もくじ
- 01 メイクより大切なもの
- 02 香りが、宝物
- 03 贈り物にしたい贅沢さ
02 香りが、宝物
草場 SELALYのアイテムって、 香りも本当に素敵ですよね。
松井 質のいいハーブを使っているのと、 フィトテラピー(植物療法)第一人者の 森田敦子先生がブレンドしてくださった精油の香りですね。
草場 ほかの化粧品では、 あまり嗅いだことがないような香りだなと感じます。
松井 スパイシーさがありますよね。 森田先生と香りのブレンドについてお話していたときに、 「里加さん、癒しだけの時代は終わったのよ」 と言われたんです。 「えっ? どういうことですか」 と聞いたら、 これからは気持ちがちょっと元気になるような香りが 求められるということだったんですね。
草場 へえ!
松井 例えばクレンジングと洗顔料は、 最初にトップノートのオレンジが出てきて、 そのあと落ち着いたフランキンセンスが香り、 最後にフェンネルが気持ちをキュッと上げてくれるような、 3段階で香るように設計してくださったんです。 こういうブレンドができる方は、 なかなかいらっしゃらないと思いますね。
草場 リフレッシュできる香りですね。
松井 とくに女性は、イライラしやすい時期もありますから、 前向きな気持ちになれるようにしたいですよね。 香りって、嗅ぐだけで脳の奥にある 視床下部と扁桃体まですっと届くみたいですね。
草場 すごい! 香りって、即効性があるんですね。
松井 「化粧品はいろいろ持っているのに、 ついSELALYを手にとってしまう」 ってよく言われるんです。
草場 はい、わかる気がします。
松井 「最近イライラ気味の自分だったけど、 リップを塗り直してさあがんばろう!」 という気持ちにさせてくれるみたいです。 それを、絶対に天然精油100%で作りたい! と思っていたので、 森田先生に実現していただけて 本当にありがたいです。

草場 ちなみに、 クレンジング2つとウォッシングフォームは 香りが一緒なんですね。
松井 はい。 共通して、スウィートオレンジ、イランイラン、 フランキンセンスなど、精油が8種類入っています。
草場 同じ香りのはずなのに、 不思議と違うように感じるんです。
松井 そうなんですよね。 「クリームクレンジング」だと イランイランの甘さが立つし、 「ジェルオイルクレンジング」は ゼラニウムの方が香ったりして、 それぞれ飽きずに使えるのも魅力だなと思います。
草場 「セラムエマルジョン」は また違った香りですけど、 モデルさんやお客さま、 みなさん使われると必ず 「ああーっ(いい香り)!」 ってなるんですよ。
松井 森の中にいるみたいに 癒やされますよね。 香りが、副交感神経を優位にしてくれるからですよ。
草場 乳液でこういう香りって珍しいですよね。 フローラル系や、もっと柑橘が立つ香りは 多いと思うんですけど。 最後にフワーッとくるウッディーな香りに、 いつも心が持って行かれます。
松井 森田先生には、 香りを3つ作っていただいたんですけれど、 その中で一番アーティスティックで個性的なものが、 この「セラムエマルジョン」の香りなんです。 スパイシーさもありますから、 男性でも使っていただけると思います。
草場 ウッディーな香りのバランスって、 すこし難しいところがありますよね。
松井 そうそう、強すぎると酔ってしまいますしね。
草場 でもこれは絶妙なバランスで、 「ああ、いい香り」だけでは流せないんですよね。 クセになるような、奥行きを感じます。
松井 少し土っぽさを感じるような、 独創的な香りですよね。 森田先生がブレンドしてくださった香りは、 私にとって本当に宝物です。

草場 SELALYのアイテムの香りには、 精油だけではなくて、 成分も影響しているのかなと思うんです。 ハーブとか、素敵なものがたくさん入っていますよね。
松井 そうなんですよ。 私、奈良県出身なんですけど、 親しい友人にスキンケアアイテムを作ることを伝えたら、 「奈良にはいい素材があるんだから、 入れたらいいじゃない」 と言われてたんです。 そう言われてみればそうだわと思って、 奈良産の柿の葉やよもぎを取り入れようと思ったんですね。 それで作ってくださる会社を探しはじめて、 以前仕事で関わったことのある、福岡県糸島の、 クリーンな処方をしてくださるところに決めました。
草場 糸島は、たしか「ウォッシングフォーム」に入っている 海塩が採れるところですか?
