糸井重里
・このところ、つくづく「丈夫」でいることが大事だと思う。
宮沢賢治の『雨ニモマケズ』のなかにも、
「丈夫ナカラダヲモチ」という一節がある。
この詩のなかには、宮沢賢治という人の
理想の人間像が入っているのだろうが、
「丈夫」もその大きな要素だったんだ。
「丈夫」というのは「強い」とは、またちがう。
「強い」わけじゃなくて「丈夫」ということはある。
壊れにくいとか、病気になりにくいとか、そういうことか。
攻撃と防御でいえば、後者のほうの力だろうな。
「ダメになっちゃわない」ってことだよね。
一見、そんなのたいしたことなさそうなんだけど、
強くたって「もろい」「壊れる」ことはいくらでもある。
それよりも、弱いのに「ダメになっちゃわない」って、
いま、そういうのがいいなぁと思うんだよね。
『雨ニモマケズ』の「みんなニデクノボーと呼ばれ、
ホメられもせず苦にもされず」生きている「その人」は、
やっぱり「丈夫」だっていう設定になっているのが、
なんとも、大事なことなんだろうなぁと思うのだ。
「丈夫」って、もともとどういうことばだったんだろう?
いまごろになって気になって、調べたくなった。
だって「丈」って長さの単位で、
「夫」は、夫(おっと)だし「成人男子」の意味だ。
それがくっつくと、つまり、あ、そうか。
背丈(身長)のある夫(成人男子)だ。
立派な一人前の男、ということのようだ。
だから、そういう男が持っている資質が「丈夫」なのか。
わかったようなわからないような気もするけど、
ま、いっか。
で、特に立派な男が「大丈夫」なんだね。
だから、「大丈夫」は「大丈夫」という意味になるのか。
これも、ま、いっかだなぁ。
なまじ調べはじめたら、ニュアンスが飛んじゃった。
でも、もともと言いたかったのは、
「丈夫」が大事と、いまさら、ぼくも思ってるということ。
「丈夫」でいるうちは、「大丈夫」でいられそうだし。
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
なんとか「丈夫」でいたら、次のなにかにも備えられるよね。
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