糸井重里
・ところで、昨日、ほんとうにとんかつを食べました。
想像どおりにおいしくいただきました。
明日のたのしみを考えておくって、ほんとにいいですね。
さて、ぼくは、いま、けっこうくたびれています。
雑巾をぎゅっとしぼって、からからにしたみたいな感じ。
昨夜ね、ずうっと前から「こんなのどうだろう」と
考えていた企画の、パイロット版を制作したのです。
じぶんが考えて、「おれ、やるよ」と言ってやるのは、
ぼくにとってはけっこうめずらしいことなんです。
だいたい、くたびれるのはわかっている内容だからさ。
簡単に言うと、読んでいそうで読んでいない本を、
ひとりで音読していって、間あいだに疑問やら感想やらを
さしはさんで語っていくというライブです。
言ってみれば「ひとり読書会」です。
いつもはひとりでやっている読書を、
人が聞いているところでやるということです。
「ゲーム実況みたいなことですね」とN田さんに言われて、
そういうことになるかもしれないと答えました。
本を読んでいる途中で、いいなぁと思ったり、
ここはどうしてこんなふうに書けたんだろうとか、
ふだん孤独に黙ってやっていることを、口に出してみる。
「大人の読み聞かせ」とも言えそうですね。
で、けっこう重要なのが、下調べとか研究とかしないこと。
ぼくが「まるはだか」でその本に向かうのを、そのままに。
最近、ぼくの内側で流行中の
「バカがばれてからが本番」という気持ちでやる。
そうすると、聞いている人も見栄を張らなくてよくなる。
本をたくさん読む人も、本を読まない人も、両方いい!
そういう前提でやる読書会なのです。
パイロット版なので、社内にだけ中継をして、
みんながたのしめるかどうかのテストもしてみました。
結果的には、ぼくは疲れたけどおもしろかった。
聞いていた人にもずいぶん評判はよかったので、
公開で流すことになるかもしれません。
読みっぱなし喋りっぱなしの90分、老人のやることか?
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
読書会に選んだ本は、なんと、文章の達人志賀直哉でした。
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