糸井重里
・「いまの時代はこうですよ」みたいなことを、
人はよく言うものだ。
メディアもよく言うし、自称進んでいる人も言う、
ぼくなんかは、新奇なことの好きな人にも思われていて、
ご意見など求められることもある。
しかし、自慢じゃないけど、ぼかぁ新しくなんかない。
古いところに固執して「こだわり」とか言う人じゃないが、
新しいものとはかなり慎重につきあっているくらいだ。
働き方についても、新しいことなんかしてない。
「ナントカ組織」だとか「ドーノコーノ経営」だとか、
いろんな理論が話題になるたび、取材のときなどに
「ほぼ日もナントカ組織ですよね?」などと言われるが、
実はあんまり考えたことはないので、戸惑っています。
泥縄式にその種の本も読んでみたりもするのですが、
もともと理論に合わせて仕事をしているわけでもないので、
なるほどと思うことはあっても、それだけのことになる。
理論だとか理念だとかがあって、
そこに向かってなにかやっていこうという発想は、
どうしても型にはまりやすいんだよなぁとは思っている。
型が見えているほうが効率化とか、平準化には便利だが、
そういう競争のなかに入りこむのは、ぼくらは不得意だ。
ただ、新でも旧でも、どういう時代であるにせよ、
いつでも同じなんじゃないのということはある、と思う。
こうされるのは大昔の人だってイヤだよね、とか。
こんなことされたら、うれしいよな、だとか。
これは、だれだって好きになっちゃうぞ、とか。
じぶんのなかにも、他の人のなかにもある「心持ち」。
これは、長い人間の歴史のなか、ずっと変わってなくて、
これからの時代も、変わるようでも変わらないだろう。
その変わらないものとは、どういうものなのかについては、
真剣に骨惜しみなく考えていこうよ、とは思っています。
昔の人が「温故知新」と言ってるけど、いまだって同じ。
◆no.018「じぶんを他の生きものに喩えるとしたら?」。
考えてみて。いずれ、まとめて読めたらおもしろそう。
よかったら、メールにも書いて送ってくださいな。
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