「按田餃子」按田優子さんのたのもしい麻婆豆腐とマジカル大豆ごはん 「按田餃子」按田優子さんのたのもしい麻婆豆腐とマジカル大豆ごはん
料理の仕事をしている人が
お腹がすいたときにつくっている
日常のごはんを教えてもらいに行きました。

第1回は代々木上原の「按田餃子」の店主、
按田優子さん。
按田さんには、生姜やスパイス入りの
肉みそをつかったあっさりした麻婆豆腐と、
大豆のごはんを教えてもらいます。
按田さんらしいおおらかで
たのもしいごはんです。
ほぼ日の學校へ
2)スパイスをすりつぶして
──
大豆ごはんを炊いている間に
次はお肉の準備を。
按田
はい、肉みそをつくりましょう。
今日は、豚ひき肉1パック分。
量は350とか400gぐらいです。
これを全部、肉みそにして保存しようと思います。



まずはにんにくと生姜を2かけくらい。
適当でいいです。
これをすり鉢にいれて細かくしていきます。
ここに、ちょっと残った
香味野菜を入れちゃってもいいです。
残っちゃったネギとかコリアンダーの根っことか。
写真
──
よくセロリが余っちゃうんですけど、
入れていい?
按田
入れちゃっていいです。
写真
──
大きなすりこぎですね。
すりこぎでつぶす感じですか。
按田
はい、野菜の繊維が壊れるように
つぶします。
あとでつぶしていくので、
このぐらいでひとまずはいいかなと思います。
写真
──
粗くてもOKなんですね。
按田
そうです。次はスパイスを入れます。
まずブラックペッパーですね。
すり鉢に入れたら、突く。
すり鉢はゴマをするように使うイメージがあるんだけど、
大きいものはまず突く。



スパイスが水分でふやけたときの香りって
すごくいいですよね。
こうやって突いて、形が丸じゃなくなったら
すりつぶせます。
写真
──
いい香りです。
按田
次は、コリアンダーシードです。
これを粒で持ってる人は少ないかもしれないんですけど。
これからコリアンダーを買おうという人は
ぜひ粒のものを用意してほしいと思います。
これは、ちょっとさわやかな香りになる。
写真
──
スパイスは1種類ずつ入れていくといい?
按田
一緒にガーッと入れても大丈夫です。
でも、もし使ったことのないスパイスがあったら、
1種類ずつ、やるとおもしろいですよ。
つぶれ方や香りが違うので。
ブラックペッパーは硬い。
コリアンダーシードは
おんなじぐらいのサイズなんだけど、
中が空洞っぽいので砕きやすい。
そういう発見もあるんです。
──
ひとつひとつのスパイスの特徴がわかりますね。
按田
はい。次はフェンネルシード。
インド料理屋さんでよくレジ横に置いてある、
口直しするときのものです。
これは、するような感じで大丈夫です。
清涼感を出すために
コリアンダーシードとフェンネルシードを入れてます。
写真
按田
そしてシナモン。
シナモンとお肉はすごく相性がいい。
肉々しさを倍増させるっていうか、
お肉に気合が入るみたいな感じの雰囲気になるんです。
按田餃子の麻婆豆腐に
「八角の香りですか」と聞かれることあるんですけど、
お店ではほぼ八角は使ってなくって、
みんなが八角だと思っているのはシナモンです。
写真
──
へぇ〜シナモンといえばお菓子に使うイメージでした。
按田
そう、甘いものに使うようなイメージがあるんですけど、
シナモンはお肉にも合うんです。



そして花椒(ホアジャオ)を入れたいと思います。
しびれる感じのスパイスですね。
これはお好みの量で。
たまに、花椒の中に
黒い丸が入ってるんですけどそれは取り除きます。
食感がジャリジャリしてよくないので。
この花椒は、頑張ってつぶさなくてもいいので
最後に入れました。
写真
按田
つぎは粉の唐辛子。
いわゆるキムチ用の唐辛子で、
辛くないものを入れてます。
辛さをつけるよりは
ピーマンやパプリカの旨みを入れるイメージです。
写真
──
按田さんは辛いものは好きなんですか。
按田
好きです。しびれる系も好きです。
でもね、油があんまり得意じゃない。
辛いしびれる系って、油が多いものがありますよね。
それはちょっと苦手なんです。
だからこうやって自分で肉みそをつくって、
本格的な麻婆豆腐っていうより、
自分が好きな味の麻婆豆腐をつくってます。
この味つけ、私は大好きです。



そして豆豉(トウチ)も入れちゃいます。
包丁で少し刻んで入れてもいいし、
すり鉢でグリッグリッと砕いてもいいです。
写真
──
粗めでOKですか。
按田
粗めでOK。
豆豉はアクセントだから。
チョコチップクッキーのチョコチップみたいな感じで、
豆豉もくずし過ぎないようにしてます。



