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ほぼ日手帳

糸井重里

・昨夜は、最近知り合った若い人たちと食事の予定があった。
 焼肉店で7時に待ち合わせして、よく食べ、よくしゃべり、
 途中でその店の近所にいる友人も合流して、
 なんやかんやたのしく4時間以上も過ごしていた。
 酒を飲まずに食ってばかりのぼくだけれど、
 気分はほろ酔い加減でタクシーに乗って、家に帰ったら。
 上司が「地震」とひとことだけ言ってテレビを見ていた。
 え、地震があったのか、おれはタクシーのなかだったから
 気が付かなかったよと言ったときには、
 天井から下がっている照明器具はまだ少し揺れていた。
 東京の地震のほうは、たいしたことないらしい。
 震度3以上だと犬が吠えるのだが、吠えてなかったし。
 テレビからは、ずいぶん緊迫した報道が続いていた。
 どの局も、地震のニュースをやっていた。
 ということは、相当に危険な事態であるということだ。
 なにはさておき、ずっと臨時ニュースに見入っていた。
 内容は、しだいに地震から津波のことになっていく。
 津波の危険があるから逃げろということについて、
 アナウンサーが何度も何度も、叫ぶように言っていた。
 どうしても、14年前、2011年3月11日の
 東日本大震災のことを思い出してしまう。
 あんなことをまた経験するのはだれだって嫌だ。
 あの震災があったから、津波への備えとか心構えとか、
 みんなも学習してきたはずだけれど、
 だからといって自然の暴威に抗えるわけではない。
 ずっと見ているうちに津波注意報は、津波警報に変わり、
 いよいよ「逃げろ」の放送が緊迫感を増してくる。
 ずっとニュースの画面を見張っているのが、
 なんだかじぶんの仕事のように思えてきた。
 津波予報は、いったん高さ3メートルと発表され、
 さらに緊張することになった。
 東日本大震災のときの津波の高さについて知ろうと、
 あわてて検索すると、7メートルとか8メートルとあった。
 津波の高さについては、あのときほどではないらしい。
 やがて、実際に観測された津波が45センチと知らされ、
 2011年並みの震災にはならないのだなと、一息ついた。
 (いま、午前2時40分)もちろんまだ油断はならないが、
 テレビ画面から目を離し、この原稿を書きはじめた。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
報道された地域のみなさんが、全員ご無事でありますように。

昨日のコラムを読み逃した方はこちら。

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