糸井重里
・ぼくは、お風呂に入っているときに、
翌日の「ここ」になにを書こうか思いつくことが多い。
もうちょっと正確に言うと、
なにか書きたくなるような「ちょっとした考え」が、
生まれてくることが多い。
今日も、それだ、お風呂に入っているときに、
「そういえば、お風呂に入っているときに、
ちょっとした考えを思いつくことが多い、
ということについて、もうちょっと考えて書こう」
と考えはじめた。
これは、あれに似てるな、と思い出す。
美容室で髪をカットされているときには、
じぶんではただ座っているだけでなにもしてないのに、
なにかを成し遂げたという充実感があるということ。
髪が整えられて、ぼくは「ちょっとよくなってる」のだ。
ぼく自身は、鏡の前に座っているだけだったけれど、
「ちょっとよくなる」ための時間を過ごしていたのだ。
お風呂の場合は、バスタブにつかって「は〜」とかね、
しみじみしているだけで、入浴という用事ができている。
なにもしていないかのようだけど、やることはできている。
ぼくは、ここでも「ちょっとよくなる」ための時間を、
過ごしているのだから、あとはもうなにをするのも自由だ。
前提として、もう、ちょっとよくなっているのだからね。
この余裕が、いつもよりも頭をはたらかせてくれるのだ。
いつもの「ちょっとよくなる」用事を兼ねた「考え」は、
やっぱりおもしろくなったりするものなのだ。
ぶらぶらと散歩しながらアイディアが浮かぶという人も、
けっこうたくさんいるけれど、
これも、まず「歩いて前に進んでいる」のだから、
それ以上はなにをしていてもいいという余裕のおかげだ。
前に進むというだけで、「生産的」に思えるからね。
さて、本日の原稿。もっともらしい終わり方にするならば、
「難しいこと」は「易しいこと」を確保しながらがいいぞ。
ということにでもなるのだろうか。
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
昨日から「お手玉」をはじめました。発見の多い遊びです。
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