ここで、醤油と砂糖も入れます。
砂糖は好みで。
ちょっと入れたほうがまろやかになります。
──
すり鉢の中を見せていただいていいですか。
按田
こういう感じですね。
写真
──
ほおー。おいしそう。
按田
この中にね、ココナッツファインとか、
かつお節とか入れたりしてもおいしそうですね。
ほぼ日の「カレーの恩返し」を入れても
おいしそうです(笑)。
──
ココナッツもかつお節も
「カレーの恩返し」も合うなんて、
和食からインド料理の味まで、懐が深い。
按田
このタレの状態でも十分おいしいので、
この状態で取っておくのも手です。
お魚に使ってもいいですね。
──
お魚に、とはどういう使い方するんですか。
按田
たとえばサバの味噌煮を
ちょっとだけ辛くしたいと思ったときに入れたり。
あと、蒸し魚にのせてもいいです。
──
へぇ〜おいしそうです。
この状態でちょっと味見したいです。
按田
ぜひ。辛いかもしれないけど。
──
いい香り。
(味見して)辛いけど、さわやかでおいしい。
フェンネルがさわやかですね。
按田
ここにお肉を入れていきたいと思います。
お肉は脂多めのほうがコクが出て、
脂の甘さみたいなものも出てきます。
写真
──
すり鉢の中に入れるとは。
すり鉢の中で完結してますね。
按田
そう、すり鉢ひとつで済みます。
──
スパイスはホールではなくて
パウダーでもいいですか?
按田
お家にパウダーのスパイスがあるなら
それを使ってもぜんぜん大丈夫。
これからスパイスを買おうと思ってる人は、
粒で買ったほうがいいと思う。
香りが揮発しないから、日持ちするし。
パウダーのスパイスを一瓶使い切るのに
けっこう時間かかるじゃないですか。
そういう人こそ、
粒のスパイスを買ったほうがいいと思っていて。



すり鉢があれば、手軽に好きな分だけ砕けるし、
念入りにすれば、パウダーみたいにもなる。
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──
うちにも残ってるパウダースパイスは
いくつかあります。
按田
この肉みそをつくって、
スパイスの在庫整理をするのがいいと思います。
もともと、お店が年末年始にお休みするから
冷蔵庫のものを片付けようとなったときに、
一切合切のスパイスを入れてつくったのが、
按田餃子の調味料の始まりなんです。
──
在庫一掃から誕生したとは!
按田
よし、全体がよく混ざったので、
これで肉みそは完成です。
容器に入れて冷蔵庫で保存します。
なるたけ素手で触らず空気に触れさせなければ、
1週間ぐらいはもつかなと思います。
写真



写真
按田
もしくは
袋に入れて平べったくして冷凍するのもいいし、
一食分ずつ冷凍して、
好きなときに解凍して使うのもいいかなと思います。
──
火を通す前の状態で保存したほうがいいですか。
按田
風味という意味ではそうですね。
でも炒めた味が好きなら
炒めてから保存していてもいいかも。
火を通さずとも、火を通してもどっちでもいいかな。
──
そうだ。ごはんのこと、忘れてました。
按田
(笑)。
(土鍋のゆげの匂いをかいで)
そろそろできあがりそう!
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──
この後、麻婆豆腐に仕上げていきましょう!
すりこぎとすり鉢
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このすりこぎは、
輪島の朝市でおばあさんが売っていたもので、
山椒の木でできています。
すり鉢は近所のリサイクルショップで。
ちっちゃいのも持ってるし、もっと大きいのも持ってる。
すり鉢は万能。
フードプロセッサーみたいな砕く役割を持ちつつ、
ボウルみたいにも使えるので、
和えるっていう器としても使えます。
器として使えば、洗いものも少なくて済むんです。
肉みそ(つくりやすい量)
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材料


豚ひき肉 350~400g

にんにく 2かけ

生姜 2かけ

ブラックペッパー 小さじ2

コリアンダーシード 小さじ2

フェンネルシード 小さじ2

シナモンパウダー 小さじ1

花椒 小さじ2

キムチ用粉唐辛子 大さじ1~2

豆豉 大さじ1

醤油 60cc

砂糖 大さじ1
※スパイスはホールを使っていますが、パウダーでもOK。




作り方


【1】

にんにくと生姜を包丁でつぶして、すり鉢などでさらにすりつぶす。(フードプロセッサーを使ってもOK)

【2】

ブラックペッパー、コリアンダーシード、フェンネルシード、シナモン、花椒、キムチ用粉唐辛子、豆豉を加えて、よくすりつぶす。

【3】

醤油、砂糖を加えて混ぜ、ひき肉を加えてまんべんなく混ぜる。



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ブロッコリースプラウトと千切りのりんごなどと
一緒に炒めた肉みそでバゲットサンドにしてもおいしい。






辛くない肉みそも教えてもらいました
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材料


豚、牛、または合い挽き肉 350~400g

塩 小さじ2

にんにく 2かけ

シナモンパウダー 小さじ1/2

ブラックペッパー 小さじ2

クミンシード 小さじ2



作り方


【1】

にんにくを包丁でつぶし、すり鉢などでさらにつぶす。

【2】

スパイス類をすり鉢に加えて、よくすりつぶす。

【3】

塩を加えて混ぜ、さらにひき肉を加えてまんべんなく混ぜる。



こんなふうに食べよう


◎豆と一緒にスープにすると、チリコンカルネ風に。

(ばらばらにしてもよいし、肉団子みたいにしてもよい。また、モツなども一緒に入れて作るのもおいしい)
◎さやいんげんやピーマンなどとターメリックを入れて炒めたり、サンドイッチの具にしても。
写真
さやいんげんと肉みその炒めもの
(明日につづきます)
2026-04-21-TUE
生活のたのしみ展で
「麻婆の素」をご紹介します
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この取材をきっかけに
「按田優子さんに教えてもらった調味料を
販売したい!」となり、
按田さんに相談してみたところ‥‥。
なんと、6月の「生活のたのしみ展」にて
「麻婆の素」として
ご紹介することになりました。



詳細は生活のたのしみ展ページで、
5月以降順次お伝えしていきます。
気になった方はお知らせをご覧ください。