先週は日本からお客様が
合計８人もいらしていた、
お客様週間だったパリの我が家。

その中の１人（ボクたちのフランス雑貨の
日本のお店の店長）のお誕生日を、
サプライズでお祝いできたらいいねえ
というナイショの相談があってね。

ある日のランチで
レストランに行くことになった時、
デザートタイムに
「ハッピーバースデー♪」をしたんだ。

なかなか全員集合してレストランに
というタイミングがなく、
急に計画されたサプライズバースデー。

デザートを注文するときに、
「実は、誕生日を祝いたい人がいて、
もしよかったら後でデザートが運ばれるときに
歌ってお祝いしてもいいかしら？」

とお店の人に聞いてみたら、もちろんOK。
しかもロウソクもあるから
誕生日仕様にして運んできてくれるとのこと。

電気を消して、お店の人が歌を歌いながら
持ってきてくれたガトーショコラは、
誕生日スペシャルということで
ロウソクとホイップクリームがついた
スペシャルバージョン♪

▲「ぼわっと」店長Junkoさんのサプライズ誕生パーティー。
王冠にフランス国旗まで持って喜んでいたら、
なんとこれだけはやっちゃいけない日だった？！

レストランのデザートタイムに誕生日を祝って、
お店にいる人全員で歌っちゃう、
なんていうシーンは
フランスではしょっちゅう見かけるんだけど、
さすがパーティーが上手なフランス人。

こんなに急にお願いしても、
ちゃ〜んとロウソク付で
対応してくれるんだよね。
さっすが〜。
こういうところがフランスっぽくていいね〜。
なんて大盛り上がり。

▲これは私ともうひとりの誕生日をパリのレストランでやってもらった時の写真。
クッキー部分は友達が作って持ち込んでくれました。
お店の人もこういうイベントには慣れたもの♪

で、肝心の今日の「パリこれ！」の話は
ここから‥‥。

この時、何しろ急に決まったサプライズだし、
せめて飾り用に‥‥なんて言って、
ガレット・デ・ロワ（１月のパリの伝統菓子）に
ついている王冠とフランスの旗を
持って行っていました。

▲1月の伝統菓子「ガレット・デ・ロワ」には必ずついてくる王冠。

「王冠かぶって旗持ってバースデーしたら
フランス旅中のお誕生日っぽいね〜！」

なんて、みんなで盛り上がりながら。

というわけで、デザートが運ばれてきた時に、
王冠をかぶってフランス国旗を持って
嬉しそうにみんなに祝われる
「ぼわっと」店長のJunkoさん♪

みんなでワイワイ楽しくやっていたら、
ひとり大慌てなのがお店のお兄さん。

「王冠？！
えっ、今日王冠かぶっちゃう？！
今日はダメでしょ。王冠。」

ってなぜか慌てています。

一体どういうことだと
話を聞いてみると‥‥。
なんと１月21日、
このサプライズをした日は
フランス国王ルイ16世が処刑された日。

コンコルド広場でフランス国王が
ギロチンの処刑台に立った日。
そんな日に王冠をかぶるなんて
縁起が悪いじゃないか！
せっかくお誕生日を祝っているのに。
ということだったらしいのです。

▲1793年1月21日に処刑されたフランス国王ルイ16世。
まさか365日の中でドンピシャそんな日に当たるなんて！すごい確率？！

なるほど〜。
ここに「フランスあるある」が２つあります。

フランス人って、感心してしまうくらい
歴史をよく知っているということ。
ただ年号と出来事だけを丸暗記するような
日本の歴史の勉強の仕方とは
まるっきり違うということをよく耳にします。

日本の歴史を語れと言われたら、
おそらく何も知らないし語れないことが
恥ずかしくなるくらい、
フランス人って、わりとみんな、
自国の歴史を知っています。

そしてもうひとつの「あるある」が
迷信とか縁起とかをけっこう気にすること♪

今までもこのコラムの中で
『バゲットを裏返しに置いたらいけない』
『黒猫の後ろ姿を見たら不幸がやってくる』
などなど、いくつものフランスの迷信を
ご紹介してきたけれど、
けっこうみんな真剣に
「ダメだよ！注意しなくちゃ。」
なんて言ってきたりするんだよね。
ちょっとチャーミングな一面♪

この日はそんなフランス人の
あるあるな姿を垣間見ることができて、
とんだ「王冠」サプライズバースデー、
となりながら、
みんなで楽しく大爆笑した１日だったよ！

※この連載を再編集し、
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