糸井重里
・「みなさまのおかげです」という言い方は、よくある。
バラエティ番組のタイトルにもなっていたし、
よくある慣用句としても聞いたり読んだりするけれど、
ほんとうにそう思って語られている場合もよくある。
いや、思えば、ぼく自身は本気で言ってるつもりだ。
ほんとうに、心から「みなさんのおかげです」なのだ。
どんな人でも、「みなさんのおかげ」でしか生きられない。
ぼくなんかも、若いときには、
「じぶんでやった」つもり、が多かった。
その若気も認めてやらないわけでもないが、
同時に「そういうことではないんだよ」と、
昔のじぶんに説教してやりたいところはある。
「みなさんのおかげ」がたくさんあったし、
「みなさんにご迷惑」もいっぱいかけていたはずだ。
これ、道徳のお話ではなく、ひとつの「道理」なのである。
わかりやすい例でいえばね、プロ野球の監督は、
打席に立ったとしても相手の投手の球を打てない。
どの選手よりも打てないし、投げても守っても
試合に出場できないくらいダメダメだと思うよ。
どんな人でも、じぶんでできることは少ししかない。
その少し以外のすべては、「みなさんのおかげ」なのだ。
だいたい、ほれ、おぎゃーと生まれたときから、
赤ん坊は「みなさんのおかげ」だけで生きのびている。
トイレの水も下水の工事ができているから流せるし、
じぶんの命が尽きた後も火葬場で焼いてもらえるし、
ああきりがないけど、なんでもかんでもぜんぶだ!
いよいよ明日、月曜から一週間「生活のたのしみ展」だが、
精一杯にはたらいているぼくらの仲間の背景には、
家族や関係者たちがたくさんいる。
おとうさんやおかあさんががんばっている間、
子どもたちは待っていてくれるし、妻や夫が支えてくれる。
そういう「みんなのおかげ」があって、汗水も流せるのだ。
ありがたいことだ、と心から思うんだよなぁ。
さぁて準備の最終日「安全第一・おもしろ第二」で行くぞ!
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
じぶんにできないことだらけ、が見えてからが本番なのだ。
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