松井 そうです、そうです。 その会社とやりとりを始めたんですけど、 開発部長の方が、 いい意味で、ものすごく成分オタクだったんですね。
草場 へえー!
松井 「奈良県産の成分を入れたいんです」 とお話したら、 「松井さん、奈良出身なら、自分で採っておいでよ」 って言われて。
草場 えっ、どういうことですか?
松井 って、私も思ったんですよね。 でも、スキンケアの製造ってそういうものなのかしら とか思って、 「じゃあ、やってみます」 なんて答えてしまって。
草場 えー! 松井さんまで(笑)。
松井 そんなこと言われると思ってなかったですけど、 「こっちは作る方やるから、 松井さん、採ってきてね!」 って言われてちゃって、 作ってくれるならやるしかないかと。 柿の葉と大和茶は実家にあったなぁとか、 吉野くずもいいかも、なんて思いながら、 いろいろ調べはじめたんです。 そうしたら、 推古天皇の時代からある、 「大和当帰」という日本最古の薬草が、 奈良にあるということがわかったんです。
草場 そんなすごい薬草だったんですか。
松井 私も、奈良に住んでいるのに、 そんなこと全く知らなかったんですよね。 だからまず、 大和当帰がどんなものなのか実際に見たいと思って インターネットで調べたら、 大和当帰を干している奈良のカフェの写真を見つけて、 さっそくそこへ電話したんです。 「大和当帰を干してらっしゃるのを見たんですけど、 東京から見学に行っていいですか?」 って伺ったら、 社長をされているという方に聞いてくださって、 なんとかご了承いただけたんです。
草場 ああ、よかったですね。
松井 それで奈良へ伺ったんですけど、 場所は、お電話したカフェではなくて、 車で山の奥の方へずうっと行ったところにある 「山口農園」というオーガニック農園で、 ビニールハウスが180棟ある広大な場所でした。 事務所のある棟へ入ると、 「大和当帰」「柿の葉」「よもぎ」と書いてある 大きなビニール袋が山積みなんです。 会長をされている山口さんという方が出てきてくださって お話ができたんですけど、 そこは息子たちに任せている有機農園で、 自分の方は薬草やハーブの研究をしていて、 専用の機械で抽出したり、入浴剤やハーブ塩など、 いろいろ作ってらっしゃると。 聞けば、日本で7番目に有機JASの認証を取得されて 農薬を使わない「有機農法」を確立して、 それを広めるための学校も運営している、 天皇陛下からも受章されるような すごい方だったんですよ。
草場 最初からすごい方に出会われたんですね!
松井 本当に。 その方が作られた 大和当帰の入浴剤をお土産にくださって、 実家に帰ってさっそくお風呂に入れてみたんですね。 そうしたら、肌はすごくしっとりするし、 身体はホカホカして全然湯冷めないので、 「これは本物だよね」って母と一緒に感動して、 絶対にお願いしたいと思って、 猛烈にアタックしたんです。
草場 松井さんのヒキの強さもすごいです。
松井 それで、工場の開発部長さんに、 「こんな方に会って、 ハーブが手に入りましたよ!」 と言ったら、驚きながらよろこんでくださって。 それで無事、 奈良の大和当帰、よもぎ、甘茶、柿の葉を、 SELALYのすべてのアイテムに 入れていただけることになったんです。
草場 松井さんの情熱とバイタリティには、 もう、驚くしかないです。
