設定も仙台っていうのがすごくよかったな。

伊坂さんが仙台の人なんですよね。

だから、結構仙台のお話、多いですね。
一番最初の『オーデュボンの祈り』も
仙台からしばらく行った島っていう
設定だし。

僕、仙台育ちなので、
土地勘があって、
分かっておもしろかったです。

山下さん仙台育ちなんですか。

そうです。

へえ〜。

でも、いわゆる仙台の町の
繁華街的な部分が全く出てないですよね。

最後に駅に送りに行くところとか、
そういうとこだけですね。

ちょいと出ただけだよね。

女子高生がラルフと呼んでる
駅中の伊達政宗像とか（笑）。
情報、古いですか。

（爆笑）

伊達政宗像は駅前にはないですよ。

駅の中にあるんですよ。

中にありました？

中に待ち合わせ像があって、
女子高生がラルフって呼んでるって
聞きました。
ポロ・ラルフローレン（笑）。

すごい（笑）。

‥‥というようなご当地的な
仙台らしさは全くなくて。

ないですね。

言葉の端々に「伊達の牛タン」とか。
そのくらい？

あと、塩釜の本屋さんの店員さんが
「だっちゃ、だっちゃ」っていうでしょう。

言ってましたね。

あれはね、方言なんですね。
ラムちゃん語なんですよね。

（笑）

仙台の郊外ですよね。

地方の大都市の郊外っていう。

そう、そう、そう。
その独特の不気味さがあって。

松島のほうに行く、
都会の真ん中からかなり外れた所。

あの場所でないと成立しない
シチュエーションが
いっぱいありましたね。
東京では、無理でしょう。

「誰もいないようなところ」が
ないですもんね。
あと、ひと気のなさも、
東京の郊外だと、成立しないですね。

さて、そろそろ‥‥

そろそろ？

ネタバレＯＫにしませんか？
みなさんしゃべりにくいでしょう。

しましょう。

賛成です。

そうしてください。

ここから先は、
これから観ようという人は
読まないほうがいいですよ、と。

さんせい！　だったらさ、わたし、
ものすごく言いたいことがある！

待て、待て。

いい？

みなさん、どう？

いいでーす。

はいはいはい！
あのね、資料、
ご用意させていただきましたが。
こちら。

ん？

どなたですか。

こちら、ブータンの皇太子で
いらっしゃいます。

かっこいいですねえ。
アジア系の映画スターみたい。

超イケメン。

イケメンですね。

そして、ブータン人を
画像検索していただくと
おわかりかと思いますが、
ブータン人と日本人は
そもそも、とてもよく似ています。
ですから、‥‥言いますよ。
ネタバレですよ。いいんですか！

いいって言ってるでしょ。
強気な口調なわりに
根本的には弱気ですよね。
どうぞ。

言っちゃうよ〜。しらないよ〜。

早く言いなさいよ。

すぅ〜〜〜（と、深呼吸して）、
瑛太くんのブータン人は完璧です！

それでしたか。
おっしゃりたいこと。

それだったんですね。

だ、だいじょうぶでしょうか、
それを言ってしまって。

あんたも急に弱気になるな。

完璧なのです！
日本語のなまりかたも、
ルックスも、完璧です！

でも、デフォルメしてないですかねえ。
新幹線ではじめて仙台に来たところとか。

新幹線で来た時の瑛太の格好っていうのは、
本当にあっちの方に住んでる人の
センスです。
シャツがインな感じとか、
柄のシャツで襟がでっかい感じとか。
もう完璧。
わたしの中ではね、池内博之を超える名演！

池内さんはなんの映画でしたっけ。

ええとね、映画じゃなくてね、
テレビドラマで
『日本人の証明』っていうの。

それは『人間の証明』ではないでしょうか。

あ、『人間の証明』だ。　

それってジョー山中じゃないの？

ぽかーん。

（小声で）それ、みんなに
わかられてないですよ！

（小声で）お母さん役は、
岡田茉莉子じゃないの？