料理の仕事をしている人が
お腹がすいたときにつくっている
日常のごはんを教えてもらいに行きました。
第1回は代々木上原の「按田餃子」の店主、
按田優子さん。
按田さんには、生姜やスパイス入りの
肉みそをつかったあっさりした麻婆豆腐と、
大豆のごはんを教えてもらいます。
按田さんらしいおおらかで
たのもしいごはんです。
按田優子さんプロフィール
──
今日は、
按田優子さんのおうちにお邪魔しています。
按田餃子のお店の雰囲気とちょっと似ている気がします。
畑や木々に囲まれてどこか懐かしさを感じる
味わいのある家ですね。
按田
相当古いお家です。
たぶん築70年以上だと思うんですけど。
──
今日は按田さんが
自宅でよくつくってるお料理の麻婆豆腐を
教えてもらいにきました。
お店にも麻婆豆腐のメニューがありますよね。
違いはどんなところですか?
按田
おおまかなつくり方はだいたい同じなんですけど、
お店のほうが
スパイスをもうちょっと複雑に組み合わせてるかな。
この麻婆豆腐の大きなポイントはひき肉に
あらかじめスパイスや調味料を入れてしまって、
多めにつくっておくこと。
そして一食分ずつ、
好きなだけ麻婆豆腐などに使えるんです。
──
半つくりおきというか。
半分ぐらい調理しておいて冷蔵庫に入れておく。
按田
そうです。
ひき肉って余ること、ありませんか?
使い切るには多いけど、
残しておくには中途半端でどうしようみたいなとき、
ありますよね。
味つけしておけば、保存もきくし、
いろんな料理に展開しやすいんです。
──
そのアイデア、いいですね。
按田
そう、便利です。
──
味付けしたお肉は麻婆豆腐のほかに
どんな料理に?
按田
たとえば麺類。
肉を炒めて、麺の上に載せて和え麺にしたり。
野菜炒めに入れたり。
サンドイッチにしたりもしますね。
あと、汁ものにも。
お肉自体を出汁にしちゃって、ゴマを入れて、
辛めのスープをつくったりします。
──
どれもおいしそう!
そして今日は麻婆豆腐と一緒に食べる
大豆ごはんのつくり方も教えていただけるんですよね。
按田
はい。
お店では麻婆豆腐にハトムギごはんを合わせているけど、
今日は大豆ごはんにします。
お豆は家でよく使う食材で、
水煮よりも乾物の状態で少しずつ使うのが、
保存性もあるし、いいんです。
今回は煎ってごはんに入れます。
──
煎って?
按田
そうです。
豆類もいろんな下処理の仕方があって。
水につけてふやかす下処理の他に、
煎るという下処理もあるんです。
そうすると、
白米と一緒に炊けてしまうんですよ。
──
煎るだけで
硬い大豆が食べられるようになるんですか?
按田
そうです。
大豆を煎らずにそのまま炊くと
お米が炊ける時間内では火は通らないんですけど、
煎ってから炊くと、
ふっくらおいしい大豆ごはんになるんです。
──
不思議! 魔法みたいですね。
按田
魔法みたいですよ(笑)。
──
では、大豆ごはんのつくり方を教えてください。
按田
はい。
わたしは小さな土鍋で炊いてますが、
炊飯器でもつくれます。
まずはお米をザルでサッと洗って、
ちょっと置いておく。
按田
大豆はだいたいお米2合に対して大さじ3杯ぐらい。
量はお好みなんですけど。
これもサッと洗って炒ります。
ちなみに節分の煎り豆でもできます。
煎ってあるから、
炊くときに一緒に入れるだけで、
大豆らしい甘さのあるおいしい大豆ごはんになります。
節分でちょっとだけ残った煎り豆があったりしますよね?
ああいうのは、
ポンと入れて炊いちゃえば大丈夫です。
──
簡単ですね!
今日は大豆を煎るところから。
煎る時間の目安はありますか?
按田
10分くらいかな。
火は、弱火です。
豆の中の水分が膨張して、
パンって薄皮が裂けるときがあるんです。
なんとなく全体的に裂けてきたなと思ったら、
炊ける準備があらかたできた証拠。
大豆を洗ったとき一瞬水につけたから、
皮がシワシワしてたんですけど、
いまはパーンと張ってきました。
フライパンでやるときは熱伝導が良いので
焦げないように注意してください。
陶器の焙烙(ほうろく)を使うと火を弱めれば
全体的にゆっくり火が通るので、
あっという間に焦げることは少ないです。
──
普段の食事に豆類はよく使いますか?
按田
よく使います。
私はじゃがいもの皮をむいて切ったりするのが
面倒に感じるんです。
それだったら豆のほうが切らなくていいし、
煮込み料理にもサラダにも、ごはんにも入れられる。
──
乾物もよく使いますか?
按田
よく使いますね。
好きな分だけふやかせるし。
生のものを買ってきて冷蔵庫に入れるより、
乾物を好きなだけ切り崩すほうが、自分には合ってて。
──
どんな乾物が使いやすいですか?
按田
海藻かなー。
葉物野菜とかいろんな野菜を揃えるんだったら、
私はひじき、昆布、わかめをふやかして食べてる。
大家族だと、けっこう使い切るんですよね。
少人数だとなかなか葉物野菜が使い切れないから、
海藻でカバーするっていう作戦。
なので、ひじきとかわかめとか。
あと、旅先でアラメとか見つかると買ってきたり。
あ、大豆の皮がだいたい全体的に割れてきまして。
一部色もついてきました。
もうお米と一緒に炊けます。
──
豆のいい香り。
按田
いい香りです。
炊くときはいつもの水加減に、
大豆の分の水を足したくらい。
炒ったときにだいたい火が通ってるので、
水加減はそんなに気にしなくて大丈夫。
これで、炊いていきたいと思います。
土鍋のごはんの炊き方もいろいろあるけど、
私はね、最初っからずっとやや弱火のまま。
たまに開けたりして、
水加減調節して、最後のほうでもういいかもと思ったら、
ぱーっと火を強めて水分を飛ばして蒸らす。
──
だいたい何分くらいですか?
按田
20分ぐらいですかね。
焙烙(ほうろく)
ゴマを煎ったり、
お盆のときにおがらを焚いたりする調理器具です。
陶器でできていて、取っ手がついているタイプと、
ついていないタイプがあります。
私は取っ手がないほうが使いやすい。
鍋物にしたり卵とじをつくるのにも使えます。
大豆ごはん(2合分)
材料
米 2合
大豆 大さじ3
水 2合分+90cc
作り方
【1】
お米を軽く洗ってザルにおいておく。
【2】
大豆を軽く洗って、弱火で煎る。
【3】
表面の薄皮が割れてきて、少し色づいてきたら(およそ10分)火を止める。
【4】
炊飯の内釜に1と分量の水、3を表面に散らすようにのせて、白米を炊くときと同じように炊く。
(明日につづきます)
2026-04-20-MON
生活のたのしみ展で
「麻婆の素」をご紹介します
この取材をきっかけに
「按田優子さんに教えてもらった調味料を
販売したい!」となり、
按田さんに相談してみたところ‥‥。
なんと、6月の「生活のたのしみ展」にて
「麻婆の素」として
ご紹介することになりました。
詳細は生活のたのしみ展ページで、
5月以降順次お伝えしていきます。
気になった方はお知らせをご覧ください。
(C) HOBONICHI