糸井重里
・ちょっとなにかやろうというとき、考えはじめたとき、
「どこから手を付けていいかわからない」としても、
それはわりと普通のことなんだと思うんですよ。
なんとなく、ああでもないこうでもない、どうしよう?
なにかヒントはあったっけ、わかんなくなっちゃった‥‥。
そういうことをやってきたわけですよ、みんな。
答えのはっきりある問題なら、
解きなれてる人はすらすらっと解けるんでしょうけど、
だいたいの世の中の考えごとなんて、答えはあいまいです。
それどころか、問題さえよくわからないことも多い。
しかし、いまだったら「AI」に訊いたら、
ささっと「最適解」を教えたりしてくれるんですよね。
ぼくの知ってる海外の暮らしにもなれている人が、
夏休みに初めての外国に行ったんだそうです。
で、これまでだったら、最初の夜のレストランは
ガイドブックかホテルに尋ねて安心な食事をする、と。
で、翌日は街を歩いていて、たまたま通りがかった
地元の人が行列しているような小さい店などに入る。
そういう感じだったんだそうです。
でも、いまはつい「AI」に訊いちゃうんですって。
現地に到着してすぐに、「地元の人が行列しているような」
運よくたどり着くような店を教えてもらえるんだって。
おいしくて感じよくて、申し分のない「最適解」なんです。
これ、すばらしいんですよ、もちろん、よかったんです。
しかし、ちょっと思ったというんです。
こういう「AI」に教えてもらった「最適解」を次々に
追って行くと、じぶんは「指示に従ってるだけの人」に
なっているんじゃないだろうか、と。
人間が、「最適解」を「処理」する「自動装置」になる。
実際に、もうすでになりかけているような気もします。
生きることって、もっとちがうんじゃねーの?
たしかに「最適解」は最適な解なのかもしれませんけど。
◆今日はno.014「好きな歌はありますか?」です。
あってもなくても、そういえばと考えるだけでもいい。
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