「昆布屋孫兵衛」（こんぶやまごべえ）は
福井県福井市にある菓子舗。
北前船の廻船問屋として天明２年（1782年）に創業、
財をなした昆布屋当主が
「古代酒饅頭」と呼ばれる饅頭を
越前藩主に献上したことから和菓子の道へ入りました。

現在、昆布屋孫兵衛の工房には
和菓子職人として16代の昆布孫兵衛さんが、
おもに洋菓子をつくる職人として
17代にあたる長男の昆布智成さんが立ち、
店舗では父と子の二人それぞれの季節の菓子を提供。
「昆布屋孫兵衛」の240年以上の歴史をつないでいます。

父の昆布孫兵衛さん（旧名・昆布薫さん）は
1956年生まれ。
高校卒業と同時に東京・赤坂の和菓子舗・塩野に
職人として住み込みの修業に入り、
和菓子製造の技術を習得。
地元・福井に戻り家業を継ぎ、
先代の逝去から数年後の2024年に
16代孫兵衛を襲名しました。

長男の昆布智成さんは1981年生まれ。
日本大学、東京製菓菓子専門学校を卒業後、
東京のオーボンビュータンに入店、フランス菓子の道へ。
ピエール・エルメ・サロン・ド・テで
スーシェフを務めたのち、渡仏。
エクサンプロヴァンスのリエデレを経て、
パリのラトリエ・ド・ジョエル・ロブションでは
デセールを担当しました。
帰国後、東京・アングランにスーシェフとして入店、
2019年からはシェフパティシエを務めました。
そこで９年間を過ごしたのち、2023年に福井へ。
店舗と工房を建て替えて、
父の孫兵衛さんとともに現在の店を開きました。

孫兵衛さんがつくるのは、どら焼き、羊羹、もなか、
きんとん、練り切り、まんじゅう、
餅菓子など、定番、そして季節の和菓子。

智成さんがつくるのは、フィナンシェ、サブレ、
フロランタン、パヴェなどの焼き菓子、
季節をいろどる洋生菓子、
そしてお店のみで提供しているアシェット・デセール
（お皿に盛りつけた、つくりたての生菓子）。
ベースとなっているのはフランス菓子ですが、
そこには和の要素と、福井らしさがこめられています。

現在、店舗は福井の１店舗のみ。
インターネット通販は
「ほぼ日」との取り組みがはじめてとなります。