古くから愛されてきた
「千鳥文」がモチーフ。
絵画のようなカシミヤの帽子
「birds and waves」
飛び立つ千鳥の群れはどこへ向かうのか、
想像が巡る美しいニット帽子。
カシミヤ糸なので被り心地も抜群です。


モティーフにしたのは「千鳥文」。
波間に群れ飛ぶ小鳥を描いた、日本の伝統柄です。
ニットの模様といえばごく当たり前に
北欧やイギリスの伝統柄をイメージしますが、
日本にも良い意匠が豊かにありますし、
使ってみてもいいのでは、と思いました。
この編み込み柄はいわゆる
「繰り返し模様」ではありません。
たとえば波と鳥を二層に分けて
モティーフ単位でリピートしたら、
簡単に覚えられるし、編みやすいけれど、
今回は編みやすさよりデザイン重視。
帽子のぐるりでひと繋がりの絵になるように、
さらに見飽きず、奥行きのある柄ゆきになるように、と
試行錯誤しながらデザインしました。

編む時に気をつけることとしては、
「(繰り返し柄ではないために)
編み図を1目ずつしっかり追う」こと、
そして「長く糸が渡る箇所では、
渡り糸を編みくるむ」必要があります。
「糸の引き加減」にもぜひ心を配ってください。
根気が要る分、編み終えたら
うんと誇って、愛でていただきたいと思います。
絵柄はどこが前ということはありません。
「わたしはここを前にする」と決めてもいいし、
あるいは無造作にパパッとかぶっても
その時々の楽しさが見つかるはずです。


三國さんが表現した
あこがれの動物、ねこ。
たたずまいも三者三様の
あみぐるみ「kittens」
撮影現場でも大人気、
常に誰かの腕の中で抱きかかえられていた
ふわふわの猫の編みぐるみ。
ペルシャさん、ぶち柄のタビちゃん、シロちゃんの3匹で、
猫の毛並みにぴったりの糸をご用意しました。
三國さんが刺繍したように、
ちょっと悪い表情も愛くるしいです。

猫は憧れの生き物です。
なぜ「憧れ」止まりかというと、
昔から好かれないんですよ、彼らに。
全くなついてもらえない。
なんででしょうね……、
こちらのギラギラした好意が
暑苦しいのかもしれない、とは思う。
でもそれでこちらの「好き」が減るわけではなく、
遠慮なく作りました、3匹も。
投げ出した後脚が猫的でしょう?
実はお気に入りのライオンのぬいぐるみの後脚を
参考にしたんですが、
大きくても小さくても猫は猫らしいので、
良しとさせていただきます。

作る工程で一番盛り上がるのは
やはり顔の刺繍でしょうか。
耳だけついた顔に向い、
猫とはなんぞや?
もとい、
あなたはだあれ?と問いかけながら、
「その子」の気持ちになって針を進めてください。
グレーのペルシャさんは、
ちょっと怒ってるように見えるけど、
これが平常モードです。
闘志がみなぎっているだけ。


イエティと羊が愛らしい、
TEMBEAさんと作った
ニッターのためのグッズ。
使い勝手のよさとおしゃれさを叶えた編み針ケースは、
TEMBEAさんと作ったMiknitsの定番商品。
長く愛され続けるアイテムに、
このたびニューフェイスが登場します。
ニットから連想して、選んだ柄はイエティと羊。
ファーをあしらった編み針ケースに加えて、
トートバッグも作りました。
どこでも編みものができるよう丈夫な素材、
ニッターではないけれど編みものに思いを馳せる方も
ふだん使いしやすいバッグです。


編みかけのものと、財布と携帯くらいを入れて
下りの電車に乗りたいですね。
どこか各停の駅で降りて、知らない喫茶店に入る。
ケーキセットを食べながら、しばらく編む。
ナポリタンも頼んで、食べて、またしばらく編む。
眠くなる。
帰り道で輸入毛糸の店を見つけて、
きれいなモヘアの糸を2、3玉買う。
和菓子屋さんでカステラの切れ端もひと袋買う。
ついでにお肉屋さんで夕飯用のコロッケも買っちゃう。
全部このバッグにポンポン入れていく。
そういう平和な光景が似合うバッグだと思います。
羊とイエティが静かに主張するので、
お店の人と会話するきっかけにも、なるかもね。

(つづきます。)
2025-10-03-FRI