「朝の通勤通学は 真っ暗な中で?!」
冬になると 「日が短くてパリの寒くて暗い冬は まだまだ続いてます」 とか、 『暗い冬』 っていう表現をよく使うんだけどね、 いくら「日が短い」とか 「暗い」って言われても、 文字上だとイマイチ状況が わからないでしょ?
▲エッフェル塔が黒くそびえ立つ。 まだまだ暗いけれど夜明けご30分が経過して明るくなってきたパリ。
つい先日も日本からのお客様の アテンドをしていて、 朝7時ごろ、まだ真っ暗な中で待ち合わせをして
「『暗くて日が短い』って、 本当に、 こういうことだったですねえ‥‥。」
としみじみと実感されていたのを見て、 そうよね、日本は、 朝起きて暗い、 という体験がない人も多いものね。 と、改めて思いました。
というわけで、今日は パリの冬が『暗い』がどのくらいなのか ということをお伝えしようかと。
▲夜明け時刻くらいのパリ。朝は暗くてもイルミネーションはないので 影のような黒いエッフェル塔が見られます。
例えば、今日のコラムの写真を撮った 1月9日のパリの日の出は、8時42分。
写真を撮ったのが8時20分から30分の間。 太陽が顔をのぞかせる直前の様子です。
フランスの幼稚園や小学校、 学校の登校時間は8時30分。 つまり、子供達が学校に向かう時間は まだ真っ暗。
学校への会社へも 真っ暗な中起きて、 真っ暗な中通勤・通学を しなくてはいけない、 ってことになるんだよ。
▲長引くストライキで交通手段がないため車で通学する子も多数。 ただし大渋滞するので学校の近くでしびれを切らして車から降りて走り出す子も。
▲通学路を守る人たち。
まだ世界が暗闇にある中起きだして、 通勤・通学。 これってけっこう身体的にしんどくて、 人間って、眠いけれど、 朝起きて太陽の光があるから 「よ〜し今日も1日始まるぞっ!」 って思えるんだなあ‥‥。 と、日々実感するのです。
▲1時間目の体育のためにバトミントンを持ち学校外の施設に向かう子供達。
▲通学する子供と送る親。 寒くて真っ暗な中歩いている子供の姿を見かけると切ない気持ちに‥‥。
(もちろん、今日の話は 一般的な通勤・通学時間として。 夜中の暗い中から起きだして 出かけるお仕事をしている方も たくさんいらっしゃるとは思うのですが。)
時計の針が起床時間をさしていても。 外が真っ暗だと脳が起きない(泣)。 カーテンを開けても、暗闇。 朝から電気をつけて活動しても 「1日の始まり」 って気分が湧いてこない‥‥(泣)。
国立天文台ホームページより引用
Calendrier Solaire © 2020 ▲上が東京の、下がパリの「日の出・日の入り時間」。 (それぞれ上の線が日の入り、下の線が日の出。) パリの日の出が遅い代わりに、夏の時期がいかに夜遅くまで明るいかもわかります。
▲通勤・通学の時にこれだけ暗いとなかなか脳が起きない!みんな苦労する冬の朝‥‥。
こればっかりは愚痴を言っても どうしようもないことなんだけどね。
朝起きれば常に明るくて 太陽の光がいっぱいの日本に帰ると、 「う〜ん、 朝はやっぱりこうでなくちゃ!」 って思ってしまうんだよね♪
もう春はすぐそこ。 冬を超えるまであと少し。 真っ暗な朝を乗り越えようっと。
※この連載を再編集し、 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)
2020-01-14-TUE