いい時間、いい人、いいもの。

糸井重里

・神田「ほぼ日」の3階は、あえていえば、
 ファミレスみたいなつくりになっている。
 だれがどこに立っていようが座っていようがかまわないし、
 仕事していても、おしゃべりしていても、
 食事していても、議論をしていても、居眠りしていても、
 よっぽど人の迷惑になることでなければ、文句はない。
 他の静かなフロアもあるのだから、移動したらいいだけだ。
 他の人の仕事や、打ち合わせや、なにか見せているのを、
 後ろから横からのぞいてもかまわないし、
 ある意味、のぞかれたくて打ち合わせしていることもある。
 頂き物のおやつだとか、いろんなおいしいものが、
 「どうぞー」とカウンターに並ぶのも、このフロアである。
 そういう場所にしようと、最初から設計している。

 「いわゆる勤務時間」に、「いわゆる勤務」のふりをして、
 パソコンの画面をまじめな顔でながめていることよりも、
 近ごろ興味を持ったチェスの話をしていることや、
 『我々は宇宙人』を観てのショックを語っていることや、
 某中華料理店夏季限定メニューの「冷やしネギそば」は、
 10月から「エビチャーハン」に戻ったのではないかとか、
 考えたり話したりしていることのほうが、大事なのである。
 ちなみにぼくはエビはアレルギーで食べられないのである。
 
 相手に努力の過程を見せるために、
 落とすためのE案F案G案をつくるような労力と時間。
 まじめに仕事しているふりの時間、
 そういうものは、ほんとうに無駄なだけじゃなく邪魔だ。
 そんなことよりも、なにがたのしいのか、うれしいのか、
 かなしいのか、さみしいのかについて、
 中学生のようにあれこれ話している時間のほうが大切だ。
 
 まじめにコツコツをやることは、みんなやってるのだ。
 無理な「はたらいているふり」の時間は、
 たのしい遊びに変えたほうが、本人の健康にも、
 仲間たちの気分にも、人類の未来にもいいように思う。

◆今日の質問はno.063「あなたの、いい時間って?」。
 考えてみてください、よかったらメールで教えてください。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
よその人がたまに「ほぼ日は、実はきびしい」と言いますね。