「きれいなおじさん」になってほしくて。
                    ー男性のみなさん、「なにで」顔を洗っていますか?ー

「きれいなおじさんって、素敵だよね。」
と、ある日のミーティングで
シンクーチームのスタッフがつぶやきました。
話し進めると、「きれいな」の中には
いろいろな要素があるとわかってきたのですが、
なかでも欠かせないのが、「清潔感」。
身だしなみはもちろんですが、
とくに視線が集まる場所って、
肌だよね、
という結論に至ったのでした。

そこで、
ほぼ日の男性乗組員にスキンケアについて
ヒアリングをしてみると、
「顔を洗う以外、とくに何もしてない」
という人が、けっこういたんです。
きれいでいたい気持ちはあるけど、
何をしていいかわからないみたい。

それではと、
「何もしていない」と言い切る
山下多田千野
に集まってもらって、
もしスキンケアをしたいならこんな方法があります、
とお伝えしてみることにしました。

指南役は、社内でもウワサの美容好き、
つばさくん
「スキンケアって、
必ずしなきゃいけないことじゃないから、
まずは気持ちよさを知ってほしいです」
と意気込んでくれました。

つばさくんからレクチャーを受ける前の
第1〜第4回と、
実際にスキンケアをはじめた後の第5回。
肌がつるぴかになった(?)3人の、
うれしそうな顔にご注目ください。

あっ、そこの「関係ないぞ」って顔をした殿方、
あなたのことですよ! 
だまされたと思って、ぜひ一度、
きれいでいることの心地よさに触れてみてください。

イラスト:栗山リエ
座談会に参加したメンバー

山下

ほぼ日編集チーム所属。
リアルスペースの企画・運営を担当する60代。
昨今、若い男性のあいだでスキンケアが常識になり、
それはいいことだよなぁと横目に見ながらも
「じぶんには無縁」と思っている、
典型的な昭和の男タイプ。
「着るものを選ぶのは好きだけど、
洗顔&美容液って言われても‥‥」
やや困惑気味でこの体験企画に参加。

つばさ

「ほぼ日」物流チーム。
化粧品検定1級を活かせるときが
ようやく来たかもしれない。
静かに没頭できる時間を大切にしている。
狭い部屋で黄色いMacに向かい、
ちまちまとアイデアを詰め込むのが気分転換。
創作にも少し興味があって、
「なにか形にできたらいいな」
と思いながら試行錯誤中。

多田

ほぼ日のシステムとフロントエンドまわり担当。
小さい時からずっと肌荒れ。
強いにおいとぬるぬるが苦手で、
なるべく「素」の状態が好み。
鼻の角質や肌のガザガサ部分は、つい取ってしまうタイプ。
仲間にアクションゲーム「龍が如く」をすすめられて、
世界が変わった。
甘いものが大好き。

千野

ほぼ日のデザインチーム。
メンバーの中でもっとも若い20代であるものの、
中学生の時分から「社長顔」で成人に間違われていたため、
「おじさん」のくくりにされても違和感を感じない。
肌の全盛期は小学生の頃まで。
その後順調にニキビが増えていき、
改善したいのにやり方がわからず、
めんどくさくてついにあきらめたのが現在位置。
今回は呼ばれるままに参加。

