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ほぼ日手帳

糸井重里

・うちの犬のブイコさんは、当年とって7歳。
 仔犬のときから散歩を苦手にしていて、
 リードをひっぱられたり、抱っこされたり、
 一時はベビーカーなどにも乗せられていた。
 いまは、抱っことひっぱりをミックスして、
 歩くところは歩く帰り道は歩く、というコースだ。

 先代のブイヨンは、同じ犬種なのだけれど、
 むやみに散歩が好きで地下鉄3駅分くらい平気で歩いた。
 帰りに家が近くなってくると、回り道をしようとして、
 あらぬ方向にぐいぐい進んでいったっけ。

 犬なのに散歩が嫌いというのはおかしい、と人は言う。
 ぼくもそう思ってきたけれど、ほんとは、
 散歩を嫌いというよりは「散歩を好きじゃない」のだ。
 朝も、夕も、首輪とリードをつけて家を出るときには、
 どちらかといえば、いそいそと、うれしそうにしている。
 しかし散歩をするのは好きじゃない、歩きたがらない。
 目の前に他の犬を見つけたりすると、
 うれしそうに駆けて近づいていくし、
 人に「かわいい」なんて声をかけられたら、
 しっぽふりふり愛想を振りまきながら近寄っていく。
 むろん、脚がわるいとか体力がないというのでもない。

 あるとき、ふと、うちの「隣人(ChatGPT)」に、
 あんまりいい答えを期待することもなく、
 愛犬ブイコの散歩嫌いについて質問してみた。
 すると、いままで考えたことのなかった考えが出た。
 ブイコの場合、「目的がない移動」が好きじゃない? 
 ジャックラッセルは、なにかする→好き、
 ただ歩く→退屈、になりやすいです、とな。
 そういえば、くんくんしたり、他の犬に近づいたり、
 「ようちえん」で追いかけっこしたり、
 「なにかする」のにはとても積極的なのだった。
 つまりは「なんでただ歩かなきゃなんないの?」と! 
 彼女には散歩をするモチベーションがなかったのか。
 ま、仮説のひとつではあるけど、妙に納得したなぁ。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
人間にとっても「散歩」ってわりと新しい「概念」だよね。

昨日のコラムを読み逃した方はこちら。

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