こんにちは、「ほぼ日」の奥野です。
終わってしまった夏が
まだ、はじまったばかりのころに
マルセイバターサンドで有名な
北海道のお菓子屋さん、
六花亭製菓を、訪問してきました。
メンバーは
斉吉商店の斉藤純夫社長・和枝専務、
八木澤商店の河野通洋社長、
アンカーコーヒーの小野寺靖忠専務
(いわゆるやっちさん)、そして糸井重里。
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以前、六花亭を取材したことがあったので
僕とデザイナーの田口も
いっしょに、連れていってもらいました。
(六花亭がどんな会社かについては
そのときのコンテンツを読んでもらえると
いいかなと思います)
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今回の取材旅行、
ものすごく明確な目的があったわけでは
なかったんですけど、
たくさん感じて、いろいろ学びました。
ふだんは受け入れていない
お菓子工場の見学も、
とくべつに、ゆるしていただきました。
これには
単なる六花亭ファンの僕&田口はもちろん、
同じ食品をあつかう
斉吉さんご夫妻、やっちさん、河野社長はとくに
感激していました。
みなさん、案内くださった佐藤哲也専務に
つぎつぎいろいろ、質問、質問。
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「ぼく、帽子は免除されてるんです」と、周囲を和ませる佐藤専務。
僕たちも、なるほどーと感心したり、
へぇ〜とか言いっ放しでしたが、ひとつだけ。
「六花亭といえば」のマルセイバターサンド、
最盛期には
一日の生産量が「40万個」に及ぶそうです。
うまく想像できない数ですけど、
工程のなかでも重要な
「ホワイトチョコレート入りのクリームと
レーズンを混ぜる作業」は
すべて従業員さんの「手作業」でした。
「機械で混ぜると
レーズンが潰れてしまうことがあるから」
というのが、その理由。
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これくらいの容器で、ひとり1日「60杯くらい混ぜる」そうです。
そういう職人さんが、何人もいらっしゃいました。
ビスケットの生地も
若い職人さんが全身を使って捏ねていましたし、
「40万」という数が
人間の手作業によって支えられていること知り、
六花亭の、あの甘くて可愛らしいお菓子に
何だか「すごみ」を感じました。
ひとつひとつ
積み上げていって「40万」なんだなあ、と。
この他にも、六花亭がつくって運営している
中札内美術村や六花の森など
緑にあふれた場所で、深呼吸をしたり‥‥。
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こちら「六花の森 坂本直行記念館」の風景。
中札内美術村では、美味しいレストランでお昼を食べました。
六花亭の社内保育園、つまり
従業員さんのお子さんが通う「ごろすけ保育園」で
いっしょにダンスを踊ったり(主に糸井が)。
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子どもたちは、みんなのびのび、本当に元気。
なぜか「側転」が流行っていて、そこら中でくるくるしてました。
取材で行ったのに、2日間、最初から最後まで
たいへん気持ちのよい
「おもてなし」を受けた気分になりました。
このことは
六花亭のつくっているお菓子や
六花亭の社風にも関わることだと思うんですが
次回からの
六花亭・小田社長と
糸井はじめ訪問団との座談会のなかでも
何となく感じてもらえると思います。
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前回は「照れくさい」という理由で「イラスト」でのご登場だった小田社長。
今回は「お顔のお写真、掲載オッケー」をいただきました!
原稿にも残っていますが
僕たちが六花亭に滞在しているあいだじゅう、
小田社長は、何度も
「ようこそ、おいでくださいました」と
おっしゃっていました。
そして、そういう場面には、いつも
「六花亭のお菓子」が置かれていました。
僕たちは、それを喜んでいただきました。
六花亭にとっては
まったく当たり前のことかもしれませんが
自分たちのつくる商品で
「おもてなし」をすることができるのって
とても素敵だなあと感じました。
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それでは次回から、
六花亭の小田豊社長と、東北三社のみなさん、
そして糸井重里の座談会を連載します。
そのまえに、ちょっとでも読んでもらえたら
いろいろいいなと思うので
もういちど
前回の取材記事を、ご紹介しておきますね。
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<つづきます> |