糸井重里
・なんとなく「ラブロマンス」とか「恋愛映画」とかを、
敬遠してきたような気がする。
男と女が恋して愛して別れて泣いてみたいな世界を、
好んで小説や映画でたのしもうという気はなかった。
ずいぶん昔に、チャン・イーモー監督の
『初恋のきた道』のパンフレットが家にあって、
きれいな表紙だなぁと眺めながら、
家の上司に「これ、おもしろかった?」と聞いたら、
「あんたには向いてない」と素っ気なく言われた。
ちょっとしゃくにさわったので映画を見たら、
すっごくよかったじゃないか、よかった泣いた泣いた。
というようなこともあるので、じぶんでもよくわからない。
歌謡曲の好いた惚れた別れた泣いたの歌もすっごく好きだ。
なんとなく見てしまったドラマの恋愛要素の部分にも、
ついつい「もらい泣き」していることも、実に多い。
え?! 好きなのか、そういうの、おれって?
最近では、『誰だって無価値な自分と戦っている』だな。
あの12話だったかも、恋愛要素がたっぷりあったし、
夜中に主人公たちの恋愛をつよく応援をしていた。
そしてさらに、どういうきっかけがあったのか
『花束みたいな恋をした』という映画も見た。
これもちょっと変わったかたちをしてるけど、
とてもよくできた恋愛映画じゃないか、しっかり見てたぞ。
さらに『花束みたい』で勢いがついたのか、
同じ土井裕泰監督の『平場の月』を見ることになった。
これは堺雅人さんが出ているし、見たい理由もたっぷりだ。
わぁ、こっちは恋愛の後の恋愛みたいな物語で、
ある程度の長さ生きてきた人にはたまらないだろう。
これまた、しっかり見て、涙腺をゆるませていた。
ちっとも恋愛映画を敬遠してなんかないじゃないか、俺。
人が人に惹かれる話というのは、だれだって好きなのかな。
どうして、それほど好きじゃないと思っていたのだろう。
映画館じゃないから、恋愛映画も見やすくなったのかな?
いろいろわからないままだけれど、いま思っているのは、
ゲーテ『若きウェルテルの悩み』を読もうかなということ。
「ひとり読書会」の題材として選んでみようかな、と。
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
質問されて、恋愛映画などが好きです、と言ったことはない。
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