糸井重里
・「正しいかたち」というものが、あります。
神社に参拝するときの、「二礼二拍手一拝」でしたっけ。
どこで、どう二礼やら一拝やらするのだったか、
いまでもちゃんと憶えていません。
それは、お葬式のときの「お焼香」についても同じで。
どっち向いてだれにお辞儀して、どうすればいいのか。
何度もやってきたことなのですが、わかってません。
どういうのが「正しいかたち」なのか、忘れてます。
だれに叱られるわけでもないでしょうが、
人並みに「正しいかたち」でやりたいとは願っています。
でも、それをやれる自信がまったくないのです、いつも。
お詣りにしても、お焼香にしても、
祀られている神さまだとか仏さまだとか、
亡くなった方への敬意が大事なのだとは思います。
しかし「正しいかたち」が決まっている場面になると、
もうぼくの心はここにあらずになってしまうのです。
こういうの、このまま治ることもなく生き続けそうです。
じぶんの葬式でも、なんかやらかしそうな気もします。
「正しいかたち」に近づけて生きようとすると、
「皆さまはどうしてるか?」をうかがうことになります。
「一般的にはどうなのか?」「相場はどのくらいか?」
「恥ずかしくないやり方は?」みたいなことを調べて、
それに合わせてじぶんを動かしていきますから、
意思も自信も判断もなくなってるんですよね。
いま、世の中の人たちを見ていると、
「正しいかたち」を軸にしてモノゴトを進めている人が、
ものすごく多いんですよねー。
そうなると「まちがいのないやり方」が最善になっちゃう。
そして、ま、みんなが「二礼二拍手一拝」みたいなことで、
なんとなく「できてます」みたいなことになりますよね。
ほんとはなにが大事なんだっけを、取り戻しましょうよね。
冠婚葬祭でじぶんを失ってるぼくと同じは、ダメです。
◆では質問no.027「あなたらしくいられる時間は?」。
どんなときかな、どんな場面かな?想像してみましょう。
よかったら、メールに書いて送ってくださいな。
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
ぼくの「段取り」や「正しいかたち」への怖れはひどいです。
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