおじいちゃん&おばあちゃんが住む
素敵なお家でのバーベキュー大会。



この時期庭のある誰かの家に集まったらとりあえずバーベキュー。
スーパーや肉屋にはバーベキューで焼いたらいいソーセージや串焼きが何種類も並びます。

約束の時間に30分遅れて到着した
私たちでしたが、実はいちばんのり。
 
そう、人の家にお呼ばれしたら、
誰も時間通りに来ない。
ちょっとどころかだいぶ遅れてやってくる。
これがフランスあるあるのマナーなのです。
『誰かの家に呼ばれたらちょっと遅れていく』
 
『今日は30分遅れでまあまあ遅れちゃったな。
もう誰が来てるかなあ·‥‥』
なんて到着したら、誰もいませんでした(笑)。


「バスが来なくて30分以上遅刻。ごめんね」なんてメッセージ送って到着したら、
誰もいない‥‥。一番乗り。
人のお家へのお呼ばれは、動き出しが非常にのんびりなのがフランス流。

バブー

30分って『ちょっと』ではないけれど、
そのボクたちがいちばんのりになるほど
のんびりな時間軸でみんな集合。
こんな感じがフランスあるあるだよ。
 
この日お呼ばれしていたのは
全員日本人ファミリーだったのだけど、
誰も時間通りにやって来ないのを見て、
おじいちゃんが
「君たちももう立派なフランス人だね♪」
って笑っていたよ。
 
このおじいちゃんはアメリカ、イギリスなど、
海外の色々な国に住み、現地の会社で働いてきた方。
国によって『時間』の守り方が全く違う。
例えば会社で会議があるときも、
集合の仕方、始まり方が全く違うし、
人とパーティーで集まるときの集合時間も
国や人種によって全く違う。
そんな話をいろいろ聞かせてくれたよ。


呼ばれている人全員日本人のはずなのに、
指定された時間から1時間たってもだ〜れも来ない。
「君たちも完全にフランス人になったね〜」と
フランス人のおじいちゃんに笑われました。

とのまりこ

パーティーの集合の仕方からもわかるように、
のんびり時間軸で動いているフランスは、
日常生活でも、私たち日本人からすると
割と時間にルーズだと感じます。
待ち合わせをしていても、
ちょっと遅れてくるのは当たり前。
常に5分まえに到着してしまう
ザ・日本人の私はいつも待ちぼうけです。
 
とはいえ、当然時間をきっちり守った方が
良いシーンだってあります。
病院の予約の時間とか、
学校や習いごとの始まり時間などなど。
 
時間を守るべきシーンでは、
ものすごくきっちりしている人がいる反面、
時間にルーズな習慣が身についているせいか、
毎回毎回遅刻してくる人もいっぱい。
 
例えばテニスの習い事を見ていても
レッスンが始まる5分、10分前に
必ず到着して待っている人がいる一方、
毎回5分、10分遅刻してくる人もいます。
「毎回毎回同じメンバーばかり
遅刻してくるのは何事だ!」
と先生が怒っている姿を見たのも
一度や二度ではありません。

バブー

誰かにお呼ばれしたら、
ちょっと遅れていかなくちゃいけない。
でも時間を守るべきシーンでは
きちっと守らないといけないよって、
180度違う習慣づけだよね。
 
子どもに教育するにも
「きっちり時間は守りましょう。
むしろちょっと早めの行動を心がけよう」
という言葉だけですまないから、
ちょっぴり大変だよ‥‥。
 
ふだんは
「早くしなさい!遅れちゃうでしょ!
遅刻はよくないことなのよっ!」
って怒ってばかりなのに、
ご近所の友達の家に
12時にお呼ばれしているときは、
12時になっても家を出ようとしないママ。
「もうこんな時間だよ。遅れてるよ!
早く行こうよ!」
って言っても、
「こういうときはちょっと遅れていくものなの」
って言われちゃうんだから。
矛盾しているよね?!


言われていた時間は12時。なんとなく大体揃ったな、
ごはん始めようかとなったのが14時。フランスのパーティー、
おおむねこんな時間軸です(笑)。とにかくダラダラ食べて飲んでおしゃべりして楽しむ♪


ヨーヨー釣りに(プラスチックの)金魚すくい。
日本人だけど全員現地の学校やインターナショナルスクールに通う子どもたち。
ホストのおかげで日本らしい遊びを体験して大盛り上がり。

というわけで、
『フランス人は割と時間にルーズ』
なんて耳にすることも多いのですが、
ルーズでいたらいけないシーンもあるわけで、
みなさんは、
『フランス人のお家にお呼ばれしたら、
ちょっと遅れていくのがマナー。
逆に早めに着いたりしないでね』
ってことを頭の片隅に置いておいてね♪
 
それ以外のシーンでは、
日本スタイルの
『時間は守る。むしろちょっと早め行動』
が役に立つことが多いからね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*とのまりこさんの本*


「シンプルシックで心地よい暮らし
パリの小さなアパルトマンで楽しむおうち時間」
出版社 : 世界文化社
発売日 : 2021/5/29

 

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)

フランス雑貨のお店オープンしました。
バブーくんは日本滞在時に、お店にいます。

「Boîte」(ぼわっと)
東京都杉並区西荻北4丁目5−24
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