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ほぼ日手帳

糸井重里

・ぜんぶとまでは言わないけれど、
 だいたいの寿司めしはおいしいじゃないですか。
 酢と少しの砂糖で味がついているのも、
 もちろんおいしい理由だけれど、米つぶもおいしい。 
 米のひとつひとつのつぶが、つるっとしていて、
 独立して存在してるんだよね。
 米というものが、稲という植物の「草の実」なんだ
 ということがよくわかる。

 寿司めしは、炊いたごはんに
 「寿司酢」でコーティングしている。
 そして、このコーティングの過程で、団扇などで扇いで、
 ごはんを冷ましているということが重要だ。
 温度を下げ、湯気を飛ばしている。
 こうすることによって、寿司めしは、
 表面の水分を飛ばされ、ふやけることが止まる。
 ずいぶんとめんどくさい説明をしたけれど、
 まずこれを理解してほしい。
 冷まして水分を飛ばした寿司めしがおいしいのと逆に、
 米の表面をべたっとさせてしまうのが「保温」である。
 炊けたごはんを保温している間、湯気は逃げられない。
 その湯気は、ごはんつぶの表面にも触れてくる。
 当然、米のつぶはやわらかくふやけていく。
 そこだよ問題は、と感じてほしい、ぼくは感じた。

 ごはんの炊き方について、いろんな考えも方法もある。
 ぼくもいろいろ試してはきたが、このごろでは、
 もっともざっくり言うと、こういう結論になっている。
 「保温さえしなけりゃ、だいたいはうまい」のである。
 木のおひつに移すのもいい、木じゃなくてもかなりいい。
 おむすびにしておくのもいい、炊けたごはんを混ぜたあと、
 蓋を閉めずにペーパータオルでもかけてほっといてもいい。
 なんなら、おちゃわんによそって冷ましたっていい。
 「あったかいごはん」のおいしさは、炊きたてにかぎる。
 時間をおくなら保温をせずに、冷めたごはんを食べたい。
 熱くしたいなら、電子レンジであたためたほうがいい。
 と、なにを熱弁を振るっているんだと思われそうですが、
 友人に言うようなことを、ここに書いてしまいました。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
寿司やおにぎりは、冷めてても当然のようにおいしいでしょ。

昨日のコラムを読み逃した方はこちら。

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