糸井重里
・渋谷パルコ「ほぼ日曜日」でやっている「歌謡曲喫茶」、
昨日はゲストが「みのミュージック」のみのさんなので、
客席に座る予約をしていた。
しかしねー、この5月2日は、ずいぶん前からもうひとつ、
たのしみにしていたイベントがあるのだった。
「井上尚弥対中谷潤人」の世界タイトルマッチだ。
同じ日の同じ時間になっちゃうなぁと思ったけれど、
じぶんたちの「現場」を優先して渋谷に行くことにした。
これはもう当然、とてもたのしかったのだが、
そこから急いで帰宅しても9時くらいになる。
もう試合は終わってるだろうなぁと思ったら、
おおっと、まだ試合は始まってなかった。
ほんとかよ、間に合っちゃったのかよ!
おかげで、みのから井上中谷がまるごと見られた敬称略。
試合、すごかったねぇ、息が詰まるとはこのことで。
いつもボクシングの試合をテレビで観ているときには、
表示されてる「3分減算表示」をちらちら見るんだけど、
井上選手中谷選手の攻防から片時も目が離せない。
こんな観戦経験は、はじめてだったかもしれない。
ぼくみたいなシロウトが「すごかった」と言ってるのと、
ボクシングをもっとわかっている人が感じていることは、
ずいぶんと次元がちがうんだろうと思うけど、
どっちから見ても「すごかった」って、理想の試合だよね。
おそらく「伝説の試合」になるんじゃないかぁ。
・「見る人が見ればすごい」というのは、たいしたものだが、
「ただの人が見てもすごい」とそれが重なることがある。
「見る人」にしかわからないすごさと、
「ただの人」が惹きつけられるよさがあるとして、
その両方があるものって、ほんとにあるんですよね。
昔、ある会社でエレベーターの扉が開いたとき
ホールの壁に飾られた単色の「スケッチ」が目に入った。
「なんだかすごくいい!」ような気がして、
エレベーターに乗り直し、もう一度見に行ったことがある。
それが「ピカソ」の作だと知って、ははぁと感心したっけ。
雑誌に印刷されている「良寛」の書だとかもそうだし、
「まどみちお」の詩だとかも、そういうものだろうな。
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
いいものを見るたび、じぶんの仕事を、たのしもうと思う。