糸井重里
・人は、生きている間に、
とにかく、たくさんの人に触れています。
いっしょになにかしたり、おたがいを観察もしています。
同じ時間、同じ場で過ごしている人もいっぱいいます。
家族とか友だちとか、遊びや仕事の仲間とか、
よく行くお店の人だとか、お客さんだとかも。
子どものときに知り合った人もいるし、
生意気盛りの思春期だとか青年期に出会った人もいる。
好きになった人もいるし、その前で恥をかいた人もいる。
どんなにじぶんを大きく見せようとしても、
どれほど飾り立てようと、
賢そうにしてもやさしそうにしていても、
長いことつきあってる人には、だいたいわかられてます。
ダメなところ、わるいところ、わがままなところ、
ずるいところ、弱いところ、ほとんどわかられてしまう。
長年、近くで見ている人たちには、隠しようがないです。
どんなに立派そうなことを言ってる人でも、
家ではそうでもなかったりすることが多い。
たくさんの人にあって、たくさんの人と過ごして、
たくさんのことをやっていて、たくさんしゃべっていたら、
「それ以上のことは、どうやら、ないんじゃないか?」
というくらいに、たくさん人にもわかられてしまいます。
つまりその、長く生きてると、
「とっくにバカはバレている」のであります。
お察しのとおり、これは、じぶんのことを言ってます。
特に、こうして毎日毎日、うんうん言いながら、
こんな短い文でも書いているうちに、どう見栄を張っても
「たいしたもんじゃないな」ということはバレてます。
そういうことに気づいたのが、いつごろだったか。
いつのまにか、わたくしは、なにかをあきらめて、
こう考えるようになったのであります。
「バカがバレてからが、生きることの本番だ」と。
むろん、まだまだ余計な色気も欲もないわけじゃないが、
けっこうあきらめもついてるような気もします。
そのほうが、さらに自由になりやすいような‥‥ね。
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
まぁ、これまでの長い時間、ほとんど普段着でいたからなー。
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