「パンがないのだったら、ケーキを食べればいいのに」と、マリー・アントワネットは言ったのだそうだ。どうせ、そういう話はよくできたウソなのだろうが、ケーキがパンのかわりになると思っているマリーの気持ちが、もひとつよくわからない。ぼくは、ケーキを食べて腹を膨らませることなんて、したくない。マリーはどうかしている。しかし、とんでもなくお菓子好きな人間というのは、ほんとうにいる。ぼくは、そういう人を、ひとり知っている。しかも、マリーという名である。日本人だ。彼女は言った。 「わたしは、パンも食べるし、ケーキも食べる」 なんのこっちゃ?そのマリーは、お菓子のことを語るときと、お菓子を食べるときだけほんとうに真剣な表情をみせる。怖い。 悪いひとじゃないのだろうが、怖いのはほんとうだ。そんなマリーが、「いま、ぜったいにたべるべきお菓子はこれだ!」とほんとうに真剣に語るのが、ここ。 「マリーの部屋」なのだ。
新緑溢れる頃のかしわ餅

新緑が溢れてますね。

この時期の新芽は、
見る見るというか、ぐんぐんというか。
日ごとにというより、行き帰りで同じ道を通ったら、
もう帰りの方が育ってるような気も。

もしも自分が鹿に生まれてたら、確実に
「おいしそうだなぁ」と思うんでしょうね。

新緑の季節といえば、かしわ餅ですよね。

ここ最近、「もうこの部屋も
10年以上になるんですねぇ」と
言っていただくことも多くて、
そぉかぁ〜と一瞬、感慨深げになったりするんですが‥‥
その割に、季節ごとに毎年ちゃんと
季節の菓子を書いてるかっていうと
全くそんなことはなく。
かしわ餅を書いたのはいつだったかな?
くらいの曖昧さ、
というより、いい加減さです。
ご承知のとおり。スミマセン。

ただ、実生活では毎年食べてはいるので、
食べる時に「あ、今年も書かずに過ぎちゃったな」
という反省が
かしわの葉とともに残る感じが何年か続きます。
幸運にも買う時期と載せる時期が重なると、
食べながら書くという
自分にとっても幸せな巡り会わせになるという具合です。

目黒通り添いの「ちもと」さんは八雲餅で有名ですが、
かしわ餅は小ぶりで、色も可愛らしく。
和菓子屋さんは、どこもかしわ餅が並ぶ新緑の季節、
かしわ餅比べを毎年やっていったら、それだけで有に
もう10年くらいは、あっという間に経ちそうですよね。
覚えてたら、来年も書いてみますね。
あ、そういえばダーリンイトイさんは
かしわ餅、好物でしたよね。
違ったかな。

素敵なゴールデンウィークを。


 

 

わたなべ まり

○ちもと
東京都目黒区八雲1−4−6
東急東横線都立大学駅より徒歩5分

2012-04-27-FRI