なにをすればいいか、わからない。
つばさ
今日はみなさんに、
スキンケアの紹介をさせていただく役割で呼ばれました、
わたくし、つばさです。
どうぞよろしくお願いします。
山下
とりあえず呼ばれて来ましたけど、
スキンケアなんて、さっぱりわかってません。
つばさくん、お願いします!
つばさ
(小声で)実はちょっと緊張してます。
多田
(小声で)いいよ、いいよ。
いつもの感じで。
つばさ
ではさっそくですが、
みなさん、肌のお手入れは何をされてますか?
山下
じゃあ、年配者の僕からいきますよ。
基本的にはあまりしてません。
ふだんはお風呂に入って顔を石けんで洗うか、
髪を洗ったときにシャンプーでそのまま顔もわーっと。
つばさ
えっ。
シャンプーで、ですか?
山下
もうね、石けんかシャンプーか、
どっちかわからないぐらい。
つばさ
‥‥なるほど。
山下
それで、お風呂でヒゲも剃っちゃうから、
上がったあとは保湿。
若いときはアフターシェーブローションとか、
スキンクリームみたいなものを
いろいろ試したんですけど、
あんまり合わなかったんですよねぇ。
それでたどり着いたのが、馬の油。
つばさ
ああ、馬油(バーユ)ですね。
山下
そう、それだけ。
寝る前とか出かける前、
ヒゲを剃ったあとにつけてます。
つばさ
馬油は僕も使ってます。
人の皮脂に近い油と言われてるので、
ヒゲ剃りしたあとのアフターケアとして
とてもいいものだと思います。
山下
そうなんだ。
ヒゲ剃り後のローションって、
メンソール入りのヒリッとするのとか、
いろいろあるじゃないですか。
ああいうのは刺激が強すぎてダメで。
馬油は匂いもないし、
少し塗ってからパンパンっと手で抑えて終わり、
という感じです。
つばさ
すごくシンプルでいいですね。
じゃあ次は‥‥。
千野多田
(小声で)どうしようやばいよ。
つばさ
多田さん。どうしました?
多田
‥‥もう、なにもやってないです。
山下さんの「あまりやってない」ではなく、
正真正銘、やってないんです。
山下
顔は洗うよね。
水だけで?  
多田
水か、石けんで顔を洗ってます。
昔、銭湯とかによく置いてある
「男性用ローション」みたいなものを
いろいろチャレンジしたことがあったんですけど、
どれも匂いが刺激的で、
好きになれなかったんですよ。
山下
ああ、通称「おじさんローション」ね。
多田
はい、トニック系っていうんですかね。
あれが苦手になってしまって、
スキンケア自体をあきらめてしまったというか。
つばさ
たしかに、男性向けのものだと
強い香りのするものが多いですよね。
多田
あと、つけたときに
ヌルヌルするのも苦手なんです。
もともとアトピー持ちなので、
なるべく肌に刺激がないものがいいな
と思って生きてきました。
つばさ
基本的に、
肌に何もついていない方がいいんですね。
多田
はい。
でも最近は年のせいか、
花粉の時期に肌が粉をふくようになってきました。
つばさ
花粉の時期って、肌の調子が悪くなりますよね。
僕も顔が赤くなってかゆくなったりします。
千野くんはどうですか?
千野
僕もともとは全然やってなかったんですけど、
ここ最近のことで‥‥。
多田
えっ。裏切り? 
僕たち何もしてない組だったじゃないの。
千野
すみません、
抜けがけしたかもしれません。
これまでは、乾燥する冬だけ、
ドラッグストアで売っている
お手頃なクリームをつけてたんですけど、
ほぼ日の株主総会のときに、
シンクーの化粧水をもらったんです。
山下
株主にもらえるよね。
千野
はい。
それで、化粧水かクリームか、
どちらかだけ使うものだと思っていたので、
どっちをつけようかと
同期のワタコさんに相談したら、
どっちもいるんだよ! って怒られたんです。
「化粧水は水分を入れるから、
クリームでそれにフタをするんだよ」と聞いて。
それで最近は、両方使うようになりました。
つばさ
ワタコちゃんにそういうことを聞けるって、
デザインチームのみなさん、
仲よしなんですね。
多田
僕もその場にいて、
「そーなんだ」って思いました。
千野くんと、この座談会に臨むにあたって、
僕たちは今どういうレベルなんだろう
って話してたんですけど、
そもそも何をすればいいかすら、
わかってないなって。
つばさ
そうだったんですね。
じゃあ、何をどんなときに使うのがいいか、
というところからわからないっていう感じですかね。
千野
わからない。
山下
わからないですねぇ。
つばさ
では、今日はそのあたりのことをご紹介したいと思います。
でもその前に、大前提としてお伝えしておきたいのが、
みなさんに身だしなみを整えましょう、
と押し付けたいわけでは全くなくて、
こういう方法で自分をいたわることができるんだよ、
ということなんです。
やっぱり人に「やれ」って言われたことって
やりたくなくなるじゃないですか。
お母さんに宿題やれって言われたらやりたくないですし。
山下
お母さんにね(笑)。
だいぶ昔にさかのぼったけど、
でもそうだよね。
つばさ
大人だって、楽しくないと続かないと思うんです。
なので、この場ではみなさんに、
こうすることで自分が心地よく過ごせるんだなとか、
このアイテム使うと気持ちがいいなとか、
そういうことを知っていただきたいと思ってます。
山下
それはいいですね。
多田
知りたいです。

(つづきます)
2025-06-23-MON