糸井重里
・「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」は、
とてもよく知られたことわざです。
坊さんのことを憎いと思ったら、その着ている袈裟までが
憎く思えてくるという人間の心理を言っています。
もともとが「坊主」と「袈裟」のことだと思うと、
あんまりじぶんに関係ないような気もしますが、
あんがいだれでも、そういうことはやっています。
あの人が嫌いだから、あの職業が大嫌いだとか、
あいつが憎いから、あいつの好きなあれも憎いとか、
あのチームが嫌だから、あのキャラクターが大嫌いだとか、
つい、そういう気持ちになったりもします
(逆に、あの人のことが好きだから、
その人の好物が大好きというのもあるんですけどね)。
しかし、そんなときに「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」
となりがちな「人間心理のクセ」について考えて、
制御をすることが大事なんだと思うんですけどねー。
思うんですけど、世の中なかなかそうはいかない。
いったん「坊主(敵)」として決めつけてしまうと、
その周囲の人もみんな「坊主(敵)」に見えちゃったり、
あれこれみんな「袈裟(敵の武器)」扱いしたりね。
「坊主(敵)」の言うことはぜんぶ嘘だと考えたり。
人間の歴史って、ずうっとこういうことしてるんですよね。
もしかしたら、いま以上に、
昔のほうがひどかったのかもしれません。
いやいや、ネット以後の現在もなかなかですけど。
でも、クマが怖いクマが憎いからといって、
くまのぬいぐるみや、くまのプーさんが憎いとか
言ってる人の話は聞いたことがないですよね。
イランに腹を立ててペルシャ絨毯を憎んでいる人も、
いまのところあったことないですし、
ある「とても濃い人たち」以外のほとんどは、
わりと落ち着いているのかもしれませんね。
ちなみに、ぼくはエビ・カニのアレルギーですが、
エビ・カニを憎んでも怒ってもいないですよ。
生まれ変わったら、エビもカニもいっぱい食べたいです。
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
阪神ファンじゃないけど、オニツカタイガーを履いてますし。
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