雪の中、集落を出て行く人の引っ越しを
みんなで手伝う。
荷物をつぎつぎに手渡しながら。
そんな風景は見たことがないと
はっきり断言できるのに、
雪のなかの引っ越しの場面が
ありありと目に浮かびます。
そして、荷物を運ぶひとりの人が、
引っ越していく人を
控えめに見つめているのさえ、
思い浮かんでしまう。
ことばだけで、そういった
「恋の物語と風景」が浮かび上がり、
切ない気持ちさえ、
共有できるような気がするんですが、
それって、いい恋歌を聴いたときと
すごく似てますね。
月の下に続いていく日常、という、
ラストシーンもとても素敵です。 |