あきらめてないぞ「ちいかわ臨書」。

糸井重里

・ぼくは稽古事と言うのが苦手で、
 いままでに何度も挫折してきた。
 なんだか知らないけど、ほんとにつらいのだ。
 段取りとかセリフや踊りをおぼえるとかも、できない。
 若いときにはこれを克服するべき課題だと思っていたが、 
 もうすっかり大人になってしまって、
 チームプレイで何かやるようになったら、
 苦手なことを無理してやるよりも、得意なことを
 手分けしてやったほうがいいということになった。
 おかげで、得意なことは一所懸命にやるけれど、
 苦手なことは他の人にやってもらうようになった。
 そういう感じで、そのまま行くと思っていたのだが、
 このごろ、その苦手だったことをマジメにやっている。
 
 臨書である、お手本を見て、その筆の流れを再現する。
 書の世界で繰り返されていることだ。
 先日やりはじめた「ちいかわ臨書」である。
 作者のナガノさんの描くキャラクターを、まねして描く。
 どんな筆の運びで、どういうかたちで、どんな位置に、
 どんな大きさで、このコが描かれているのか、
 同じように描いてみようと手を動かすと、
 ほんの少しずつわかってくることもある。
 そして、それをやってみるための技術が手につけば、
 「ちいかわ」に近いものを描けるようになるはずだ。
 原作のマンガはナガノ先生の手描きだけれど、
 それはアニメとしてたくさん二次制作もされているのだから
 線や点で描かれたかたちについて「法則」があるはずだ。
 アニメーションの作り手は、それを身につけているから、
 原作の絵を再現することも、動かすこともできる。
 それはある意味、原画とは違うのだけれど、
 視聴者が満足する範囲で十ニ分に「ちいかわ」である。
 ぼくは、それほど上手にならなくてもいいのだが、
 スケッチブックに湧いて出てきたような「ちいかわ」が
 描いてみたいと思っている、そこまで行けるといいなぁ。
 毎日、ちょっとずつ臨書しているけど、道は遠そうだよ〜。

 ◆では、質問no.021「けんかしたこと、ありますか?」。
 思い出して、よろしかったらメールに書いて送ってね。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
誰でもできそうと思われるものほど、なかなかできないよ。