『Baby I Love You 』
 くるり

 
2005年(平成17年)

高校1年生の時彼に
出会い、
高校3年生から付き合い始め、
もうすぐ4年が
経とうとしています。
   (睦月)

いつもごめんね
今日もごめんね
いつもごめんね

高校1年生の時彼に出会い、
高校3年生から付き合い始め、
もうすぐ4年が経とうとしています。

私は東京の大学に、彼は広島の大学へ進みました。
夏休みしばらく広島に遊びに行き、
夜ひとつのベッドに入って二人で聞いていたのが、
くるりのベストアルバム。
そのまま寝てしまったので、
朝までくるりがかかっていました。
それからは、彼を迎えに行くとき、見送るとき、
会いに行くとき、帰るときは、
いつもくるりを聞いています。

その中でも、「Baby I love you」は、

いつもごめんね
今日もごめんね
いつもごめんね

と、いつも素直でもなく、
時には冷たい態度を取り、
「会いたい」ともなかなか言わない私を
代弁しているようでした。

私たちは現在大学3年生です。
そして、今年度彼の留年が決まりました。
もう一年待つこと、
就職による環境の変化、
お互いどこで勤務するのか‥‥
不安ばかりですが、結局
「会いたい」しか残りませんでした。

離れることが別れる理由にならなかった、
私たちを信じたいと思います。
素直になれると今すぐ笑える私で待ちたいと思います。
(睦月)

現在進行形の恋のおはなし、遠距離恋愛。
ハラハラ‥‥どうなっちゃうんでしょう?

最後の一行にある
「素直になれると今すぐ笑える私」は。
『Baby I Love You』の歌い出し
「素直になれると今すぐ笑うよ」からなんですね。
耳に残りつつも、よく考えるとわからなくなる
ふしぎなことばです。
「君は僕を忘れるからそうすればもうすぐに君に会いに行ける」
と同じくらい、わからなくなっちゃう部分だったんですが、
(睦月)さんの
“いつも素直でもなく、
 時には冷たい態度を取り、
 「会いたい」ともなかなか言わない私を
 代弁している”
というので、すっきり腑に落ちました。
恋に素直って大事だものね! 素直素直。

素直かぁ‥‥。
恋の走りだしにも、真っ最中も、おしまいにも、
いちばん大事なことかもしれません。
でも、素直ってむずかしいのよ。
言いたいこと言えないことが多いのよ。
女だってカッコつけなこともあるからね!

離れているのにここまで続いてるおふたりだから、
素直じゃない態度の奥にある心を
彼はきっとわかっていると思います。
ときどきであっても
「会いたい」と言えてるんだもの、
それだけだって偉い。
「会いたい」って、好きってことですもんね。

もう、
「音楽をかけっぱなしで寝ちゃう」
っていうことだけで、
ああ、いいなぁ、と思ってしまいました。

そういうことって、
若いときはほんとに当たり前なんだけど、
だんだん当たり前じゃなくなるんだよ。
しかもそれは、
「そうじゃなくなってしまって残念」
っていうようなことじゃなくて。

「恋歌くちずさみ委員会」に寄せられる投稿は
昔の恋の思い出が多いのですが、
最近は現在進行形の話も増えてきました。
そういった投稿を読んでいるとわかるのですが、
いまの恋の物語のなかにも、
昔と変わらぬ切なさやもどかしさがあるんですね。

そういえば、くるりの歌は典型的な、
「昔、くちずさまれてても
 おかしくない今の歌」だ。

がんばれ、遠距離恋愛。
がんばれ、ときどき素直になるということ。
そう、ときどきでいいんです。
ときどき、うんと素直になりたいものです。
「いつも素直」は、むつかしい。
素直になれない時間がたくさんあるからこそ、
「ふいの素直さ」がきらーっと輝くわけで。
お互いの、素直になるタイミングというか、波長というか、
それがひんぱんに重なる男女が
いわゆる「相性がいい」ということなのかなぁ、
と今思いました。

わかいふたりの、現在進行形の恋。
生々しくもあり、微笑ましくもあり、
ひりひりと現実的でもあり、いいなぁと思います。
「会いたい」という言葉に
それだけの重さを込められることがうらやましいです。

さてさて、お盆も終わりますね。
ぼちぼち秋の気配を感じはじめるのでしょうか。
恋の季節だー。
ま、冬も春も夏も、そうなのですけれど。
次は水曜日に、恋のお話を。
本とCDもよろしくおねがいしますねー。

2013-08-17-SAT

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