いよいよ５月中旬から、
カフェやレストランの『テラス席』だけは
解禁されるのではないかと
期待に満ちているフランス。

何しろ去年の10月末から
なんともう半年！　カフェもレストランも
飲食業は全て閉鎖されているからね。
（テイクアウトはのぞき。）

外に座ってカフェやビールを飲む、
っていうことに、
みな禁断症状が出ているんだよね。

日々の感染者数もいまいち減っていないので
また直近で残念な大どんでん返しも
あるかもしれませんが‥‥。

カフェやレストランを営む人たちは、
とりあえず５月中旬目指して
テラスの準備を始めている人もいます。

普段からテラス席を設けていた
レストランやカフェは通常通りですが、
テラス席がなかったレストランやカフェも
臨時のテラス席を設けるための準備です。

▲普段はテラス席がないレストランには、
今こんな風に臨時のテラス席の場所を設けているお店が多い。

去年、2020年３月の
１回目のロックダウンの後、
６月からテラス席だけの営業が解禁された時も、
一気にこの、テラス席の場所を確保し、作る！
という動きが多かったんだけどね。

なんと、車のパーキングスペースを占拠して、
木の板で即席テラスを作っちゃうんだ。

▲椅子やテーブルを置いておいたら盗難も多いので、
家具類は一切外には置かず、いちいち出し入れするのです。

普段から、道路に
テラス席を張り出している店は、
ちゃんとその許可を取って、お金も払って
テラス席の営業をしているわけだけど。

もしかして、
このコロナのドタバタに便乗して、
みんな勝手にテラス作り始めたの？！？！
って思ったら、
そういうわけじゃなかった。

これもちゃんとパリ市に許可を取って、
臨時のテラス席を作っていた、
ということなんだ。

▲これは防寒対策もバッチリな小屋のようなテラス席。

かなりきっちり作られたテラス席は
それなりに見栄えもして
しっかりしているのですが、
簡易バージョンのところは、
「3匹のこぶた」のオオカミが息を吹いたら
あっという間に吹き飛んでしまうだろうなあ‥‥、
ってものだったりするのです。

さらに、最初の頃はそれこそ、
木で作られたウッドデッキではなく、
工場用のロードコーンを置いたり、
何かしら自分たちの私物的なものを置いたり、
とりあえず駐車スペースに車が入らないように
確保するというような形が多かったので、
完全にコロナドタバタ便乗ビジネスかと
思ってしまう感じだったのです。（笑）

▲こんなステキな感じに作っているところも。
これは全く関係ないお店の前にまで張り出して、テラスができています。

実際にはパリ市に、どの場所にどの規模で
臨時テラスを作りたいかということを申請して、
場所を確保するのだそう。

通常、道路に張り出したテラススペースを
確保するのは、
とてもややこしい手続きが必要ですが、
今のこのコロナ期間中は、
臨時の救済処置として、
誰でも簡単に申請できるシステムに
なっているのだそう。

こういう、楽しむことのためには
本当に動きが早いなあ‥‥
と、いつも感心する、
「フランスあるある」です。

▲いつもは車のパーキングスペースの場所に。
占拠されないようにウッドデッキのようなものを作ってテラススペース確保。

ボクたちの友人が経営するレストランもね、
5月以降に向けて
テラスを作る準備をしているよ。
なんとか少しでも
売り上げをあげていかなくては、
という思いと、
テラスは期間限定の救済措置だけど、
テラスを作ること自体もお金がかかるわけで、
どのくらい予算を当てられるかなど
考えなくちゃいけないことも
いっぱいなんだって。

さて、フランス全国の人が待ちわびている
カフェ＆レストラン再開。

おりしも、季節はテラス営業にぴったりの
最高のシーズン。
無事にマクロン大統領からの
お許しが出ますように‥‥。

▲こちらのお店はかなり簡易バージョン。
とりあえず、場所だけを確保という感じ。

※この連載を再編集し、
　書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
　こちらをぜひご覧ください！（2015年8月出版）