まだ、『どうぶつの森』の連載が定期的に
更新されていたときのお話です。
糸井重里から乗組員たちにメールが届きました。
「任天堂の岩田聡社長と『どうぶつの森』を作った人たちが
『ほぼ日』に来てくれるって。
せっかくだからみんなでいろいろ話を聞こうよ」
乗組員のみんなは大感激。
だっていま熱中しているゲームにまつわるいろいろな話を、
作った方々から生で聞けるんですもの。
そんなわけで、『どうぶつの森』をやっている乗組員も
やっていない乗組員もみなさんの話に耳を傾けたのでした。
でも、糸井重里にはもうひとつの思惑があったのです。
「俺の『にこにこり村』を、岩田さんたちに披露するぜ!」
岩田社長と開発者の方々の目に「にこにこり村」は
どんなふうに映ったのでしょうか。
あ、そうそう、このコンテンツは2部構成になっていて、
前半は岩田さんたちとのお話、後半は
『みんなで街へおいでよ どうぶつの森』に参加していた
乗組員たちによる座談会が掲載されております。
そちらもあわせてお楽しみください。
糸井 | 自分のクローンまで 作ってみてわかったんですが、 多分、僕はここに自分の作品を 作ってるんじゃないかなって思うんです。 |
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岩田 | ほぉ、『どうぶつの森』の中に? |
糸井 | うん、やっぱりそうとしか思えない。 プレイすることを 自分の作品にしちゃったわけですし。 |
岩田 | (笑)昔『MOTHER2』を作っているとき、 みんなが必死に忙しくしている最中に 「俺は『MOTHER3』の すごくいいアイデアを思いついた」って 言ったの覚えていらっしゃいます? |
糸井 | うん(笑)。 |
岩田 | なんでその話をしたかというと、 あのとき糸井さんがひらめいた『MOTHER3』の アイデアと、この『どうぶつの森』には たくさんの共通点があると思うんです。 |
糸井 | そう言われてみるとそうかもね。 『MOTHER2』を作っているころまでの ロールプレイングゲームっていうのは いわばロードムービーなんですね。 主人公が旅をしていて、町から町へと移動する。 それをどんどん螺旋状に重ねることで 構造がスゴロクの形みたいになっていくわけです。 |
岩田 | はい。 |
糸井 | ただ、スゴロクのまま順番にひとマスずつ 進んでいく、ロードムービーの構造では 限界があるなとも思いました。 それこそ「ここまで来ちゃったけど、 まえの街の人たちはどうなっただろう?」みたいな。 |
岩田 | えぇ。 |
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糸井 | それで、ある町に長いこと滞在している ロールプレイングゲームというものを 思いついたんです。 自分が探偵で、夫が浮気しているかどうかの尾行とか それこそ万引きをつかまえてくれよとか、 その程度のことをやりながら ボロボロのスーパーマーケットの2階に住んでいる。 設定もそのくらいまで考えました。 毎日うろうろしていると情報が変わっていって、 その情報を元に小さな事件を解決して 練習しているうちに大きい事件に巻き込まれる。 大きい事件を解決するための情報が出たら、 次の町に行って仕事ができるようになる。 強くなって強い敵を倒すんじゃなくて、 同じところをグルグルと回っていることで できることが増えていく。 そこには人間関係があって、その人たちの生活があって とにかくいろいろなことが全部できる。 このあいだ洗濯物を干していた人が、 その翌日にはそれを着てたりとか、 そういう、人と馴染みになっていくような ロールプレイングゲームが作りたかったんです。 |
岩田 | うんうん。 |
糸井 | じつはのちに形になった『MOTHER3』で、 タツマイリっていう村に長くいる形を取ってるんですが、 それはこのときの思いからきてるものなんです。 ほかにも、ロードムービーじゃない形での 反映のしかたはちょっとは入れたつもりなんですが、 本当はもっとやりたいことがあったんだよな って思ってました。 |
岩田 | 糸井さんの意識の底に その思いはずっと残ってたんですね。 |
糸井 | うん、そうかも。 |
岩田 | その思いを実現した『どうぶつの森』で 新たに「にこにこり村」という 作品作りをすることができたわけです。 |
糸井 | もう、本望ですね(笑)。 |
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岩田 | さて、そろそろお時間ですが、 江口さん、野上さんは『どうぶつの森』で かわいい世界、オシャレな世界は これまでにたくさん見てきたと思いますが、 今日はどうでしたか? |
江口 | すごいしゃぶりつくされている感じで、 「ここまでするのか」という 気持ちでいっぱいです(笑)。 |
野上 | ずっと糸井さんやみなさんの日記を見てたんですが、 あれは本当にやってもらっているのか 少し信じられなかったんです。 でも今日、確信しました。 いい刺激になりました。 ありがとうございます。 |
糸井 | こちらこそ、ありがとうございました。 |
(おわり) |
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みっちゃんの部屋、学校なんだよね。 |
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最初木下さんが「黒板いらないからもらってー」って くれたのが始まりだったんですよ。 |
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そうなんだ。 |
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「すごくおっきくて、もううちに置けないから」って 言われたからもらったんです。 でも、半分しかなかった。 |
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半分黒板(笑)。 |
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無理矢理(笑)。 |
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ヒドイ(笑)。 |
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でも、捨てられないし、どうしようと 思っているうちにいろいろと集まりだしちゃって。 |
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すごい集まったよね。 |
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あんまりうれしくて、木下さんと ずっと高飛びばかりやったりとか。 |
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ん? これは「高飛びのバーを飛ぶ」っていう 特別な動きなの? |
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いや、これはふつうに 「ベッドに寝る」動きですね。 おもしろくて何回もやっちゃうんです。 |
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あ、そうか。 この高飛びのマットがベッドと同じ扱いで、 ふつうにベッドに寝るときと 同じ動きでバーを超えているように見せてるのか。 |
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そうですそうです。 |
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こういうところは、 開発チームのセンスのよさを感じるよね。 |
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バリエーションのひとつとして楽しいもんね。 |
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あとは、 「よくぞ写真を撮る機能をつけてくれた」と言いたい。 |
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うんうん、それで写真が苦手な私が どれだけ救われたか。 |
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とみさんはね(笑)。 |
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この機能がなかったらもう ヒドイ有様だったでしょうね。 |
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この撮影の機能って、 投稿型の記事とすごく相性がよかったなぁ。 |
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みんなの写真見るのも楽しみだったからね。 |
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そういうふうにいろいろなことを便利にする一方で、 プレイヤーがジレンマを感じるようなことを あえて残しているようなところもあるよね。 |
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ジレンマですか? |
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たとえば‥‥「まいごちゃん」。 |
一同 | !!!! まいごちゃん、なんとかしてほしい! |
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ほっとけないんですよ。 でも、相手の村が開いてないこと多いし。 |
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ね。 まぁ、そういう部分も含めて いろいろ楽しんだわけですよ。 |
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楽しんだ! |
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すごい楽しんだ! |
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めいっぱい楽しんだ! |
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思う存分楽しんだ! |
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ま、俺はゲーム中では 寝てばかりだったんだけどね。 |
(おわり) |
2009-04-22-WED |
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