| 糸井 | 
														みうらも、スライドショーで、 
																「笑いが来るな」って 
																わかってるとき、あるでしょ。 
														 | 
													
													
														| みうら | 
														ありますね。 
														 | 
													
													
														  | 
													
													
														| 糸井 | 
														それが、自分が思ってた以上に 
																よかったりするタイミングのとき、ある? 
														 | 
													
													
														| みうら | 
														あります。それはやっぱり、 
																お客さんの気持ちになってるんですよね。 
														 | 
													
													
														| 糸井 | 
														それを無限に小さくしてると、 
																自分ひとりになるんだと思うんですよ。 
																つまり、鼻歌を歌ってても、 
																「よかったな」と思うようになる。 
														 | 
													
													
														| みうら | 
														自分でね。 
														 | 
													
													
														| 都築 | 
														ははは。 
														 | 
													
													
														| 田島 | 
														そうなるといつか、 
																永ちゃんや長嶋さんや 
																イチローみたいになれますね。 
														 | 
													
													
														  | 
													
													
														| 糸井 | 
														そう。 
																それは決してナルシズムじゃなくて、 
																客の設定が頭にある状態だと思うんです。 
																ときどき取材中に 
																苦しまぎれに出た言葉を 
																「それはいい」と思いながら 
																発言することがありませんか。 
														 | 
													
													
														| 都築 | 
														こっそりね(笑)。 
																これいいな、と思ってる。 
														 | 
													
													
														| 糸井 | 
														そばに友だちがいたりすると 
																「いまのよかったね」って、 
																永ちゃんになっちゃうときが。 
														 | 
													
													
														| 一同 | 
														(笑) 
														 | 
													
													
														| みうら | 
														「いまのイトイよかったよね」 
														 | 
													
													
														| 一同 | 
														(笑) 
														 | 
													
													
														  | 
													
													
														| 糸井 | 
														そうそう。 
																あれはつまり、自我じゃないから 
																言えると思うんだ。 
																自我じゃ、あんなに説得できない。 
														 | 
													
													
														| 都築 | 
														そうだ。 
																それは、自我じゃないですね。 
														 | 
													
													
														| 糸井 | 
														右の手のひらと左の手のひら、 
																叩いてどっちの音がしたか、 
																みたいな話でさ、 
																自分も含めたお客がいる場で 
																自分が置いて行った 
																ポンという音は、 
																誰のものでもない。 
														 | 
													
													
														| みうら | 
														‥‥‥糸井さんって 
																前から、たとえの人ですね。 
														 | 
													
													
														| 糸井 | 
														そうなのよ。 
														 | 
													
													
														  | 
													
													
														| 一同 | 
														(笑) 
														 | 
													
													
														| みうら | 
														たとえ‥‥すなわち 
																エグザンプル・マンなんです。 
																うまいこと言うんですよ。 
														 | 
													
													
														| 一同 | 
														(笑) 
														 | 
													
													
														| 都築 | 
														いま、それが出ましたね。 
														 | 
													
													
														| 糸井 | 
														昔、高平(哲郎)さんに、嫌がられたんだ。 
																「またそろそろたとえるんじゃないかな」 
																と思ったら、 
																「たとえた」 
														 | 
													
													
														  | 
													
													
														| 一同 | 
														(笑) 
														 | 
													
													
														| みうら | 
														糸井さんのたとえは 
																すごいんですよ。 
														 | 
													
													
														| 糸井 | 
														でもね、 
																イエス・キリストが生きてた時代は、 
																たとえができるだけで 
																信仰心厚いってことに 
																なったらしいですよ。 
														 | 
													
													
														| みうら | 
														わかります。 
																センスって 
																たとえだと思います。 
														 | 
													
													
														| 糸井 | 
														橋本治さんは、 
																「文学のすべてはたとえだ」 
																とおっしゃっていました。 
																俺はね、文学にしてないだけで。 
														 | 
													
