声域のさらに上。目を閉じて見る暗黒。

糸井重里

・さて、あなたはカラオケとかやりますか。
 カラオケでなくても、歌は歌ったりしますか。
 歌うときって、音域(声域)ってものがあって、
 低いほうも、高いほうもどこかから出なくなりますよね。
 他の人が出せていても、じぶんでは出せない音がある。
 じゃ、声にしなければ、どこまでも高い音は想像できるか?
 想像だけならできそうじゃないですか、やってみますか?
 これ、ぼくが二十歳代のときに考えて試してみたんですよ。
 そうしたら、オクターブ上げて、さらに…とやっていくと、
 いつのまにか同じ音域を繰り返しているだけになっちゃう
 (それについて1998年の「ほぼ日」にも書いています)。
 音についての「想像」にも限界があるんですよね。
 最初にこれを書いたとき、ジャズの山下洋輔さんが、
 「あれはおもしろかったなぁ」と言ってくれて、
 ものすごくうれしかったのを憶えています。

 さてさて、そういうことを、最近また発見しました。
 夜、床に入って眠りにつくまでの間に、
 余計なことを考えるのがよくないので、
 目を閉じてから、素敵な景色をイメージして、
 瞼の裏で、それを眺めていようと考えたのでした。
 しかし、この眺めていたい「素敵な景色」というのが、
 なかなかうまく想像できないのです。
 いろいろやったあげく、最近は「宇宙の暗黒の彼方」という
 わけのわからないテーマを考えて、それを見ることにした。
 これ、基本は「暗黒」ですから、曖昧でもいいんです。
 見つめていて、うまく行くといい感じで眠りに落ちます。
 そして、これをやってて、あるとき気づいたのです、
 この「暗黒」ってものを、おれは「利き目」で見ているぞ。
 主に左目で「暗黒」を見ていて、右目はなにをしている?
 「補助」をしているんですねぇ、「利き目」の補助を。 
 で、右目だけでも「暗黒」を見ることもできるんですが、
 それはなんだかおちつかないんですよね。以上です。
 今日のお話は、ここであっけなくおしまいです。
 
 さて、ここからは、あなたへのインタビュー。
 手帳(手帳アプリも)などにメモしておくか、
 ついでに、よろしければ メール で送ってください。
 no.001「子どものころは、どんな子だった?」

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
おしまいのインタビュー、飽きるまで毎日続けるつもりです。