糸井重里
・いままでいろんな先輩方にお会いしてきて、
その先輩が生きてきた「昔」のことなんかを聞いてきた。
ああ、後の時代の人はこんなふうに思っているけど、
その同時代に生きてきた人が見ていたものは、
こんなにちがうものなのか、ということもたくさんあった。
貴重な話だなぁ、おもしろいなぁと思って聞いていた。
ところがいつの間にか、じぶんが聞かれる側になっていた。
だって、たしかに半世紀以上前のことを知ってるんだもの
(昭和生まれの人でも、その60年前は江戸時代だ)。
それくらい長い時間が過ぎているということになる。
昨日は、「渋谷西武」が閉店するという報道があった。
その開店が1968年だから、その頃から知っているわけだ。
広告もやったし、いろんなイベントもやった。
ぼくの見たこと知っていること、がそのまま「昔」の話だ。
だから、ぼくが渋谷西武について「ただしゃべったこと」は
たぶん、若い人には昔ばなしとして聞こえることだろう。
そういうことが、すっかり多くなってしまった。
「うわぁ、そうだったんですかぁ!」なんて驚かれても、
「もっと聞きたいです」とか乗り出されても、
あんまり得意な気分にもなれないのはなぜだろう。
おそらく、その聞いてくれている人と、ぼくは、
同じように2026年という現在を生きているからだ。
少なくとも、ぼくは、いま「きみと同じ」時代を、
「きみと同じ」ように呼吸しているつもりなのだ。
このあたりの感覚については、それなりに自信がある。
へたな年下さんより、ぼくの方がずっと現在を生きている。
若く思われたいのではなくて、実際にそうだと思っている。
ぼくが昔のことを語ることがあっても、
それは現在のことを語るのと同じように語っているのだ。
昔はよかったではない、ただ、こうだったということだ。
現在も、未来にとっての昔である。
昔も、そのときにはただの現在であった。
変化しているのは、積み重なった年齢である。
かといって、いまも、あいかわらず幼いのではある。
みんなよ。いまあること、いま感じていることは、
やがていずれは、昔ばなしとして語られるものだぞ。
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
生きてるって、思い出をつくること。今日もつくっています。
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