
暑くなると、ついついTシャツやショートパンツに 手が伸びてしまいます。 涼しいし、動きやすいし、やっぱり夏には欠かせない。 でも、もう少しだけ「きちんと」見せたい日もある。 夏の装いにあたらしい選択肢があったら‥‥。 そんな気持ちから、 今年はセーラーカラーの半袖ブラウスと リネンパンツをつくりました。 着心地は軽やかで、見た目にも涼やか。 自分も、まわりの人も、 すっと涼しい気持ちになれるような、そんな一着です。
宇和川 恵美子(うわがわ えみこ)
セレクトショップの店長、バイヤーを皮切りに、 海外ブランド向け素材の企画・プロデュース、 アパレルブランド製品の企画・生産などの業務を経て、 2010年、 自身のブランド GRANDMA MAMA DAUGHTER を設立。 祖母から母へ、娘へと受け継がれていく 洋服作りをコンセプトに、 ユーザー目線を反映したゆきとどいた製品づくりで 人気を博している。
―― 今回フレフレシリーズで夏の半袖ブラウスと リネンパンツのデザインを手がけてくださった 「GRANDMA MAMA DAUGHTER」のデザイナー、 宇和川恵美子さんにお話をうかがいたいと思います。


宇和川 ここ数年、夏がとにかく暑いですよね。 わたしが住んでいる京都は盆地でめっぽう暑い。 そんな夏に必須のTシャツやノースリーブを 「Rosy(ロージー)」シリーズでつくらせてもらいましたが、 カジュアルすぎず、すこしきれいめな服もほしいと つねづね思っていたんです。
―― ついTシャツばかり着てしまって、 「今日はちょっと違う感じがいいな」 と思う日もありました。
宇和川 そこで、リネンや綿麻を使ったブラウスとパンツなら さらっと涼しく着られて、 上品な雰囲気も出せるんじゃないかと、 今回つくってみました。
―― セーラーカラーが特徴の半袖ブラウスは、 見た瞬間に、思わず「かわいい!」と 声を上げてしまいました。

宇和川 ふつうのレギュラーカラーや オープンカラーにするより、 ぐっと女性らしくかわいくなったかなって。
―― それでいて、セーラーカラーだけど、 かわいくなりすぎていないというか。
宇和川 日本ではセーラー服のイメージがつよいから、 レディライクにも思われますが、 セーラーカラーは「セーラー」というだけあって、 海軍の水兵さんが着ていた制服からきていて、 あながちフェミニンというわけでもないんですよ。
―― そうなんですね。
宇和川 セーラーの襟のかたちは、真四角ではなく、すこし台形に。 着たときにきれいにおさまるように工夫しています。 ちょっと大きくしたのも、 後ろから見たときのかっこよさを重視しました。

―― 伝統的なセーラーカラーは襟にラインが入っていますが、 ラインが入っていないのも着やすいと思いました。
宇和川 身幅はわりと広くして、袖丈はひじが隠れるくらいに。 背中側のセーラーの襟の下に、 ふかめのタックを入れているのがわかりますか?

―― ありますね! アウトタックが後ろ姿のさりげないアクセントになっていて、 身幅にも自然なゆとりが出ています。
宇和川 すそにかけてやや広がっていくAラインのシルエットや、 前後で着丈の差をつけたのもポイントです。 ゆるっとさせるところと、 キリッとさせるところのメリハリをつけました。


―― 風が通り抜けていきそうな ふくらみのあるシルエットと、 さらっとした素材感が涼やかで心地いいです。
宇和川 素材はコットンリネンでサラサラなタッチ。 汗をかいても肌ばなれがよくて、とにかく涼しいですよ。 ほんのり透けて見えるのも、 清涼感にひと役かっています。

―― 合わせるアイテムはどんなものがおすすめですか?
宇和川 透け感が気になる方もいらっしゃると思いますが、 キャミソールを中に着てもらえれば大丈夫。 チノパンやジーンズはもちろん、 サロペットなんかをいっしょに着て、 襟だけベルトから出すともっとかわいくなると思います。
―― コーディネートを想像するだけでかわいいです!


宇和川 そして、下はリネン100%のロングパンツ。 パンツに選んだリネンはやや厚手なので透けません。 しかも、日本製のリネンで染色後に 生地をやさしくたたきほぐしているから、 ふくらみもあってリネン特有のチクチク感も ほとんどないんですよ。


―― このやわらかさはそういうわけなんですね。 リネンなのにゴワつきがないって ふしぎに思っていました。
宇和川 穿きこんでいくと、 さらにくたっとやわらかくなっていきます。
―― 自分だけの穿きジワができていくのもたのしみ。
宇和川 デザインで大事にしたのは、 らくちんな履き心地と見た目のバランス。 リネン素材でウエストが全ゴムだと、 どうしてもイージーパンツ感が出てしまうので、 ゴムはうしろだけにしました。 ウエストまわりのラクさはありつつ、 タックインしたときにもきれいに見えるよう、 前の表情にも気を配っています。



宇和川 ドローコードも内側についているので、 身長やお好みの丈感に応じて 絞って穿いていただいたりと調整できます。

―― サイズが2と3のふたつあるので、 厚底のサンダルをよく履くから長めの3、 ソールのうすいサンダルが多いから2、といった感じで 合わせる靴や身長によって選べるのもうれしいですね。
宇和川 リネンということもあって、脚のラインが出ない ややゆったりとしたシルエットも意識しました。
―― セーラーブラウスの色とうってかわって、 こちらは夏らしい明るい色がそろいましたね。 あざやかなブーゲンビリアに、 フレッシュなアイスグリーン、 ひんやりクールなスチールグレー。






宇和川 なかなか見られない色ですよね。 リネンはべたっとした生地でなく 節(ふし)や凹凸があるので、 明るい色でも陰影がついてマイルドな印象になるから これらの3色を選んでもすてきなんじゃないかなって。 結果、大成功でしたね!
―― 奥行きがあるというか、ちょっと立体感も。 あまり明るい色のパンツは持っていないという方でも 挑戦しやすいと思います。
宇和川 この中で選ぶなら、 わたしはミントグリーンを穿いてみたいな。 いつもなら選ばないような色にチャレンジしてみたい!
―― 長めのシャツワンピースとかに合わせて、 ひざ下だけ明るい色が見えているのも きっとかわいいだろうなぁ。 宇和川さん、ありがとうございました!
〈O2〉セーラーシアーブラウス 各¥14,300(税込)
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オフホワイト
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ブラック
〈O2〉カラーリネンパンツ 各¥18,700(税込)
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アイスグリーン
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ブーゲンビリア
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スチールグレー