バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


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「シャンプーはあるけど
 リンスが見当たらない!?」

 
     
バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
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「シャンプーはあるけど
 リンスが見当たらない!?」

バブー

7月も終わって、
日に日に人が少なくなっていくのを
感じるパリ。

そう、それはもちろん
「バカンス」の時期だから。
フランスのバカンスが長いということは
この「パリこれ!」の中でも
何度か出てきたけれど、
日本でいう「お盆」的な雰囲気が
約2ヶ月つづくのだから、
『ぽっかり』感がはんぱない!

とのまりこ

すれ違うのも大変なくらい
たくさんの人の活気であふれる
いつものご近所マルシェ(市場)は
がら〜んとしてるし。

バゲットがおいしいパン屋は
あっちもこっちも夏休みで
いつもとは違うパン屋で買い物をしたり。

仕事帰りの人で混雑する
夕方のスーパーのレジも
すいすいあっという間。


▲バカンス先では大きなキッチンのついてるこんな家を借りたりする。
 洗剤やキッチンペーパー等必要なものは自分たちで買っていく。

バブー
こんな時期のフランスで、
ラジオやテレビからやたらと耳にする言葉。
それが「grand départ」(グラン・デパー)。

直訳すると「大きな出発」。
まあつまり、
「フランス人の大移動」って感じだよね。
一気にみんながバカンスに旅立ち
夏休み2ヶ月の中でも
最も高速道路などが混み合う時期の表現。

7月14日の「フランス革命記念日」を境に、
そして8月第1週の週末を境に、
2回ほど大きな大きな波がやってくるんだ。

今週末が第2回目の「大きな出発」デーだね。
(ちなみになぜ週末かって?!
それはバカンス先で借りるバカンスハウスなどが
1週間単位のものが多いから。
土曜日から1週間と決まっていることも多く、
金曜日の夜中や土曜日の早朝から出発する人が
いちばん多いからなんだ!)

とのまりこ
1〜2週間、バカンス先で家を借りて
だらだらと過ごすことの多い
おフランス版バカンス。

キッチン用品、洗面用品などを
大量に準備していくのですが、
我が家も少しずつ必要リストの買い物をしながら
思い出した、フランスにきたばかりの
右も左もわからない頃の懐かしい思い出。

『リンスが見つからない物語』

2003年、フランスに到着して
最初の2ヶ月お世話になったホームステイ。
初めてのスーパーマーケットで
シャンプーとリンスを探していた私。

「shampooing」(シャンポワン)は
なんとなくこのままだから見つけた!

が、リンスらしきものが
どこを探してもない‥‥。

「リンス」もしくは「コンディショナー」的な
単語は近いんじゃなかろうか‥‥。
リンスなんだから、
シャンプーのお隣コーナーにあるよね‥‥。

ところが、すべてのブランドの
すべてのそれらしきものを見ていっても
どうしても見つからない‥‥。
歯磨き粉とかボディーシャンプーとか
バスルーム周りのものが置いてある棚
すべてぐるぐる回ったけれど見つからない‥‥。

勇気をもってお店の人に英語で聞いてみるも、
「シャンプー」の棚をさされ、
「シャンプー」を手渡される。
いや、これじゃないんだ〜!!!
リンスが欲しいんじゃ〜!!!


▲こんな大きなテラスがついている家も。
 外食は高くなるので食材を買ってきて自分たちの借りた家で食べることが多い。

バブー
でもね、今考えると、
お店の人が教えてくれたのは
たぶん正しいんだ。

なぜならフランスで「リンス」は
「après-shampooing」
(アプレ・シャンポワン)。

その名も「シャンプーの後」‥‥。

そりゃ見つからんわっ!
シャンプーの後かいっ!
そのまんまやんけっ!

と、まりこちゃんが心の中で
フランスのリンスにツッコミを入れたことは
言うまでもありません。

「après」(アプレ=後)なんて単語
その時は知らないから、
全部「シャンプー」だと思ってたんだよね。

わかりやすいのかわかりにくいのか。
おフランスの「シャンプー」と「リンス」。
旅行中「リンス」が買いたくなったら
今日の小話を思い出してね♪

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!

フランス雑貨のお店オープンしました。
バブーくんは日本滞在時に、お店にいます。

「Boîte」(ぼわっと)
東京都杉並区西荻北4丁目5−24
【地図】 【駅からの道順はこちら】

 

2017-08-01-TUE


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illustration:Jérôme Cointre