バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


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「ペットボトルの
蓋がとれない?!」

 
     
バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
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「ペットボトルの蓋がとれない?!」

バブー

フランスではね、
プラスチック排除の動きがとてもすごくて。

こういった、動きからの決定、
それが実際の生活に導入されるまでが
フランスではとても素早いということは、
今までも何度か紹介してきたけれど、
みなさん覚えているかな?!

(これ、使い捨てプラスチックを
できるだけ減らしていこうという
EU全体の動きなのだけど、
とりあえずボクたちが暮らして毎日、
目にしているのはフランスの話なので、
フランスに限定させていただくね。)

とのまりこ
レジ袋はいち早く有料化され、
何度も使える分厚いもの以外は、
有料の紙袋に。
量り売りコーナーで買う野菜用の袋などには
まだビニール袋も設置されているけれど、
簡単に穴が開いてしまうほど超〜薄い袋で、
土に戻るバイオプラスチックのものなんです。

使い捨てのコップ、皿、
そしてストロー、ナイフ、フォークなどの
カトラリーがどんどん禁止され、
マクドナルドのようなファストフードなどでも
店内飲食用には再利用できるカトラリーが
義務付けされて‥‥。
マクドナルドに行けば
フライドポテトはおままごとみたいな
プラスチックのケースに入っていて、
飲み物にはストローも蓋もついていない。

バブー
プラスチックに対する動き、
EUの中でもリーダー的な存在になっている
フランスのことは、
今までも何度もここにも登場しているよね?!

そして今日はさらに
ペットボトルの蓋のお話だよ。

自然界にペットボトルの蓋が落ちないように、
2024年までにペットボトル(最大3リットル)の
蓋、キャップはボトルからはずれない、
取り付けたままの状態にならなくちゃいけないと
決められているんだよ。

だから最近は、フランスのペットボトル飲料、
蓋が外れないタイプのものが
増えてきているんだ。


▲フランス(EU)のペットボトルの蓋、開けてもボトル本体から離れないように
変わってきています。
最近はこのタイプの割合がググッと増えました。


▲こちらは家の牛乳とミネラルウォーターのボトル。
キャップが本体から離れないので、片手で蓋を抑えないと液体がこぼれることが多く、
ちょっと不便を感じてます。

とのまりこ
蓋を回して開けても、一部分がくっついたまま
という新しいタイプ。
同じ飲み物でもどこで買うかで
以前のものと、新しいもので
当たる確率が変わりますが、
着実にくっついたタイプが増えてきている印象。

これがけっこうやっかいで、
ペットボトルから直飲みするサイズの場合は
蓋が邪魔になってとても飲みにくいし、
牛乳など、家でコップに注ぐ飲み物だとしても、
蓋を反対の手で抑えてないと
蓋伝いに飲み物がこぼれてしまったりで
絶対両手が必要。
正直とても不便‥‥。

ペットボトルの蓋だけ
わざわざ地面に捨てる人なんているのかな‥‥。
普通、捨てないよね‥‥。
でもきっと私たちの常識では考えられない
そういう人たちがたくさんいるから
そうなったんでしょうが‥‥。

個人的には、はずれるタイプの
今までの方がよかった‥‥と思っております。

しかも、再び蓋を閉める時、
蓋が無理やりなかたちで
外れないようにくっついているので、
ネジ状に閉める時に
斜めのまま閉めてしまうこともあって、
横にしたボトルから水や牛乳が漏れている‥‥、
ということも何度か‥‥。

ペットボトルの蓋が当たり前に外れた時には
感じなかった不便さを感じていたりもします。


▲スーパーで売られている飲料水も。
ほとんどのものがこの本体から離れない蓋バージョンに変わって行っています。
仕入れとか在庫の状況によっては離れるタイプの元のままが手に入ることも。

バブー
もうひとつね、
蓋をパチンと弾いて上げるタイプ
(蓋は取れない)もあるんだよ。
これは「クリスタリン」という
フランスではお馴染みの
ミネラルウォーターとかに
採用されている形だったけど
これからはこのタイプも
増えていくんじゃないかな。


▲持ち歩くサイズのペットボトルもみんな外れないタイプの蓋に。
片手で蓋を抑えながら飲まないと顔に当たって邪魔で。ちょっと不便‥‥。


▲こんな感じで蓋は本体から離れないようになっています。


▲こちら左は「クリスタリン」というフランスの水。
パチンと開くタイプの蓋で何年も前からこの形。
外れない形の先駆者ともいえます。
右がネジネジ蓋の外れないタイプ。
閉める時に気をつけないと斜めになったまま閉めていて液体がこぼれることも‥‥。

あとはこのコラムでもずっと前に紹介した
フランスの子どもたちの
ペットボトル型の飲み物は、
これと同じ、パチンと蓋を上げるタイプが
元々多いんだよね。


▲かなり前にこのコラムで紹介した子どもの飲み物でよくある
このチューチュータイプの蓋は元々外れないシステムなので、
これもまた2024年に向けての先駆者ともいえます。

2024年に合わせて
新しく作られているペットボトルは
蓋が外れないタイプ。

フランス(EU)で
ペットボトルの蓋を開ける時、
「あら?? 蓋が取れない。
不良品かしら?」
って思わないでね。
ヨーロッパのペットボトルの蓋は
ボトルにくっついたままのものに
変わっていくからね。

 

 

 

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出版社 : 世界文化社
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2023-09-05-TUE

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illustration:Jérôme Cointre