糸井重里
・仕様書だとか、説明書だとか、仕事の伝達だとか、
いわゆる「実用文」というものは、
できるだけ伝えたいことが正確に伝わることをめざす。
「9月1日(火)はいよいよ「ほぼ日手帳2027」の発売日」
これなんかは、そういう種類の文章だ。
あえていえば、「いよいよ」という4文字には、
ちょっとだけ「書いた人の気持ちが混じっている」。
世の中の文というものは、すべてが実用文ではなくて、
書いた人の「じぶん」が入っているものがある。
「文学」などと大きく構えなくても、
たいていのおしゃべりがそうであるように、
人が言いたいなにかが、人に向けて表現されるものだ。
「わたしゃ、悲しいよ」だけでも、自己表現である。
「あらゆる人にわかってほしい」は無理である。
かといって「わかる人だけがわかってくれればいい」
というのも、だめだよね。
「わかってもらえた」というのは景品みたいなもので、
景品がもらえていくうちに、書くことが上手になっていく。
しかし、そうなると、こんどは、
景品をねらって書くということにもなりやすい。
ほんとうは、わかるとか、わかってもらうとか、
気にしなくなるのがいいんだろうなとは思う。
とても雑に言ってしまうけれど、
文章というのは「説明書」と「歌」のふたつに分けられる。
あらゆる文が、それを混ぜたものである。
いまここで書いているのも、そのうちのひとつで、
最近ぼくがしつこく言っている「主観」というものは、
「歌」のほうの要素で、これが無くなってしまうと、
「説明書」だらけになってしまうであろう。
◆毎日のインタビュー、毎日たくさん読んでますよー。
さて今日はこれ。no.019「どこで生まれましたか?」
じぶん自身の記憶にはない質問ですが、どうでしょう。
よろしかったら、メールに書いて送ってくださいね。
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
生まれたときと死んだときのことは、じぶんは知らないのね。
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