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ほぼ日手帳

糸井重里

・とくにグルメでもないし、
 格段の孤独でもないような気はするが、
 ひとりでなにかを食べに行くことが、わりとある。
 遠くにも行くし、近くにも行く。
 土曜や日曜だと電車で1時間以内だったら出かけていく。
 いや、そういうこともあるという程度だが。
 これは、ほとんどがラーメンの場合である。
 ラーメン好きの先達たちの足元にも及ばないが、
 BS-TBSの番組『ラーメンを食べる。』はよく見ている。
 遠くまで行った場合は、食べる前からすでにおいしい。
 おいしいと思うために行ってるのだから、おいしいのだ。
 近所にその店があったらそうでもないのかもしれないが、
 遠くまで出かけて行ったら、その分だけおいしく感じる。
 「食べる」は、「食べるために行く」からはじまっている。
 さらには、「行く」の前に「想像する」があるとも思う。
  
 そういうことから考えると、
 ぼくはずっと前から「ビャンビャン麺」が食べたかった。
 「ビャンビャン」という部分は漢字があるのだが、
 難しすぎて、ここでは「フォント(活字)」が出せない。
 総画数は50〜60画(決まってないのかよ?)だというし、
 もともとが「ビャンビャン麺」のためにできた文字らしい。
 なにかと、その漢字が雑学的な話題にはなってるのだが、
 近くに「ビャンビャン麺」を食べたという人がいない。
 漢字の説明についてはみんながしたがるのに、
 どんな麺なのかを教えてくれる人もいなかった。
 ところがあるとき、ご近所もご近所、神田神保町に、
 「ビャンビャン麺」の店があると知った。
 それがあんまり近いものだから、いつでも行けると思って、
 そのうち行くことになるだろうと、そのままにしていた。
 しかし先日、偶然、「ここか!」と具体的に
 「ビャンビャン麺」の店の前を通りがかったのだ。
 いざ、犬も歩けよ棒に当たれ、昨日行ったよ! 
 どんな麺だったか、太かったか細くなかったか、教えない。
 店に入りメニューを見て「どれがビャンビャン麺ですか?」
 と質問したら、「これ、ぜんぶです」と言われて始まった。
 漢字も教えなきゃ麺も教えない、そのままにしておいても、
 あなたの人生にはなんの差支えもないだろうし(笑)。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
「神保町 ビャンビャン麺」で検索すると、情報は出てます。

昨日のコラムを読み逃した方はこちら。

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