糸井重里
・人は命令では動かない。
いやいや「命令で動いてるよ」と言われるかもしれないが、
そういうこともあるのは知ってるし、
もっと社会全体が命令で動いていた時代もあったよ。
昔のドラマなんかでも「それは命令ですか」と問いかけて、
「そうだ、これは命令だ」と言われるシーンがよくあった。
つまり、意に沿わないことでも「命令」には従うという、
いわば「軍隊的な規律」を描くような場面だ。
そういう状況は、まったくなくなるものではないだろう。
しかし、ものすごく減ってきている。
基本的に、ほんとうは、人は命令では動かない。
そう考えておいたほうがいい。
じぶんのことについても、他の人のことについても、
「人は命令では動かない」と思っているほうが、
いい環境がつくれるのではないかと、ぼくは思う。
命令では動かないとしたら、なにで動くのか。
その答えは、ひとつではない。
好きなことについては動く。
なにか欲しいものがあったら、そのために動く。
信じるものや愛する人のためになら動く。
じぶんの持っている美徳や倫理のためには動く。
そういうことがあるだろう。
さらに言えば、命令ではないけれど、
暴力によって動くことだってあるだろう。
みんながやっているからと、流されても動く。
直接だか間接だかはともかく、脅かされて動く。
なにかから逃げるために、動くことがある。
他人への競争心からも、おおいに動く。
催眠術みたいななにかによっても、動くだろう。
などなど、動くにもほんとにいろいろあるのだ。
わたしは、どうして動くのだろう。
ぼくは、どういうときに動こうとするのだろう。
おれは、なんのために動くのだろう。
人は命令では動かないけれど、なんで動くのかな?
クイズじゃないんだけど、考えてみてもいいな。
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
寒波と選挙とオリンピックと、いろいろのある日曜日です。









