大きな病院の待合室
(室、というレベルの広さじゃない)で、
2つ置いてとなりに座ったおばあちゃんの胸に、
でっかいスルメイカのブローチがついていた。
革か、布か、そんな感じのものでできている、
すこぶるリアルな、
子どもの手のひらくらいあるブローチだった。
かわいかった。
気になった。
気になり過ぎた。
わたしはといえば、
自分でつくった心臓の刺繍ブローチを
左胸につけていた。
だからブローチ仲間だった。
声を掛けたかった。
ブローチ仲間としてお話をしてみたかったし、
なによりそのブローチが何でできているのか、
買ったのかつくったのか聞きたかったし、
近くで見たかった。
だがしかし、勇気が出なかった。
間におじいちゃんとおじさんがいた、
というだけでなく、
まわりがびっしりうじゃうじゃ人だらけ
だったのもあって、腰がひけた。
それを今、家に帰ってきてから
モーレツに後悔している。
話しかければよかった。
小物め。
長いのか短いのか
まだはっきりした自覚はないけれども、
人生一度きりなのはほぼ間違いないのに。
同じ病院を利用しているとはいえ、
もう2度と会えない確率の方が高いのに。
わたしはまだまだ修行が足らん。
(RINATARO)
(室、というレベルの広さじゃない)で、
2つ置いてとなりに座ったおばあちゃんの胸に、
でっかいスルメイカのブローチがついていた。
革か、布か、そんな感じのものでできている、
すこぶるリアルな、
子どもの手のひらくらいあるブローチだった。
かわいかった。
気になった。
気になり過ぎた。
わたしはといえば、
自分でつくった心臓の刺繍ブローチを
左胸につけていた。
だからブローチ仲間だった。
声を掛けたかった。
ブローチ仲間としてお話をしてみたかったし、
なによりそのブローチが何でできているのか、
買ったのかつくったのか聞きたかったし、
近くで見たかった。
だがしかし、勇気が出なかった。
間におじいちゃんとおじさんがいた、
というだけでなく、
まわりがびっしりうじゃうじゃ人だらけ
だったのもあって、腰がひけた。
それを今、家に帰ってきてから
モーレツに後悔している。
話しかければよかった。
小物め。
長いのか短いのか
まだはっきりした自覚はないけれども、
人生一度きりなのはほぼ間違いないのに。
同じ病院を利用しているとはいえ、
もう2度と会えない確率の方が高いのに。
わたしはまだまだ修行が足らん。
(RINATARO)
2026-05-16-SAT