によどヒノキウォーターができるまで。
午前11時販売開始
「生活のたのしみ展」で大好評だった、
「によどヒノキウォーター」。
日本一の清流と言われる高知・仁淀川の源流域で
自生するお茶やハーブをつかって
和のハーブティーをつくっている
tretreの竹内太郎さんがみつけた、
“和のリネンウォーター”です。
じつはこのアイテム、
仁淀に暮らし、仁淀のひとたちと交流するなかで、
竹内さんが“発見”したもの。
山のヒノキと、山の水。
できあがるまでのいきさつを、
竹内さんにおききしました。
もくじ
後編じっくり2年をかけて。
まずは高知県立大学の協力で、
成分の分析をしました。
大きな化学メーカーで開発をずっと手がけられて、
有名な商品を世に送り出してきた
渡邊浩幸(ワタナベヒロユキ)先生というかたが、
教鞭をとられているんですが、
先生、最初とてもきびしくて、
いきなり、「やめときなよ」でした。
というのも、こういう商品は、
100人単位のチームが1つの製品にかかわって、
商品テストも何百回何千回もやるのだと。
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ただ、渡邊先生がぼくらのお茶を
とても気に入ってくださって、
またぼくらもしつこくお願いした経緯もあって、
「あのお茶をつくってる竹内さんが言うんだから、
1回テストしてみようか」
とおっしゃってくださったんです。
そこで先生の紹介で、検査機関で調べてみたら、
最初から、このヒノキ蒸留水には消臭の力があると、
ガツンといい結果が出たんですね。
化学製品は、嫌なニオイを香りや成分で包み込む
マスキングっていう効果なんです。
でも、時間が経ったら、
臭いがもどる場合もある。
ところがヒノキ蒸留水は、
におい成分を分解するんだという結果が出たんですよ。
それにいちばんよろこんでくださったのは
渡邊先生でした。
でもそこから、先生のおっしゃる
「商品開発はたいへんだよ」という世界に入りました。
たとえばヒノキ蒸留水は、とりはじめて何時間かで
成分が変わっていくことがわかったので、
どの時間のものがベストかを
分光光度計と消臭試験データを
つきあわせながら調べました。
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最初の数時間はオイルの時間で成分がことなり、
また、ある時間を超えると体感的に香りがわるくなる。
なので、
香りと消臭効果の安定している時間でとりましょう、
というようなことを決めていくんです。
さらにその検体を一定時間、煮沸するとか、
37℃で長期間おいておくとか、
加速試験と苛酷試験をやって、
同じ検体をまた光度計にかけていく。
そうして
「あ、これだったら大丈夫だね」
というものができたら、こんどは
たとえば2年経過したあとに力があるか、
香りがどうかっていう体感的な官能試験をする。
想定したのは、都会で真夏40℃以上になる
マンションの部屋でした。
その家に1年間あっても大丈夫と言いたい、
と考えたんですよ。
お買い求めいただいてから1年以内にお使いくださいと。
その前にお客様の購入まで、
1年間ぐらい余裕があったら十分やろうと。
そんな想定の上、テストを重ね、なんだかんだ
製品化までに2年かかりました。
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それから、「によどヒノキウォーター」は
「消臭の力がありますよ」
ということをうたっていますが、
じつは、抗菌力といえるレベルの力もあった。
ただ、耐久試験でブレがでるんですね。
なので抗菌・滅菌・殺菌は言わないことにしています。
たぶんそれを言えるものにするまでには、
まだまだ何年もかかるんじゃないかと思います。
また、将来的には、アウトドアミストも研究中で、
虫除け効果についても体感的にはあるんですが、
きちんと試験結果をとっていきたいと思います。
そのときは、香りのバリエーションもふやしたいですね。
そして、この商品は、よぶんなものを入れていません。
ふつうは安定剤を入れるんです。
でも「によどヒノキウォーター」はケミカルフリー、
エタノールフリーです。
エタノールはアルコールのにおいが鼻につくし、
乳化剤も、自然由来のものがあるけれど、
色が濁ったりする。だから何も入れたくなかった。
そのかわり「よく振って、1年以内にお使いください」
と言うことにしたんです。
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そうして発売にこぎつけたのが2017年の8月でした。
地元、高知県内の料理屋さん、宿泊施設、
介護施設、病院などに採用をしてもらいました。
個人のお客さまは、ペットのいるご家庭、
ちいさなお子さんのいるご家庭が多いという印象ですね。
「生活のたのしみ展」でも販売をさせてもらい、
とても好評をいただいたことで、
ぼくらもずいぶん自信がつきました。
ボトルの素材、デザイン、サイズ、
まだまだいろいろ考えていきたいことはありますし、
いまはまだ、ぼくらが手作業で
ボトルに詰めているようなつくりかたですから、
できる数に限りがありますが、
こうして販売ができること、
ぼくらもほんとうにうれしく思っています。