2011年４月に始まったこのコンテンツ。
足掛け４年、たくさんの恋歌と恋の話を紹介し、
いよいよ今回で最終回となります。
ほんとうにありがとうございました。

（有翼）さんは、
昭和歌謡のバンドでボーカルをしている、
昭和歌謡が大好きなかたなんですよね。
ぴったりのパートナーと結婚なさったんですね、
おめでとうございます！
（しあわせそうな結婚写真が添えられていました！）
と同時に、お母様のこと、おくやみもうしあげます。

人生にはいろんなことがあるんだよな、
ということを、ぼくはこのコンテンツで
みなさんの投稿を読ませていただき、
あらためて思いました。
あたりまえだけれど。
それからみんな、それぞれに、
だいじな歌があるってことも。
歌って、とても個人的な体験だし、
時間とともにじぶんのきもちもかわってゆくし、
だから色あせないんですね。

個人的にこのごろよく聞いているのは
（iPhoneの目覚まし音に設定しているからなんですけど）
キャンディーズの「春一番」です。
やっぱりいろんなことを思い出します。
あの曲の中には、
ぼくの、いろんなだいじなものが詰めてあります。
とても個人的な思いです。
それをときどき取り出したり、
そっとながめてみたりします。
歌にはそんな力があります。

歌をうたうって、すてきなお仕事ですね、（有翼）さん。

ところでしばたはつみさんのこと、
もしかしたら知らなかった！　っていう
読者のかたもいらっしゃるかもしれないです。
ハスキーボイスの実力派シンガーでした。
といいつつぼくも
朱里エイコさんと混同しちゃったりもするのですが
（朱里さんも、ハスキー系実力派！）
こどもごころになんとなくではありますが
「かっこいいな」って思ってました。
ちなみに「マイ・ラグジュアリー・ナイト」は
来生えつこさんと来生たかおさんの作品なんですよ。

2011年の（有翼）さんの投稿、なつかしいです。
このころはまだ、
「40代の40代による40代のためのコンテンツです」
なーんて言ってたんですよね。
でも、こちらで設定したそんな枠なんかは軽々と超えて、
様々な年代から、様々な恋のお話が、
びっくりするほどたくさん届くようになりました。
それがまた、どれもいい内容で。
ハイクオリティな投稿の掲載は、次の名作を呼び寄せます。
質も、量も、熱も、ぐいぐい高まるメールのおかげで、
コンテンツは深く豊かに成長していきました。
本も出版されました。ＣＤまでリリースされました。
なんという、有り難い経験でしょう。

そして、最終回。

昭和歌謡を歌う若い女性の物語で終わるのって、
とてもいいエンディングですね。
20代（おそらく）の女性と、40代（推測）の男性が、
歌を通じて出会い、歌で幸せをはぐくみ、ゴールイン！
それはまるで「恋歌くちずさみ委員会」の
足かけ４年の展開を象徴しているように思えます。

読んでくださったみなさん、ありがとうございました。
振り返るとぼくは、自分の思い出を
ここのコメントにずいぶん書いてしまった気がします。
いや、気がするじゃなくて書きました。
自分のことを、すみません。
「共鳴」というのでしょうか‥‥
投稿にビーンと響いちゃって、ついつい書いちゃう。
誰にも話さなかったはずのことまで‥‥。
同じですね、書く動機が。投稿をくださるみなさんもぼくも。

ありがとうございました。
まだまだ感謝のことばを重ねたいですが、
きりがないのでこのくらいにします。

といいつつ、最後にもうひとつだけ。
心が震える恋歌はたくさんありますが、
「一曲」ということであるならば、
ぼくは『木綿のハンカチーフ』のタイトルをここに記します。
これからも聴くたびに、「去来」することでしょう。

最後は最後にふさわしい感じの投稿が
届くといいなと思っていたのですが、
ぼくのささやかな経験上、
よい企画、よいコンテンツというのは、
そういっためぐり会わせがぴたりとハマるのです。

最終回を飾るのにふさわしい投稿、
ありがとうございました。
世代を歌がつないで二人が結ばれるなんて、
それだけでも「最終回的」ですが、
とりわけ分野が「昭和歌謡」だなんて！

人生と恋と歌が凝縮された、
そして最後は未来へと向かうこのすばらしい投稿で
「恋歌くちずさみ委員会」も終わります。

どうして終わるのですか、
終わる理由がないじゃないですか、
というようなありがたいメールもいただきました。
でも、終わる理由がないものって、
終わる理由がないからという理由で
逆に、ぽん、と終わることができるのですよ。
いえ、煙に巻いているわけではなくて、ほんとうに。

ほら、すばらしい恋歌だって、
３分とか４分できちんと終わるから
くちずさめたり、持ち運べたりするじゃないですか。

その意味ではこの恋歌くちずさみ委員会は、
シングルカットするには少々長すぎたかもしれません。
アルバムＢ面ラスト曲くらいになっちゃったかもね。

さて。

テーマが「恋」だから
こんなにも長く続いたのだと思います。
ただひとつだけのルールが「歌」だから
毎回、新鮮に読んでもらえたのだと思います。

さまざまな恋をたのしく読みました。
心のこもった投稿を、すべて載せることはできませんでした。
このコンテンツのために恋の思い出を
つづってくれたすべてのみなさん、
ほんとうにありがとうございました。
すべては載せられませんでしたが、
すべてをきちんと読みました。
どうもありがとうございました。

恋や、恋歌が、減ってきているとしばしば聞きます。
たしかに、ぼくらが若い頃、「至上」と思われていた
恋や恋歌は、時代とともに
その優先順位を下げているようにも思えます。

でも、ここに寄せられた何千もの思い出を読むにつけ、
恋愛というのは、いかなるかたちであっても、
ひとを豊かにするものなのだなとぼくはつくづく感じました。
かなっても、かなわなくても、
（個人的には「かなわないほう」がとくに！）
実際の恋というのは、ひとを大きく成長させる。
抽象的なイメージでいうなら、
ひとに軸を増やして、構造を立体的にする。

しかも、その「恋」という、効果抜群の機会は、
ぼくらの過ごす日々、くり返す毎日、
あなたの暮らすここやそこに、
とくに準備や資格がなくとも、
あるとき、すっと舞い降りるのです。
冗長で大げさですが、最終回のコメントだから、平気です。
ぼくらをとりまく「恋」というものに、
あらためて向き合わせてくれて、
ぼくは、このコンテンツに、
自分たちでつくっていながら
ありがとうと言いたい気持ちがあります。

そして、以前も書いたことですが、
どうか、ぼくらが、当たり前の日々から
自分の奇跡をつかみ取る能力を退化させていきませんように。

４年間、どうもありがとうございました。
最終回ですから、
「ぜひ、感想のメールをください」とお願いします。

あのね、長くなったついでにお教えしますけどね、
ありとあらゆる最終回において、
それにまつわるすべての製作者は
感想をほしがるものなのですよ。
これは、誰がなんといおうと、かならず、そうです。
だから、みなさん、このコンテンツにかぎらず、
なにかの最終回に接したら、感想を送るようにしましょう。
そうすると、世界がうれしく回るようになります。

いや、ほんと、ほんと。