「超超超大規模な 農業見本市?!」
ただいまパリではすっごいたくさんの人が訪れる 超大規模な農業にまつわる見本市が開催中! (2024年は2月24日から3月3日まで。)
毎年この時期に開催される見本市。 今年で60回目を迎える、 パリではお馴染みの 「国際農業見本市」っていう 名前だけ聞いたらちょっと堅苦しそうな イベントなんだけど、 これがもう、すごい人が集まる 超超超大規模なイベントなんだ。
▲今年で60回目を迎える「農業見本市」。 入り口にあるモニュメントの前には機関銃を持った警官たちが‥‥。 会場の中にも外にも大量の警官たちが警備をしていた初日はマクロン大統領も訪れ、 ただいま農業関連のストライキも真っ最中のフランスではより警備が厳重に。
「見本市・展示会」というと プロの人たちを対象にしたイメージですが、 この「農業見本市」は子どもからお年寄りまで 老若男女あらゆる人が楽しみにしているイベント。 そして農業に関わる全ての人たちに欠かせない 大切な恒例イベントなのです。
農業界にあるありとあらゆるサービスや商品を 紹介するこの見本市。 農業大国のフランス、農業に対する政策も とても重要視されているので、 大統領を筆頭に有名政治家たちも訪れ、 毎年大きなニュースにもなるのです。
▲フランス各地から集まってきた牛・豚・ひつじ・ヤギ・馬etcの動物たち。 子どもたちがいちばん楽しみにしているのがこの会場。
「Porte de Versailles(ポルト・ドゥ・ヴェルサイユ)」 っていう、パリの南側にある大きな展示会場を使って 開催されるんだけどね、 そこにある全ての会場が使われるんだよ。
会場1つだけでも 大人が歩いて回るのも大変なほど 十分大きな会場。 それを全部だよ! 例えば、 日本のみなさんにとって聞いたことがあるのは、 「サロン・ド・ショコラ」(チョコレート見本市) じゃないかな? パリより規模は小さいとはいえ、 日本でも開催されるし、 ニュースでも見たことがある方もいるかと。 この「サロン・ド・ショコラ」も 毎年同じ場所で行われるのだけど、 あの大きなイベントですら 使われるのはこの中の1つの建物だけ。 一方「農業見本市」では全部の建物を使っちゃう。 その規模の大きさが なんとなくイメージできるでしょうか?!
▲広い広い会場に大集合した農業関連の動物たち。 間近で触れ合えるのでみんな大興奮。 それにしても、「この国に動物園はないのかしら?!」 「みんな動物見たことないのかしら?!」なんて思ってしまうほどすごい人・人・人!!
▲卵からひよこが産まれるところを見れて、 ひよこ達と触れ合えるようになっている大人気のブースは 鶏肉やその加工品を販売売る会社「LOUE」がやっています。 このように動物が展示されている横でその製品が売られたり ブースがあって説明を受けられるようになっているのも この「農業見本市」の大きな特徴。
▲この会場が「動物たち」が集まる会場。 こんな大きな広い会場が7つ使われる大きな見本市。 ブースをゆっくり見るというよりも迷子にならないように 子どもの手を離さないことに必死というくらいすごい人!
▲地域・品種別に並ぶ牛や羊の横でチーズ・ヨーグルト・肉類などの試食販売も。
フランス各地の特産品や名産品を販売し (超大規模なフランス全国の物産展みたいなもの!)、 フランスの各地から集まった 牛、羊、豚、などが並び (酪農業に関わる動物が集まった 動物園みたいなもの!)、 動物のコンテスト(牛、羊、豚、犬)が開催されたり、 植物・ガーデニング・家庭菜園のブースがあったり、 子どもから大人までを対象にした たくさんのアトリエがあったり。
フランスが「農業大国」であること、 そしてフランス人が食べることに楽しみと喜びを感じ、 いかに大切にしていることかを 全身で実感することになるイベントなのです。
ちなみに前回、 2023年は61万5千人が訪れているそうで、 これは日本でもニュースになる 『ジャパンエキスポ』(25万5千人)などと比べても 規模の違いがわかります。
▲人がすごすぎて様子がわかる写真もほとんど撮れていない見本市。 フランス各地、地域別に乳製品・肉製品・果物&野菜・ワイン・ハチミツ・ジャムありと あらゆる食品のブースが並ぶ食べ物の会場は試食をしながら買ったり、 レストランスタイルのところで食べたり飲んだり。
▲ワイングラス・ビールグラスを片手にまわる人たちもいっぱい。 朝から夜までいても回りきれないほどの規模の見本市。 あちらでもこちらでも宴会状態の人も多く夕方近くには 酔っ払いを通り越してしまっている若者達がたくさんいました。
▲今年は初日に遊びに行ったせいもあり、本当にすごい人・人・人。 私たちがたどり着けたのは唯一自家製ソフトクリームのみ(笑)。 ゆっくり試食して美味しいものを見つけながらまわるのは平日の昼間がいいのかな‥‥。
▲私たちはお尻からしか見ることができなかったこの牛ちゃん。 ノルマンディー地方から「オレイエット」ちゃん5歳。 この農業見本市の広告の写真にもなる牛が選ばれその年の人気者に。
▲ちなみにこちらが会場地図。 1から7の会場全てを使って行われる大規模な「農業見本市」。 例えば日本でも有名な「サロン・ド・ショコラ」がいつも開催されるのはこの5番の会場。 そう考えるとフランスで人気のこの見本市がいかに大規模かがわかります。
フランス各地からやってきた大きな牛や豚たちに 触れ合い楽しみながら、 その真横にはその動物たちから作られた バター・チーズ・サラミ・ハムなどを売るブースがあり、 さらには食肉用の肉がぶら下がっていたりするのも この見本市のすごいところ。
人間が毎日いただいている食べ物が どうやって作られているのかを学び考える場にも なっているこの見本市では、実際 「この牛たちは殺されちゃうの? かわいそう。」 という子どもたちの発言を聞くこともしょっちゅう。 今回もボクの飼い主まりこちゃんと 6歳のプチモンスターくんは 色々な話をしながら会場を回ったみたいだよ。
フランスで最も大きな展示会のひとつ 「国際農業見本市」。 もしもこの時期にフランスに来る機会があったら、 ぜひ観光プランのひとつに入れる価値のある 大きな大きなイベントだよ!
▲「農業見本市」から帰ってきた私たち、たくさんの動物達と触れ合って、 サラミやハムを試食してとってもいい匂いがいっぱいするのか バブーがみんなをクンクン匂ってた!
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2024-02-27-TUE