糸井重里
・「ほぼ日5年手帳」の一昨年、2024年2月23日に、
■理性の放棄ではないのだけれど、
「わかるもの」は、もう力を持たないのではないだろうか。
「わからないもの」それなのに目を離せないもの
だけが、育つものだ。
と、ぼくが書いていた。
それから2年間、それについてはずっと考えていた。
2年前よりも、ChatGPTがすっかり普及した
いまになってみると、ますますその思いが強くなっている。
意味として説明できることが、
コミュニケーションの基本になることはわかる。
きっと、それを前提にして社会も成り立っているのだ。
一昨年のぼくが、「わからないもの」ということばに、
たとえばどういうものを想像していたのか、
いまとなってはこれもわからない。
いまあらためて、たとえば「好きな人」という単語を、
ここに当てはめてみたらどうだろうと思う。
「好きな人」を好きな理由や、好きであることの価値や、
その意味が、どれだけ明らかになっても、
それがなんだというのだろうか。
たぶん、「好きな人」を好きな気持ちは、
わかる必要もないしもっと詳しくわかってもしょうがない。
「わからないもの」それなのに目を離せないものに、
そのまま目を向け続けること、それこそが育てることだ。
とかなんとかね、しれっと言っちゃってますけどさ、
「わからないもの」って、「ないも同然のもの」
みたいに扱われがちなんだよね。
「わからないもの」が、「いずれわかるもの」だとか、
「ほんとはわかるはずのもの」みたいに言い換えられて
うまいこと説明されると、
「それならわかる」と認められたりするんだよね。
だーけどー、認められても、ほんとはしょうがない。
実際、素敵なものってみんな「わからないもの」。
いやぁ、ここまで読み続けてくれて、ありがとね。
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
来てもらえて、読んでもらえると、信じて書くしかないな。
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