													
														| みうら | 
														しかもね、糸井さんは 
																たとえのものを 
																むちゃくちゃなところから 
																持ってくるんですよ。 
																だから、なんだか説得されちゃいます。 
																俺がいつも、糸井さんと話して 
																家帰って思い出すのは、 
																たとえのことなんですよ。 
														 | 
													
													
														  | 
													
													
														| 一同 | 
														(笑) 
														 | 
													
													
														| 糸井 | 
														歌詞でも詩でも、 
																書いてて褒められるのって、 
																結局たとえでしょ。 
														 | 
													
													
														| みうら | 
														たとえですよね。 
																詩はたとえですよ。 
														 | 
													
													
														| 糸井 | 
														ぼくは、前川清さんに 
																「雪列車」という歌詞を書きましたが、 
																「無邪気色の」という表現が出てきます。 
																それはどんな色ですか、って 
																いろんな人に訊かれるんですけどもね。 
														 | 
													
													
														| 都築 | 
														ははは。 
														 | 
													
													
														| 糸井 | 
														それがたとえじゃないですか。 
														 | 
													
													
														| みうら | 
														そうですね。 
														 | 
													
													
														| 糸井 | 
														「無邪気な人たちの選ぶような色」 
																ということであって、 
																そのときによって、青でも赤でも 
																いいんだよ。 
														 | 
													
													
														| 田島 | 
														たとえに、いちばんその人が出ると思います。 
														 | 
													
													
														| みうら | 
														出ると思う。 
																なんでも戦国武将にする人、 
																いるじゃないですか。 
														 | 
													
													
														| 糸井 | 
														ああ、いるいる。 
														 | 
													
													
														| みうら | 
														豊臣秀吉でいえば、つまりあのときだ、とかね? 
														 | 
													
													
														| 田島 | 
														いる、いる。 
														 | 
													
													
														  | 
													
													
														| みうら | 
														あと、野球もいる。 
																野球でいえば、ツーアウトだ、とか。 
														 | 
													
													
														| 糸井 | 
														それは俺もやる。 
																でも、この俺のたとえぐせは、 
																もう、一生このままですよ。 
														 | 
													
													
														| みうら | 
														たとえ商売ですよ。 
																糸井さんはすごいよ。 
														 | 
													
													
														| 糸井 | 
														だって、見てください、 
																マイクだって、この形そのものが。 
														 | 
													
													
														| みうら | 
														まぁ、たとえですよね。 
																ヒント出てますもんね。 
														 | 
													
													
														| 糸井 | 
														持って歌う道具を作る、 
																そういうときに、どうやったってよかったでしょ? 
														 | 
													
													
														| みうら | 
														そうですよ。 
																スッとしてもよかった。 
																三角でもよかった。 
														 | 
													
													
														| 糸井 | 
														漫才のときに使う 
																四角いマイクもありました。 
																だけど、どうしてもここにいくのは。 
														 | 
													
													
														  | 
													
													
														| みうら | 
														たとえですよね。 
														 | 
													
													
														| 一同 | 
														(笑) 
														 | 
													
													
														| 田島 | 
														たとえなんですか(笑)。 
														 | 
													
													
														| みうら | 
														比喩ですよね。 
														 | 
													
													
														| 糸井 | 
														だと思うよ。 
														 | 
													
													
														| みうら | 
														そこに近いほうが 
																ぐっとくるってことですかね? 
														 | 
													
													
														  | 
													
													
														| 糸井 | 
														カラオケマイクで、 
																平坦なものがあったらヤですよ。 
														 | 
													
													
														| みうら | 
														そうですよ。 
																そうじゃなきゃ流行らないですよ。 
														 | 
													
													
														| 糸井 | 
														「そんな四角四面な」 
																って言われちゃう。 
														 | 
													
													
														| 一同 | 
														(笑) 
															 
																(つづきます) |