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 『ぼくはくま』
 宇多田ヒカル

 
2006年(平成18年)

もしもあのとき、
「んも〜」と腕でも組めてたら。
(ことりす)

ぼくはくま
くま くま


彼はかっこつけな人でした。
本当は三枚目でいじられキャラなのに。

私は私で甘えたがりのくせに、
ものわかりのいい女ぶって
クール気取り。

ある日、電車まちのホームで
彼が鼻歌混じりに
ぼくはくま くま くまぁ〜
と歌い出し、
私は
本当にカワイイ!
愛らしい!
とキュンキュンしてたくせに
何やってんの?
と鼻で笑う感じで。

お互いがお互いをさらけ出せない恋は、
一緒にいても息が詰まるだけでした。

そんなだから
あっと言う間にお別れしました。

あの時、一緒になって歌えていたら。
んも〜、とか言って腕でも組めていたら。

次の恋愛では飾らずに好きな気持ち、
さらけ出していきたいです。

(ことりす)

これは、どのくらいの年ごろの
恋なのでしょうか。
お互いに、はじめてに近い
彼氏&彼女だったのではないかな、と思います。
そして、次の恋には
「好きな気持ちを飾らずに出そう」という決心がある。
なんてかわいい気持ちだろう!
「ぼくはくま」にぴったりのかわいさだ!

自分も、なんだかよくわからないうちに
別れた(というところにもいかないな)恋が、
幼いころにはありました。
悪いことしちゃったな、と思うけど
まぁ、お互いさまだということにしたい。

好きな気持ちを素直にもって、出す。
それしかない。
わかっているし、かんたんなことなのに、
いくら大人になっても
なかなかできないなぁ。

人から見て、
適度に「ああ、好きなんだろうな」
というのがわかるふたりって、
とてもすてきだけれど、
なかなかそうもいかないものです。

ぼくは全身全霊で「恋してる」ことが
バレバレだったりするタイプなので、
(ああ、いつの話だろう?
 すっかりそういうことも
 なくなったよなあ‥‥)
思い出すとそれはそれで
たいへん赤面もの。
クールになんてふるまえなかったなあ。

相手も「バレバレ」タイプの場合、
ましてや人前で、だったりすると、
「バカップル」(古い?)
というのになっちゃうけど、
でもまあ、それはそれで、
知ったこっちゃないよねえ。
次回チャンスがあったら
そういうのもちょっとあこがれます。
って、ないんだけどさあ。

宇多田ヒカルさんのこの歌は
NHK「みんなのうた」で放送されたのですね。
コマ撮りのアニメーションも
たいへんな愛らしさです。
そんなかわいい歌にかわいい思い出の投稿。
なかなかうまくいかない恋だったけど、
スガノさんの言うように
「次へ!」という気持ちがキュートです。

「あのとき、ああすればよかったのになぁ!」
という後悔は、
恋愛において誰しも経験するものですよね。
ため息でおさまるくらいのものから、
布団の上でもんどりうつクラスまで。
ぼくも大小いくつかありました。
いまになってみれば、どれも愛おしく、
そして、笑えます。

それにしても、
このジャケットのクマ、
上目づかいでほんとにかわいい。

なにげに、というか、
関係ないけど、というか、
この『ぼくはくま』という歌、
ぼくもよくくちずさむんです。
個人的に、あらゆる歌のなかでの
「くちずさみランキング」、かなり上位。

だから、電車を待ちながら
くちずさんだ彼の気持ちというか、
そのときの気分はわかるなあ。
テンポや「運び」が心地いいんですよね、
『ぼくはくま』は。

考えてみると、十代のころの、
「ほとんど最初の恋」というのは、
もう、すごく幼いころから知っていて、
「さらけだしまくってる」か、
緊張して「さらけ出し合えない」か、
かならずどっちかのような気がします。

つぎはもっとましになろう、と思いながら
ひとは成長していくのでしょう。
それはもう、恋に限らず。

今年もいよいよ終盤ですね。
恋をする人たちには、イベントの多い季節。
それでは、次回の更新で。

2014-11-29-SAT

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