今回のコロナ騒動で、
手を洗う、うがいするなど
日本では当たり前の衛生観念が
世界中でトピックになることが増えたけれど、
日本って本当に本当に清潔な国なんだよ！
それはもう誇りに思っていい
「スンバラシイ」清潔さなんだよ。

ボクたちはフランスと日本
2つの国のことしか
正確には比べられないけれど、
この2つの国を比較したって
もう日本はずば抜けているんだ。

生活の様々なシーンで
この衛生観念の違いを感じるのですが、
そのほんの一例で驚いたのが
フランスでは、
「妊婦の時にカフェやレストランで
サラダなど生野菜を食べちゃいけない」
ということ。

妊娠中には食べてはいけないもの
というのが色々ありますが、
フランスでは外食で「生野菜」を
食べてはいけないと言われるのです。

▲フランスは野菜が本当に本当においしい国なので、
妊娠中外でサラダが食べれないのは本当に辛かった！

それは、野菜自体を洗っていない
可能性があるから。
さらに、
手を洗っていない人が調理している
可能性があるから。

「え〜！！
カフェやレストランで働いている人が
手を洗っていない可能性だって？！？！
どんだけ〜！！」
でしょ？！

そうなんです。
パリではカフェだのレストランだのに
散々お世話になる毎日なので、
本当に手を洗っていないかもしれない人が
調理している可能性があるかも？！
なんてこと、
出来るだけ考えたくないのですが‥‥。

聞かなかったことにしています。
知らなかったことにしています。
なかったことにしています。
そうしないと、
おフランスで外食できなくなるもの‥‥。

「トイレに行ったら必ず手を洗う」
っていう習慣がフランスにはない
ってことは、前もこのコラムで書いたけどね、
フランスの古いアパルトマンの造り、
トイレと洗面所・バスルームが
全く違う離れているところにある、
というパターンが多いということからも
「トイレ」と「手を洗う」が
結びついていないんだな、
と感じることが多いよ。

▲ちなみに、妊娠中はパテや生ハムや生肉などもため、
生のチーズもダメ、そしてさらに生の野菜もダメと言うことで
例えばこのサラダで食べれるものはフライされた芋のみ！

日本って、
トイレと洗面所が同じ空間にあるか、
トイレだけ独立している場合なら
必ずトイレの中に
手洗い場が付いていますよね。

フランスにはその
「トイレ」と「手を洗う」を
結びつける感覚がないようで、
私たちが住むパリのアパルトマンもまさに
この結びついていないパターン。
トイレは洗面所・バスルームとは
全く別の場所にあります。
つまり、「わざわざ洗面所に洗いにいく」
という行為をしない限り、
トイレの後、
手を洗うことにならないんです。

「外から帰ったら手を洗う」
「食事の前には手を洗う」
「トイレの後は手を洗う」

日本では当たり前の
小さな頃から言われ続けて
習慣化されていることたち。
これら全てがフランスでは当たり前じゃない。
清潔概念、本当に違うと思います。

今回のコロナ対策でね、
フランスの「手洗い」習慣も
大きく大きく変わっていくと思うので、
「衛生観念が違っていた」
と過去形で書けるようになると
いいんだけどね！

今回、この時期の日本にいて、
たくさんの様子を眺めて。

日本は
『清潔過ぎるほど手を洗ったり
除菌・除菌の毎日』。

これを筆頭に、

『もともと整列乗車など
並ぶことに慣れているから
誰に指示されるわけでもなく、
いつの間にか
スーパーでの間隔あけ並びができている』、

『欧米では
ちょっと変な目で見られてしまう
マスクをするのが当たり前』、

『警察官が罰金して
取り締まったりしなくても、
なんだかんだ大多数の人やお店は、
自分たちにできる範囲での自粛をしている』
（守らない人がいるのは、
どこの国でも同じですから。）、

などなど、
2つの国に住んで
文化や習慣の違いを感じながら、
実はボクたち、日本でのコロナのことは
そこまで心配しすぎていないんだ。

これはあくまでも
ボクたち個人の感想だけどね。
死亡率がこんなに低く抑えられているのって
すんごいことなんじゃないかと思ってるよ。

※この連載を再編集し、
　書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
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