糸井重里
・「10年ひと昔」ということばが、よく言われていた。
それは、「10年の歳月が経ったら、もう昔なんだよ」
というような意味で使われていたと思う。
その10年前と同じ気持ちでいたら、もう古いんだよ、と。
けっこうそれは当たっているなぁと思うことも多かった。
子どものときは別として、
大人になってからの10年というのは短く感じる。
つい先日のように、5〜6年前のことを思い出したりする。
しかし、10年も経ったらいろんなことが変わっている。
そういう速度で時代は変わっていたのだと思う。
なんとなくの感覚だけれど、10年の目盛りを刻んで、
時代を区切っていたんだね。
ただ、IT社会の10年は「ひと昔」どころじゃなかった。
「ドッグイヤー」ということばで表現するのが、
まったく当たり前という感じの速度で進んでいた。
そう、犬の10歳が十分に「シニア」であるように、
情報社会もすでに「シニア(老齢)」なのかもしれないよ。
そして、情報系以外のところについては、
10年前も20年前も30年前も、
ほとんど同じような時代が続いているように見える。
それを「停滞」と呼ぶかどうかは、どっちでもいいや。
しかし、新幹線の速さが少しばかり速くなっても、
デパートがなくなって家電量販店がひろがっても、
人が現金を持ち歩かなくなっても、あんまり変わらない。
若い人が希望を持てるような10年後について、
だれか語ってくれる人もいないのが現状だ。
ここまで「そうなんだよなぁ」と思ったうえで、
それぞれの「わたしたち」が、なにをしたいのか。
なにが「すき」なのか、なにを「よい」と思うのか。
じぶん(たち)に、あらためて聞いてみることが、
とても大事な気がしているんですよね。
◆no.008「10年前のことを教えてください」。
毎日、考えてくれてありがとう。その時間を大切に。
だれにもないしょで手帳に記しておくのもよし。
よろしかったら、メールにも書いて送ってください。
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
ぼくのこの10年は、なにより娘に娘が生まれたことかなぁ。