新緑あふれる5月、
もしかしたら、1年のなかで
最もうつくしい頃なのじゃないかなと思うほど
新芽は、ぐんぐんのびながら
陽のひかりにきらきら輝いています。
思いきり深呼吸したくなるような
風薫る緑の季節に
香りゆたかな笹だんごを。
新潟名物の笹だんご、
越後湯沢の駅などにもたくさん置いてあって
どれを選んだらいいのか、一見さんにはわからないことも
しばしばですよね。
きっとそれぞれ特色があっておいしいのだろうけど、
たびたび来られるわけじゃない分、
せっかくなら、とびきりおいしいのを。。。なんて
欲ばりたいところ。
(旅先のマリーは、四六時中そんなことを思いながら
歩いています。)
そのとびきりおいしい笹だんごを知る絶好の機会が
訪れたのは、今年1月の冬でした。
新潟ご出身の可南子さんに
同行する好機にめぐまれたのです、地元新潟に。
さっそく駅で笹だんごを物色しつつ、
「どれがいいでしょうね?」と聞いてみたら
「ここ」と即答。
ちなみに、可南子さんに何かおたずねして
即答じゃないことは、まず、ないです。
でも、このときは、超即答。。。
それが、ここでした。
田中屋さんの笹だんご。
ほ〜、そんなに違うのかな?なんて思いながら
帰ってすぐにたべてみて。。。
びっくりでした。
笹やよもぎが、濃いのです。
香り、風味、噛んだときの食感、
すべてから、草がふわっと直につたわってきます。
もちろん、
みための色合いも、とっても濃くて。
草もちでも、
よもぎの味や香りがしっかりとある方が
年々、好きになっているわたくしですが、
実は、子どもの頃は
草の風味が濃いのは苦手でした。
味覚って、変化するものですよねぇ。
赤紫蘇がすっぱくてヘンなの〜と思ってた
ゆかりが、いつしか大好きになったり、
お寿司のなかで、かんぴょう巻なんて
なんだか、つまんないと思ってたのが
やっぱり〆はかんぴょうでないと!と
思うようになったり。
この笹だんごは
笹とよもぎの風味が、たっぷり濃厚なので
もしかしたら子どもの頃にたべてたら
敬遠してたかもしれないくらい
本気のほんものです。
つぶあんと、
くろさき茶豆を炊きこんだ白あんの笹だんごを
この部屋用に取り寄せましたけれど、
笹だんごといっても、種類はいろいろあって
代表格のつぶあんから、こしあん、くろさき茶豆、
甘くないお惣菜として、きんぴら笹だんごもあります。
いや、深いです。。。笹だんご。
郷土に根ざし、
郷土とともに育ってきた逸品には
歴史や、文化や、自然、
そして地元の空気や湿度や愛情の
すべてが、その小さな一個に含まれてるような
気がしてきます。
六日の菖蒲、十日の菊
なんていいますけれど、
端午の節句から、もう10日の今日。
遅ればせながらではありますが、
子どもたちはじめ
おとなも、動物たちも、草花も
みんな健やかな今年でありますよう。
草ですか!? だんごですか!!?
どっちも好きです!!
と、表情で語ってます。。。
笹だんごに熱中するスヌー、ステラは置いておいて。
りかさん、ありがとうパーティーが開かれていますが、
マリーな部屋も担当してくださっていた
りかさん、
心から、ありがとうございました。
これからはじまる人生の別の季節が、
たのしく、うつくしく、素敵な日々でありますよう!
またきっと、どこかでご一緒できるときを
たのしみにしています。
感謝をこめて
マリー
あんの入ったよもぎ餅を笹でくるんだ
「笹だんご」は、
越後地方で旧暦の端午の節句に、
田植えを終えたお祝いを兼ねて
家々でつくっていた、家庭のおやつ。
上杉謙信が出陣のときに
弁当のように持って行ったのが
笹だんごの始まり、という
言い伝えもあるそうです。
笹だんごは、餅粉と上新粉に
よもぎと砂糖を加えてこねた生地に
あんをつつんで笹でくるみ、
いぐさで結んで蒸し上げます。
あんは、つぶあん、こしあん、茶豆、
などが有名ですけれど、
笹だんごを甘いお菓子として
食べるようになったのは明治中期以後のこと。
それまでは餅だけだったり(男だんごというそう)、
味噌、ごま、くるみ、きんぴら、あらめなどを
入れてつくっていたといわれます。
今回、マリーが取り寄せたのは
田中屋本店の「つぶあん」と「くろさき茶豆」です。