糸井重里
・「好球必打」ということばがあって、それは
ミスターこと長嶋茂雄さんが色紙に書いていたものだ。
好い球を必ず打つ、悪い球は打たなくていい、
そうすればいい結果が得られるのである。
たとえば、「ちいかわ」は好球であった。
いま、「ちいかわ」全巻だけでなく、
作者のそれ以前のマンガを読んでいるところだが、
いちいち感心しきりである。
いまは、「間(ま)」とか「余韻」の表現について、
しみじみ感心しているところだ。
描く作者もいいし、それを味わう読者もいいなぁと思う。
もともと日本の4コマや8コマのマンガにはあったもので、
それが新しい表現ですということではないのだが、
俳句や短歌に通じるような「描かない表現」が、
ほんとうに見事に、読む人の心に届いていると思う。
夏井いつき先生が、「ちいかわ」を読んだら、
きっと「俳句」として語れるんじゃないかなぁ。
でもね、ここんとこ「ちいかわ」と「AI」のことばかり
考えてますと言ってるぼくだけど、
何ヶ月か前までは、「知ってるけど、それで?」ぐらいの
ただのストライクとして見逃していた球なのである。
「ちいかわ」とは「ちいさくてなんかかわいいやつ」で、
それである意味すべてのようにも思えてしまうから、
「いいね、なんかかわいいね」と通り過ぎてしまうのだ。
ぼくは、あるとき、登場キャラの「モモンガ」が、
なぜそんなにカワイコぶりっこするのかを知って、
「なんだそれは?!」と急に興味を持ったのだった。
だいたい、「ほぼ日」と「ちいかわ」のつきあいも、
2022年の「やさしいタオル」からあったのに、ぼくは、
「あ、いいんじゃない。かわいいね」ぐらいに見ていた。
好奇心が眠ったままで、「ちいかわ」を眺めていたのだな。
バットを振る気で構えていなかったのであった(反省)。
◆さて質問、no.003「好きな遊びは、なんですか?」
じぶんなりに自由に考えて手帳に書き留めてください。
よろしかったら、メールに書いて送ってくださいな。
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
個人の好奇心だけでは、打てる球に限界があるんだけどね。
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