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ほぼ日手帳

糸井重里

・夢中になれるって、もう、そりゃぁすばらしいことです。
 いま、なにかに夢中になれている人は、
 じぶんのその時間が宝物です、絶対に大事にしてください。
 いやぁ、それよりもっとすごいのは、
 夢中になってるとか、なってないとか、
 考えてもいないということかもしれない。
 子どもたちが遊びに夢中になっているときって、
 遊びと一体化しているっていう感じですよね。
 「もう、そのへんにしておきなさい」と言われても、
 親の言うことなんか聞きやしない。

 音楽に夢中でも、マンガに夢中でも、
 ゲームに夢中でも、スポーツに夢中でも、
 ほんとはなんでもいいんだとも思うんですよ。

 ぼくは、本を読みはじめたらおもしろくなって、
 こっそり深夜まで読み続けてしまった日のことを、
 いままでずうっと忘れていません。
 北杜夫『どくとるマンボウ昆虫記』でした。
 小学生が深夜まで起きているというのは、
 健康によくないと思いますし、
 そんなクセがついてしまったら大変です。
 本は、続きを翌日に読めるのですから、
 いったん栞を挟んで眠るべきなんですよね。
 そして、大人の保護者はそれを教えるのが正しいです。
 ただ、あのときのあの感覚は、やっぱりぼくの財産です。
 時計の短針がいつもとちがうところまで進んでいて、
 寝床のなかにいるんだけど、本を読むのをやめられない。
 それ以上多くの記憶はないのですが、たぶん、
 その夜、読了したわけではなかったと思うんですよね。
 深夜といっても午前1時くらいがせいぜいだったでしょう。
 それでも、あの夢中の経験はものすごく大事だったんです。

 ま、大人になってからは、ゲームだったりドラマだったり、
 ときには仕事にも夢中になって時間を忘れることはあって。
 ぜんぶ、まとめて肯定したいという気持ちが、
 あらためて、いまは強くあるんですよねー。
 ぼくの「夢中」は、いつごろからか軟弱になっています。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
学ぶより楽しむ、楽しむよりも遊ぶが最上です。大人もです。

昨日のコラムを読み逃した方はこちら。

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