糸井重里
・かつては、文を書くときには「文語体」だった。
そういう時代に生まれていたら、どうしましょうとも思う。
もちろん、「文語体」の時代にも、
日常を送っている人びとはしゃべっていたわけですから、
しゃべりことばを表現にしているものはあったわけです。
講談とか落語とかも、主に「せりふ」ですからね。
いまぼくがここで書いている文の表現は、
ある時代からはじまった「言文一緒体」で書かれています。
これは、ぼくがコピーライターになりかけている時期、
敬愛する大先輩の土屋耕一さんが言い出したものでして。
もちろん、明治時代の小説家であり翻訳家の
二葉亭四迷の「言文一致体」のパロディであり、
冗談めかした本気でもあったでしょう。
でもね、土屋さんは、小さなエッセイのなかで
「言文一緒体」という言い方をしただけで、
広く提唱したというわけでもなかったから、
読んでその気になったのは、ぼくだけかもしれない。
ぼくの当時の感覚では、教科書で習った
「言文一致体」というのは、なんやかんやいうたかて、
結局「書きことば」じゃないのかな、だったんですよ。
文語体ではないけれど、やっぱり「書く用の文体」で、
もっと「話しことば」のほうに近づけたらどうなのよ、と。
そんなふうに思っているところに出てきたのが、
土屋耕一さんの言う「言文一緒体」だったんです。
ここらへんの文体は、この時代に、
伊丹十三さんとか、永六輔さんの
「聞き書き」のスタイルも出てきたりもしてて、
書かれる文が「話しことば」に寄ってきていたのです。
たぶん、土屋さんの「言文一緒体」は、
「テレビの生CMの台本」の文体が源流ではないかと、
ぼくは推察しているのですが、
いまではもう質問もできないので、わかりません。
どっちにしても、「話しことば」の「間」も入れられるし、
「書きことば」の姿で意味も伝えられるし、
ほんとうに使い勝手のいい文体だったのです。
あ、ほんとはこの先のことを言いたかったのに、
もうお時間が来てしまいました…。また、たぶん明日。
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
しかし、いま読まれているこれも、実は「書きことば」です。
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